2022年 理工学部 シラバス - 交通システム工学科
設置情報
科目名 | 交通経済学 | ||
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設置学科 | 交通システム工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 福田・伊東・二村 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜1 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | B11D |
クラス | |||
履修系統図 | エンジニアリングコースの系統図確認 マネジメントコースの系統図確認 |
概要
学修到達目標 | 本科目のカリキュラム上の位置づけは、交通政策を経済学の考え方に基づいて理解するために必要な基礎的な知識を習得することであり、以下が出来ることを目標とする(認知的領域:知識・理解)。 (1)ミクロ経済学の用語を使って消費者行動と企業行動を図解できること。 (2)交通問題を改善・維持するために実施される規制、課税などの政策を、図解できること。 (3)特に、交通が環境に与える影響と、それを改善・維持するために実施される規制、課税、市場メカニズムを図解できること。 (4)交通環境政策による環境価値の変化を計測する複数の方法を説明できること。 同時に、以下が出来ることを目標とする(認知的領域:思考・判断) (5)現実の交通問題に対する経済的政策を説明し、その効果と課題について自らの考えを述べることができる。 本科目は交通システム工学科の学習・教育到達目標A~IのうちD「専門応用学力」およびI「デザイン・総合力」の達成に主体的に関与する重要な科目である。また、C「専門基礎学力」の達成に補足的に関与する科目である。 本授業科目はDP1・3・4・5・6及びCP1・3・4・5・6に該当しています。 |
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授業形態及び 授業方法 |
対面で授業を実施します。 |
履修条件 | 経済学および数理統計学を受講していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | わが国の交通市場の概観/交通サービスの特殊性(二村) 日本の機関分担率を概観し、交通サービスの特性について説明する。 【事前学習】事前に配布する講義資料に目を通す(120分) 【事後学習】講義内容を復習する(120分) |
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第2回 | ミクロ経済学の基礎Ⅰ(二村) 需要曲線・供給曲線・消費者余剰・生産者余剰について説明。 【事前学習】事前に配布する講義資料に目を通す(120分) 【事後学習】講義内容を復習する(120分) |
第3回 | ミクロ経済学の基礎Ⅱ(二村) 市場の失敗の諸要因について説明。 【事前学習】事前に配布する講義資料に目を通す(120分) 【事後学習】講義内容を復習し、身近な市場の失敗の具体例について考えてみる(120分) |
第4回 | 交通機関選択の議論(二村) 交通機関選択の要因と一般化費用の議論について説明する。 【事前学習】事前に配布する講義資料に目を通し、自分が旅行をする場合に重視する要因について挙げてみる(120分) 【事後学習】講義内容を復習する(120分) |
第5回 | 運賃理論(二村) 限界費用価格形成と混雑税について説明する。 【事前学習】事前に配布する講義資料に目を通す(120分) 【事後学習】講義内容を復習し、ロンドンの混雑料金政策について調べる(120分) |
第6回 | 運賃政策(二村) 総括原価主義に基づく現実の価格設定について説明する。 【事前学習】事前に配布する講義資料に目を通す(120分) 【事後学習】講義内容を復習し、コロナ後の鉄道各社の対応について調べる(120分) |
第7回 | 規制政策(二村) 規制の根拠と規制緩和の根拠について説明する。 【事前学習】事前に配布する講義資料に目を通す(120分) 【事後学習】講義内容を復習し、現在の航空分野の競争について確認する(120分) |
第8回 | 市場の失敗(伊東) 市場の失敗について解説。具体的には、技術的外部性、環境問題の余剰分析、最適な生産量と汚染レベル、市場の失敗の解決策について説明。 【事前学習】事前に配布する講義資料をもとに市場の失敗に関する事前学習を行う(120分) 【事後学習】配布した講義資料を基に重要事項を復習する(120分) |
第9回 | 政策的手段(規制,課税)(伊東) 市場の失敗について復習。その後、規制的手段、補助金制度、環境税などについて説明。 【事前学習】事前に配布する講義資料をもとに市場の失敗に関する事前学習を行う(120分) 【事後学習】配布した講義資料を基に重要事項を復習する(120分) |
第10回 | コースの定理(排出権取引)(福田) ガソリン需要曲線、CO2排出需要曲線、限界削減費用曲線について解説。その後、コースの定理について解説。 【事前学習】市場の失敗について復習し内容を理解する(60分) 【事後学習】限界削減費用曲線を作成する課題を行う(180分) |
第11回 | 京都メカニズム1(概要)(福田) コースの定理などについて復習。その後、京都議定書、京都メカニズム、排出量取引などについて解説し、演習を行う。 【事前学習】配布したプリントを読みコースの定理について復習する(60分) 【事後学習】京都メカニズムに関して不明な点を質問できるようまとめる(120分) |
第12回 | プロジェクト評価(福田) 費用便益分析、SCGEなどについて解説 |
第13回 | 環境価値の評価1(伊東) 環境価値の計測に関して解説。CVM、コンジョイント分析などを説明。 【事前学習】事前に配布する講義資料をもとに環境の価値やCVMに関する事前学習を行う(120分) 【事後学習】配布した講義資料を復習する(120分) |
第14回 | 環境価値の評価2(伊東) トラベルコスト法、ヘドニック法などを説明。その後全体のまとめ。 【事前学習】事前に配布する講義資料をもとにトラベルコスト法、ヘドニック法に関する事前学習を行う(120分) 【事後学習】配布した講義資料を復習する(120分) |
第15回 | 試験と全体のまとめ(伊東、福田) 【事前学習】全体の講義内容を整理し、内容を理解しておく(120分) 【事後学習】平常試験の解説を踏まえ、自分の課題内容と比較して内容を理解する(120分) |
その他
教科書 |
竹内健蔵 『交通経済学入門』 有斐閣ブックス 有斐閣 2018年 第2版
このテキストは経済学の初学者には少々難しいため,ゆっくりと進める予定です. また,進行状況によっては講義計画の変更の可能性があります.
また福田・伊東の講義は、適宜、資料を配布します。
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参考書 |
山内弘隆・竹内健蔵 『交通経済学』 有斐閣 2002年 第2版
伊藤元重 『ミクロ経済学』 日本評論社 2018年 第3版
日引 聡,有村俊秀 『入門 環境経済学―環境問題解決へのアプローチ』 勁草書房 1999年 第1版
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成績評価の方法 及び基準 |
定期試験では、C「専門基礎学力」、D「専門応用学力」の達成に関して、学修到達目標に掲げた(1)~(4)に関して確認を行う。また、レポートではI「デザイン・総合力」の達成に関して、学修到達目標に掲げた(5)ができることを確認する。配点は、定期試験70%、レポート30%とする。 出席が80%以下(授業回数15回中11回以下)の場合は定期試験の採点対象としない(正当な理由がある場合に限り、追加課題の提出により許可する)。 |
質問への対応 | メールで受け付けます。 |
研究室又は 連絡先 |
二村:futamura@lab.twcu.ac.jp 伊東:ito.hideyuki@nihon-u.ac.jp 福田:fukuda.atsushi@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 船橋 12:30 ~ 13:00 伊東
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学生への メッセージ |
この講義では、ミクロ経済学に基づく交通活動や環境問題を経済学的な観点で理解する上で必要となる基礎的な知識を講義します。交通問題を考える上で大変重要な内容になりますので、頑張って勉強してください。 |