2020年 大学院理工学研究科 シラバス - 物理学専攻
設置情報
科目名 | 磁気流体力学Ⅰ | ||
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設置学科 | 物理学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 長山 好夫 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜1 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M51A |
クラス | |||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | プラズマ物理学を専攻する大学院生の常識集でもある「F.F. Chen "Introduction to Plasma Physics and Controlled Fusion"(訳:プラズマ物理入門)」の内容を理解する。重要な式は導出できるようにし、基本的な電磁流体力学の概念を理解する。 |
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授業形態及び 授業方法 |
国の研究機関における研究者としての経験をもとに、磁気流体力学の応用分野である核融合炉設計の基本的な考え方などについても合わせて修得する。 遠隔授業 講義メモPDFをCSTポータルIIにアップする。教科書を参考にしながら演習問題2問を解き、解答をレポート提出する。これは試験の代わりの評価の材料となる。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
予習:教科書を読む 復習:教科書の式の導出を自分でもできるようにする。 予備知識:電磁気学や解析学(偏微分方程式) |
授業計画
第1回 | 電磁流体力学方程式の導出1(遠隔授業): ボルツマン(Boltzmann)方程式および荷電粒子の運動方程式から、二流体電磁流体力学方程式:連続の式(質量保存則)の導出 |
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第2回 | 電磁流体力学方程式の導出2(遠隔授業): 二流体電磁流体力学方程式:運動方程式(運動量保存則)の導出。 プラズマ振動と時間微分項の扱い |
第3回 | 流体ドリフト運動(遠隔授業): 磁場に垂直な流体ドリフト運動(電場ドリフト、反磁性ドリフト) 磁場に平行なドリフト |
第4回 | 電子プラズマ波 (遠隔授業) |
第5回 | イオン波(遠隔授業): |
第6回 | 静電波(遠隔授業) |
第7回 | 磁場のないプラズマ中の電磁波 (遠隔授業) 低域混成周波数 磁場のないプラズマ中の電磁波 |
第8回 | 磁場に垂直方向に進行する電磁波(遠隔授業) OモードとXモード カットオフ、共鳴 |
第9回 | 磁場方向に進行する電磁波(遠隔授業) R波、L波 |
第10回 | 磁気流体波(遠隔授業) アルベン波、磁気音波 CMA線図 |
第11回 | ランダムウォークと拡散方程式(遠隔授業) 拡散方程式の導出 |
第12回 | 弱電離プラズマの拡散(遠隔授業) 弱電離プラズマの拡散 クーロン衝突と電気抵抗 |
第13回 | 磁気閉じ込めプラズマの拡散(遠隔授業) 一流体MHD方程式の導出 磁気閉じ込めプラズマの拡散 |
第14回 | 運動論(遠隔授業): ランダウダンピング |
第15回 | シースと衝撃波(遠隔授業) チャイルド・ラングミュア則 静電プローブ |
その他
教科書 |
Francis F. Chen (著), 内田 岱二郎 (翻訳) 『プラズマ物理入門』 丸善 1977年 第1版
初歩のプラズマ物理学の教科書の定番「F.F. Chen "Introduction to Plasma Physics and Controlled Fusion" (第1版)」の日本語訳。プラズマの基礎から電磁流体力学まで、本質を重視し、分かりやすく書かれている。式の導出も丁寧である。本書はプラズマを専攻する大学院生の常識集でもあり、手元に常備すべきである。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
Francis Chen, Introduction to Plasma Physics and Controlled Fusion, Springer, 2015, 3 edition
「F.F. Chen "Introduction to Plasma Physics and Controlled Fusion"」の最新版。旧版の日本語訳との差は、単位系がMKSになったこと、内容的には核融合実験装置が最新のものになったぐらいだが、演習問題の解答がついている点はとても大きい。
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成績評価の方法 及び基準 |
レポートの点数の合計で評価する。 |
質問への対応 | メールで受け付ける。 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台キャンパス7号館2階721B号室 電子メール:nagayama.yoshio@nihon-u.ac.jp 内線:898 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
電磁流体力学(MHD)は難しいので、ステップを踏んで一段ずつ上っていくしかありません。F.F. Chenは「初歩のプラズマ物理」の教科書の世界的定番です。日本語訳があるのはありがたいです。F.F. Chenに導かれるままに式を導出していきます。条件が極端な場合を取り扱うので戸惑うかもしれませんが、問題を容易にするためですのでやむをえません。徐々にプラズマ物理学の概念や基礎方程式、電磁流体力学に慣れていきましょう。 |