2022年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 |
教)数学科教育法Ⅰ
中学校数学教育の現在
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 2年 |
担当者 | 相田 紘孝 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 土曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | Y65B |
クラス | 数学科以外の学生用クラス・集中授業 |
概要
学修到達目標 | (1) 中学校の数学教育について、現在の授業改革、身につけるべき能力と評価方法の変化、政策とカリキュラムの歴史、活用が期待されるICT機器やサービスを理解している。 (2) 中学校の数学教育の内容について、小学校算数、高校数学、さらには数学の学問的な研究との関係も含めて理解している。 (3) 探究的な教材の開発、シナリオ形式の授業計画の作成と模擬的な実践、さらにはその経験を生かした簡易な学習指導案の作成を行うことを通じて、現代の中学校の数学教育において求められる技術を習得している。 |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 ・夏期集中講義として実施する。全4日間で、1日目:第1回~第4回、2日目:第5回~第8回、3日目:第9回~第12回、4日目:第13回~第15回の配分で実施する予定である。全日程に確実に出席できるように、授業日程の連絡を見逃さないようにすること。 ・3日目と4日目の間に一定の間隔を置き、課題を実施してもらう予定である。その間の日程について、課題に取り組むための時間的余裕を確保しておくこと。 ・授業終了後、締切日を設けて、最終レポートに取り組んでもらう予定である。授業終了後についても、最終レポートに取り組むための時間的余裕を確保しておくこと。 ・新型コロナウイルス感染症の流行状況に応じて、授業形態及び授業方法を変更することがある。 |
履修条件 | 中・高教員免許(数学)取得のための必修科目(新課程) この授業は、数学科以外の学生用の科目である。数学科の学生でこのクラスの履修を希望する場合は、授業開始以前に担当教員に必ず相談すること。 ※旧課程の学生は、「教科教育法Ⅰ」に加えて「教育課程論」の履修が必要である。編入学生や科目等履修生で新・旧課程の区分が分からない場合は、教務課窓口に確認すること。 |
授業計画
第1回 | 中学校数学教育の現在 【事前学習】自分が中学校で受けた数学教育について、おもしろかったこと、高校や大学での学習や活動に生かすことができたこと、学校外での活動や生活において生かすことができたことを思い出してまとめておく。(120分) 【事後学習】授業で紹介した中学校数学の授業の事例を踏まえて、自分の出身の中学校で同じような授業を実施するためにはどうすればいいか、その際に直面する課題は何なのか、自分の考えをまとめておく。(120分) |
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第2回 | 現代のコンピテンシー論と中学校数学教育への影響 【事前学習】2030年代・2040年代の社会がどうなっているのかを想像し、そこで求められる数学的能力を予測しておく。(120分) 【事後学習】授業で紹介されたコンピテンシー論を比較検討し、それを中学校の生徒が習得するためにはどのような数学の授業を行えばよいのか、自分の考えをまとめておく。(120分) |
第3回 | 学習指導要領の変遷と中学校数学教育の目標 【事前学習】『中学校学習指導要領解説 数学編』の第1章「総説」の数学科の目標に関する部分と第2章第1節「数学科の目標」を読み、興味深いと思った点と疑問点をまとめておく。(120分) 【事後学習】第2回の授業で紹介されたコンピテンシー論と学習指導要領における中学校数学の目標を比較し、その共通点と相違点をまとめておく。(120分) |
第4回 | 中学校数学に関する授業の技術と教材開発 【事前学習】発言しやすい数学の授業や多様な意見が出やすい数学の授業を実現するために大切だと自分が思うことをまとめておく。(120分) 【事後学習】授業中に紹介された教材開発の方法を応用して、自分で教材を開発しておく。(120分) |
第5回 | 中学校数学におけるICTの活用 【事前学習】小学校から現在までの数学の学習において、活用したことのあるICT機器やサービスを思い出してまとめておく。(120分) 【事後学習】授業中に紹介されたICT機器やサービスを使用して、自分で選んだ中学校数学の問題の考察を行っておく。(120分) |
第6回 | 現代の数学教育における評価の改革 【事前学習】自分がこれまで受けた数学のテストで、おもしろかったものを思い出して、まとめておく。(120分) 【事後学習】パフォーマンス評価の理論と方法を参考にして、パフォーマンス課題とルーブリックを作成しておく。(120分) |
第7回 | 中学校数学教育の内容と構造の歴史的変遷 【事前学習】『中学校学習指導要領解説 数学編』の第1章「総説」の数学科の内容に関する部分と第2章第2節「数学科の内容」を読み、興味深いと思った点と疑問点をまとめておく。(120分) 【事後学習】中学校数学と小学校算数および高校数学との連携について、自分の考えをまとめておく。(120分) |
第8回 | 「データの活用」分野の指導:統計的思考と統計的探究プロセス(PPDACモデル)/統計的確率と理論的確率 【事前学習】Microsoft Excelを用いた箱ひげ図の書き方を調べておく。また、「今日の天気予報は「降水確率50%」で、1年前の今日は雨だったから、今年の今日は晴れますね。」という主張に対する有効な反論を考えておく。(120分) 【事後学習】PPDACモデルに基づく探究活動に取り組み、発表の準備をしておく。(120分) |
