2022年 大学院理工学研究科 シラバス - 海洋建築工学専攻
設置情報
科目名 | 沿岸環境工学特論 | ||
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設置学科 | 海洋建築工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 小林 昭男 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜6 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | D46A |
クラス | 社会人大学院生がいるときに開講 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 社会環境と自然環境の調和を図りつつ施設の計画・設計するために必要な技術,および沿岸域の利用者との合意形成に有効な工学的な問題解決手法を修得し,基本的な沿岸域の環境管理ができる。 本科目の学修を通して,日本大学教育憲章の「自主創造」を構成する「自ら学ぶ」能力のうちの「豊かな知識・教養を基に倫理観を高めることができる」能力と,「自ら考える」能力のうちの「得られる情報を基に論理的な思考,批判的な思考をすることができる」能力と「事象を注意深く観察して問題を発見し,解決策を提案することができる」能力を養うことができる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業形態:対面式授業と議論 授業概要:本科目では,海岸・港湾施設の計画・設計技術に関する実務経験に基づいて,現実に課題となりうる事項への留意点を取り上げて授業を行う。 授業方法:各回の授業テーマから重要事項を3項目抽出して解説・議論する.授業方法は,1)目的と概要の解説(5分),2)3項目を各20分程度解説(60分),3)質疑応答・議論(25分). |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
moodleに掲載する資料により授業内容を確認し,キーワードの整理や研究テーマとの関連性の考察を行い,強い関心をもって授業に臨むこと |
授業計画
第1回 | ガイダンス:授業計画の説明 【テーマ】沿岸環境工学概説 【内容】海岸法が掲げる海岸の防護・利用・環境の3要素と海岸をめぐる諸問題の解説を通して,本授業科目の学修の目的が理解できる。 【事前学習】「沿岸域工学の基礎」(技報堂)第1章の通読(120分) 【事後学習】配布資料と授業ノートを利用した知識の整理(120分) |
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第2回 | 【テーマ】海岸地形 【内容】海岸の法的位置づけ,海岸地形の歴史的な変化を修得し,海岸整備の背景を理解するための応用力が修得できる。。 【事前学習】海岸法の条文の通読(120分) 【事後学習】配布資料と授業ノートを利用した知識の整理(120分) |
第3回 | 【テーマ】波と海岸地形 【内容】海岸地形の形成過程を修得し,海岸侵食問題を理解するための応用力が修得できる。 【事前学習】「沿岸域工学の基礎」(技報堂)第7・8章の通読(120分) 【事後学習】配布資料と授業ノートを利用した知識の整理(120分) |
第4回 | 【テーマ】海岸侵食対策 【内容】海岸保全施設による侵食対策技術と対策立案技術を理解し,海岸侵食対策を立案するための応用力が修得できる。 【事前学習】「沿岸域工学の基礎」(技報堂)第8・9章の通読(120分) 【事後学習】配布資料と授業ノートを利用した知識の整理(120分) |
第5回 | 【テーマ】長周期の波 【内容】高潮,津波,副振動の要因を修得し,沿岸域の安全性を向上させるための応用力をが修得できる。 【事前学習】「沿岸域工学の基礎」(技報堂)第3章の通読(120分) 【事後学習】配布資料と授業ノートを利用した知識の整理(120分) |
第6回 | 【テーマ】波浪 【内容】沿岸域における波浪の性質の変化を修得し,沿岸域の安全で快適な環境を創造するための応用力が修得できる。 【事前学習】「沿岸域工学の基礎」(技報堂)第4・5章の通読(120分) 【事後学習】配布資料と授業ノートを利用した知識の整理(120分) |
第7回 | 【テーマ】海岸保全施設の設計(1) 【内容】海岸保全施設の技術上の基準・同解説を参考にして海岸保全施設の設計条件に対する考え方を理解し,施設の基本設計のための応用力が修得できる。 【事前学習】「沿岸域工学の基礎」(技報堂)第10章の通読(120分) 【事後学習】配布資料と授業ノートを利用した知識の整理(120分) |
