2022年 大学院理工学研究科 シラバス - 海洋建築工学専攻
設置情報
科目名 | 浮体工学特論 | ||
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設置学科 | 海洋建築工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 居駒・増田 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | D14B |
クラス |
概要
学修到達目標 | 規則的および不規則な海洋波浪中における浮体運動のメカニズムについてその現象を理解する。線形ポテンシャル理論による浮体運動の取り扱いを理解し,時間領域と周波数領域での運動方程式の間の関係を誘導できる。さらに、不規則海洋波浪の取り扱いとスペクトル解析とうについての表現,予測,そしてそれらを設計へ活用できるようになる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
【対面授業】 主としてPower Pointと必要に応じて黒板を使用する。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
流体力学の初歩、ならびに、複素関数論の初歩を学んでいることが望ましい。 復習時間を十分に確保し,理論展開と実現象のイメージとをリンクできるようにすること。 |
授業計画
第1回 | ガイダンス、浮遊構造物の歴史と現状と将来展望 事前学修(120分):シラバスの確認と浮体式海洋構造物のネットでの調査 事後学修(120分):講義内容全般の確認と関連情報のネットでの調査 |
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第2回 | 浮遊構造物の安定性、復原性 事前学修(120分):浮体の静的安定性の復習 事後学修(120分):演習課題と任意形状の浮体の場合の取り扱いの考察 |
第3回 | 規則波中浮体運動理論:流体力の境界値問題、2次元流体力(定常動揺問題)、境界値問題、固有関数、グリーン関数 、波無しポテンシャル、速度ポテンシャル、Kochin関数、グリーンの定理による速度ポテンシャルの表現、 事前学修(120分):微分方程式の境界値問題 事後学修(120分):ラプラスの式と境界積分方程式への誘導の定式化 |
第4回 | 規則波中浮体運動理論:浮体と流体の相互作用、別所の逆時間ポテンシャル、2次元問題、3次元問題、浮体に作用する流体力 事前学修(120分):領域積分と圧力積分の理解 事後学修(120分):講義の復習とノートの整理 |
第5回 | 規則波中浮体運動理論: radiation流体力、グリーン定理、相反定理、波強制力、Haskindの関係、Haskind-Newmanの関係, Kochin関数間の関係、透過波と反射波 事前学修(120分):テーラー展開と物体が移動しない速度を持つ境界の説明レポート 事後学修(120分):コチン関数,波強制力と付加質量,造波減衰係数の定式化 |
第6回 | フーリエ解析、スペクトル解析 事前学修(120分):不規則波中の浮体運動を考えるために,規則波に対する浮体応答の予測が利用できる理由の説明レポート 事後学修(120分):波スペクトルの表示 |
第7回 | 時間領域の浮体運動の取り扱い 事前学修(120分):インパルス応答とその取扱いを調べる 事後学修(120分):周波数応答関数からインパルス応答関数を作成する |
第8回 | 不規則波中浮体運動理論:周波数領域と時間領域の運動方程式、時間領域での流体力 事前学修(120分):畳み込み積分を調べる 事後学修(120分):時間積分法による微分方程式の数値解法を調べる |
第9回 | 不規則波中浮体運動理論:時間領域における運動方程式、付加質量と造波減衰係数の関係、クラメールス・クレーニッヒの分散公式 事前学修(120分):時間積分法による微分方程式の数値解法プログラムの作成 事後学修(120分):メモリー影響関数の畳み込み積分の実行 |
第10回 | 海洋波の取り扱い 規則波・不規則波,定常性,エルゴード性 海洋波スペクトル 事前学修(120分):波スペクトルの複数の表示 事後学修(120分):一方向不規則波の生成 |
第11回 | 方向波の取り扱いと非線形干渉 方向分布関数,方向波でのエルゴード性 事前学修(120分):三角関数の積和の公式の復習と係留設計の課題をWEB等で調べる 事後学修(120分):非線形波浪の時系列の生成 |
第12回 | 波浪発電理論, 弾性浮体の波浪中挙動、係留、海洋都市 事前学修(120分):波力発電方式を調べる 事後学修(120分):波パワーの定式の復習 |
第13回 | 係留設計 カテナリー理論による準静的解析と動的解析 事前学修(120分):浮体の係留システム設計の課題を調べる 事後学修(120分):カテナリー理論によるチェーン係留時の形状算定 |
第14回 | 係留設計 動的解析の取り扱い,ランプドマス法など 事前学修(120分):ヒステリシスと係留索の関係について事前レポート作成 事後学修(120分):係留反力履歴と浮体応答特性についての考察 |
第15回 | 口頭試問および小論文レポート作成 事前学修(120分):浮体を利用した海洋開発と設計課題について調べる 事後学修(120分):講義全体の復習とノートの整理 |
その他
教科書 |
小山健夫、藤野正隆、前田久明 『船体と海洋構造物の運動学(元良誠三監修)』 成山堂 2000年 第2版
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
日野幹雄 『スペクトル解析』 朝倉書店 2000年 第1版
M. Ochi, OCEAN WAVES, Ocean Technology Series, Cambridge University Press, 1998, 1 edition
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成績評価の方法 及び基準 |
授業への参加意欲:50点満点。各回5点(研究室の実験補助等で欠席の場合は申し出ること。内容確認の上で授業への参加意欲を考慮する。) 授業中の質問:20点満点。各回10点。 レポート提出:30点満点。 単位取得条件:出席5回以上、かつ、質問1回以上、かつ、レポート1件以上提出。 |
質問への対応 | 講義時間内での質問はその場で回答する。メールによる質問は、メールで回答するか、次の講義時間内で回答する。 |
研究室又は 連絡先 |
海洋空間利用工学研究室(13号館4階) ikoma.tomoki@nihon-u.ac.jp masuda.koichi@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
月曜 船橋 16:40 ~ 18:00 13号4階 海洋空間利用研究室
水曜 船橋 16:40 ~ 18:00 13号4階 海洋空間利用研究室
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学生への メッセージ |
積極的に、授業中に質問を発することを期待する。 |