第9回 | 「数と式」分野の指導:数の体系/文字式と方程式 【事前学習】「(負の数)×(負の数)=(正の数)」となることについて自分はどのような説明を受けたのか、思い出し、今の自分だったらどのように説明するのか、案を考えておく。(120分) 【事後学習】文字式と方程式に関する探究活動に取り組み、発表の準備をしておく。(120分) |
第10回 | 「図形」分野の指導:測定、作図、論証/三平方の定理 【事前学習】三平方の定理の証明を3種類以上考えておく。(120分) 【事後学習】三平方の定理に関する探究活動に取り組み、発表の準備をしておく。(120分) |
第11回 | 「関数」分野の指導:事象の変化とグラフ/事象のモデル化 【事前学習】ともなって変わる二つの量が比例、反比例、比例以外の1次関数、原点を通る2次関数になる事象の例をそれぞれ考えておく。また、いずれにもならない事象の例も考えておく。(120分) 【事後学習】事象のモデル化に関する探究活動に取り組み、発表の準備をしておく。(120分) |
第12回 | シナリオ形式の授業計画の特徴/授業のシナリオの実演 【事前学習】今まで取り組んだ探究活動について、実際の授業ではどのような形式で提示して生徒にどのような支援を行えばよいかを考えておく。(60分) 【事後学習】授業のシナリオの実演の経験を参考にして、担当になった内容の授業のシナリオをグループで作成しておく。(180分) |
第13回 | 模擬授業1:「数と式」分野/「図形」分野 【事前学習】自分のグループで作成した授業のシナリオの実演をグループで練習しておく。(180分) 【事後学習】模擬授業について、さらに対話が豊富な授業にするためにはどうすればよいのかを考えておく。(60分) |
第14回 | 模擬授業2:「関数」分野/「データの活用」分野 【事前学習】自分のグループで作成した授業のシナリオの実演をグループで練習しておく。(180分) 【事後学習】模擬授業について、さらに対話が豊富な授業にするためにはどうすればよいのかを考えておく。(60分) |
第15回 | シナリオ形式の授業計画を生かした学習指導案の作成 【事前学習】模擬授業の経験に基づいて、授業のシナリオの改善点を考えておく。(120分) 【事後学習】授業中に説明されたポイントを参考にして、簡易な学習指導案を作成しておく。(120分) |
その他
教科書 |
西村圭一・太田伸也 『中学校・高等学校数学科 授業力を育む教育実習』 東京学芸大学出版会 2018年
文部科学省 『中学校学習指導要領解説(平成29年告示)数学編』 日本文教出版株式会社 2018年
文部科学省 『高等学校学習指導要領解説(平成30年告示) 数学編 理数編』 学校図書株式会社 2019年
文部科学省 『小学校学習指導要領解説(平成29年告示)算数編』 日本文教出版株式会社 2018年
『中学校・高等学校数学科 授業力を育む教育実習』は、主に自習用に用いる。
『中学校学習指導要領解説(平成29年告示)数学編』、『高等学校学習指導要領解説(平成30年告示) 数学編 理数編』、『小学校学習指導要領解説(平成29年告示)算数編』は、以下の文部科学省ウェブサイトよりダウンロード可能である。
https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1384661.htm
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参考書 |
岡本和夫(他)(編) 『未来へひろがる数学1 (61 啓林館 数学 705) [978-4-402-01827-6]』 啓林館
岡本和夫(他)(編) 『未来へひろがる数学2 (61 啓林館 数学 805) [978-4-402-01828-3]』 啓林館
岡本和夫(他)(編) 『未来へひろがる数学3 (61 啓林館 数学 905) [978-4-402-01829-0]』 啓林館
授業のシナリオを作成する際の参考にするために、中学校3学年分の数学の教科書を用意しておくこと。中学校時代に使用したものでかまわない。購入する場合は、上記の出版社のものを推奨する。
購入場所は、以下から調べることができる。
http://www.text-kyoukyuu.or.jp/gaiyou.html#kounyuu
それ以外に、必要に応じて資料を配布する。
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成績評価の方法 及び基準 |
以下の3点の条件をすべて満たすことが、成績評価の対象者となる条件である。3点のうち1点でも満たさなかった場合は、成績評価の対象外と判断し、「E」評価(判定不可)となる。 (1) 授業実施回数15回のうち2/3である10回以上に出席している。 (2) 模擬授業を実施している。 (3) 最終レポート(簡易な学習指導案を予定)を締切までに提出している。 成績評価の方法と割合は、最終レポート100%である。 最終レポートの内容と評価基準については、受講生の実態を踏まえた上で決定する。具体的には、授業最終回に説明する。 最終レポートについてのフィードバックは電子システムへの講評の掲示によって行う。 ・新型コロナウイルス感染症の流行状況に応じて変更する可能性がある。変更する場合は授業時に伝達する。 |
質問への対応 | 下記の連絡先宛に送ってもらえば、適宜対応する。 なお、連絡を取る際は、本人確認を容易にするために、科目名、曜日時限(夏期集中講義)、学科、学生番号、氏名の5点を必ず記入すること。 |
研究室又は 連絡先 |
連絡先メールアドレス:aidadiawork[at]gmail.com その他の連絡手段については、受講生向けの事前連絡で説明する。 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
・中学校数学の復習の授業ではないので、中学校数学の内容を網羅することはない。中学校数学の知識の習得は自分で行うこと。 ・授業外の学修がかなり多い授業なので、そのつもりで受講し、スケジュール管理を行っておくこと。 ・受講生の人数や理解度・習熟度に応じて授業の内容や構成を変更することがある。 |