2022年 大学院理工学研究科 シラバス - 土木工学専攻
設置情報
科目名 |
土木構造学特論Ⅴ
構造メンテナンス工学
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設置学科 | 土木工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 小西 拓洋 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | A45A |
クラス | |||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 橋梁を対象として,破壊制御のための設計,製作,維持管理技術を学ぶ. 橋梁等の破壊,事故事例から,その原因調査手法を習得する. 予想される破壊に対する照査方法(構造物の照査法)を習得する. |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」で実施する。 パワーポイントを使用して講義を行う。 授業時間内に簡単な演習を行う. 授業内容に関する問題(HW)を出し,次回授業前に提出してもらい,その次の授業で内容評価,解説を行う. |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
授業前に講義概要(PPT)を配布する.PPT内で指示されている教科書の頁を事前によんでおくこと. |
授業計画
第1回 | 鋼材の力学的性質:鉄と比べた場合の鋼の特徴,力学的性質を理解する. |
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第2回 | 材料の破壊:破壊形態に関して,脆性破壊と延性破壊の違い,疲労破壊について説明する. |
第3回 | 引張り部材の設計:引張り部材の耐力評価法について講義を行う.引張りを受ける部材強度は一様ではなく,また部材内部の応力分布は,偏心,応力集中等により均一にはならない.このような影響を考慮した部材設計方法について説明する. |
第4回 | 引張部材の破壊制御:ケーブルなど主要引張り部材の破壊とその制御:引張部材の破壊がどのような場合に発生するか,特に環境誘因破壊に対する制御(防食)について説明する. |
第5回 | 圧縮破壊の制御:鋼圧縮部材の主たる破壊は座屈現象であり,これによる強度低下とその設計法について講義を行う. |
第6回 | 脆性破壊:脆性破壊により構造物の重大事故が発生する場合がある.その事例を紹介し,危険性,破壊のメカニズムについて講義を行う. |
第7回 | 疲労破壊(1):疲労とは何か,疲労は劣化破壊であり,耐荷力と荷重で破壊が決まるような力学現象と破壊基準が異なる.その破壊基準と発生,進展に影響する種々の要因について説明する. |
第8回 | 疲労破壊(2):鋼構造物の疲労損傷事例を紹介し,疲労亀裂の検査法,原因の調査手段,評価法を学ぶ.現行の疲労設計法と維持管理法を解説する. |
第9回 | 寿命予測:疲労などの劣化現象について、劣化曲線の推定法,劣化レベルの予測法を学ぶ。橋梁の寿命予測を演習形式で行う |
第10回 | 疲労破壊制御:鋼構造物の疲労損傷事例を紹介し,疲労破壊が生じる原因と対策を理解する.破壊の起点となる損傷の検知方法(点検、検査)について学ぶ. |
第11回 | 継手の破壊:構造物の破壊は接合部において多発する.溶接継手とボルト継手の設計法,両者の長所,短所を学ぶ.疲労により溶接継手の終局強度が決定される理由を説明する. |
第12回 | 破壊解析(1):一般的な限界状態の照査にはFEMなどを用いた非線形解析的が必要となる.FEMプログラムによる構造物の破壊予測解析を説明する. |
第13回 | 破壊解析(2):破壊予測のための解析演習 |
第14回 | 破壊制御設計:破壊を限界状態と考えた限界状態設計法について学ぶ.実構造物の限界状態の照査法を演習により習得する. |
第15回 | 全体解説:破壊に関して学んだスキルを確認し,不足している部分については補講を行う. |
その他
教科書 |
三木千壽 『鋼構造』 共立出版 2000年
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
講義内で配布する
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成績評価の方法 及び基準 |
HWに対するレポートの内容(自分で解こうとしているか,自分で調べているか),授業中の質問のレベルで評価する. |
質問への対応 | 授業内での質問について,その場で対応する.授業後の質問,レポートに示された疑義については,次の授業で対応する. |
研究室又は 連絡先 |
t_konishi@issinc.co.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
構造物の破壊を未然に防止する判断力を養う講義を目指しています.未知な部分も多い領域ですので,疑問に思ったことは躊躇せず質問してください. |