第8回 | 【テーマ】海岸保全施設の設計(2) 【内容】海岸保全施設の技術上の基準・同解説を参考にして海岸保全施設の設計に対する考え方を理解し,施設の基本設計のための応用力が修得できる。 【事前学習】「海岸施設設計便覧」(技報堂)第5章5.3の通読(120分) 【事後学習】配布資料と授業ノートを利用した知識の整理(120分) |
第9回 | 【テーマ】海岸保全基本計画 【内容】千葉県を対象として太平洋に面する東岸と東京湾に面する湾岸の海岸保全基本計画の内容を理解するとともに,外海を内海に面する沿岸の保全環境の違いを理解し,沿岸域の安全で快適な環境を創造するための応用力が修得できる。 【事前学習】「海岸保全基本計画」(千葉県)の通読(120分) 【事後学習】配布資料と授業ノートを利用した知識の整理(120分) |
第10回 | 【テーマ】海岸保全施設維持管理 【内容】施設の老朽化に対する維持管理技術の考え方を理解し,長寿命化計画立案に対する応用力が修得できる。 【事前学習】「海岸保全施設維持管理マニュアル」の通読(120分) 【事後学習】配布資料と授業ノートを利用した知識の整理(120分) |
第11回 | 【テーマ】生物多様性国家戦略 【内容】生物多様性の保全及び持続的な利用に向けた戦力を理解し,自然共生型海岸づくりに着目して,生態系に配慮した沿岸環境整備の立案に対する応用力が修得できる。 【事前学習】「生物多様性国家戦略」の通読(120分) 【事後学習】配布資料と授業ノートを利用した知識の整理(120分) |
第12回 | 【テーマ】環境影響評価 【内容】自然共生型海岸づくりを進めるための砂浜海岸生態系の環境影響評価に関する基本的な考え方が修得できる。 【事前学習】「砂浜海岸生態系の環境影響評価に関する基本的な検討」の通読(120分) 【事後学習】配布資料と授業ノートを利用した知識の整理(120分) |
第13回 | 【テーマ】気候変動と沿岸環境 【内容】気候変動に伴う国土への環境影響と適応策や施策の基本的な考え方を理解し,沿岸域に焦点を当てて環境影響と適応策や施策の基本的な考え方を理解し,適応策立案に対する応用力が修得できる。 【事前学習】「国交省 気候変動適応計画」「国交省 沿岸部の気候変動への適応」の通読(120分) 【事後学習】配布資料と授業ノートを利用した知識の整理(120分) |
第14回 | 【テーマ】海岸事業の便益と評価 【内容】海岸事業の総合的な事業評価は,「事業効果」,「公平性・緊急性」,「実施環境」の3つの基本分野で判断がなされる。そのために必要な費用便益分析を理解し,今後の海岸事業の有り方が修得できる。 【事前学習】「海岸事業の費用便益分析指針」の通読(120分) 【事後学習】配布資料と授業ノートを利用した知識の整理(120分) |
第15回 | 【テーマ】理解度確認試験および解説 【内容】全14回の授業内容を総括し,理解度を確認する課題の出題とその内容の解説を行う。 【事前学習】第14回までの配布資料とノートを利用して知識を整理すること(120分) 【事後学習】不正解であった事項を配布資料やノートで確認し,周辺の知識と結び付けて整理すること(120分) |
その他
教科書 |
毎回のテーマに沿った学術論文等の資料をMoodleに掲示するので,あらかじめ予習に用いること。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
土木学会編 『海岸施設設計便覧』 丸善 2000年 第1版
全国海岸協会,他 『海岸保全施設の技術上の基準・同解説』 沿岸技術研究センター 2018年 第1版
小林昭男 『沿岸域工学の基礎』 技報堂出版 2019年 第1版
沿岸域工学の重要事項が網羅されているので,必携のテキストです。
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成績評価の方法 及び基準 |
評価基準:毎回の授業後に行う理解度確認の小テストの合計を40点満点,第15回目で出題する課題を60点満点とし,それぞれの成績が60%以上である場合に単位を認定し,合計点で成績を評価する。 |
質問への対応 | 授業中に理解できなかった事項がある場合は,授業後に質問内容を整理して,オフィースアワーで質問しましょう。 |
研究室又は 連絡先 |
沿岸域工学研究室 13号館3階1334室 e-mail: Kobayashi.akio@*** |
オフィスアワー |
水曜 船橋 17:00 ~ 19:00
木曜 船橋 17:00 ~ 19:00
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学生への メッセージ |
日本の海岸線は3万4千kmもあり,私たちの大切な生活の空間になっています.この空間の合理的な開発と保全に必要な技術と課題の解決方法を学びましょう. |