2022年 大学院理工学研究科 シラバス - まちづくり工学専攻
設置情報
科目名 |
都市デザイン特論
ウォーターフロント計画原論
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設置学科 | まちづくり工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 横内 憲久 | 履修期 | 後期 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜3 木曜6 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | E33B E46A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 都市デザインの重要な要素は、計画対象地域(まち)でどのような生活を営ませたいか、また、それにはどのような空間があるべきかを検討することである。そのためには、歴史や文化、さらにそれをならしめた地形や気候、慣習、賦存する建設材料等を知る必要がある。また、空間づくりには、既往の有名無名の都市デザインをしっかり学び、どこにデザインの要点があるかを把握することが重要となる。 本講義では、各地のウォーターフロントの都市デザインがいかなる要点を有しているかを解析し、それによって解析力と創造性の能力を得ることができ、ウォーターフロント計画を策定する力量が備わる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
本講義は、ウォーターフロント開発の計画論を多方面からアプローチする。ひとつの実作において、その地域性(歴史・文化・地形・慣習等)を把握し、計画に関わるステークホルダーとの相互理解、法制等の適切な対応などが必要となる。本講義では、広大な埋立地での開発基本計画や浮体式水上レストラン建設などの経験をもとに、その根本となる計画論を原論として展開する。授業は「対面授業」で行い、原則として、毎回講義資料を配布し、パワーポイントと板書を利用した座学形式で行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
都市計画や都市デザイン、ウォーターフロント計画を学んでいることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | ■本講義の全体構成と概要 なぜウォーターフロント開発なのか/都市デザインとウォーターフロント開発の関連/授業の全体構成/担当講師のウォーターフロントに関わる実績をみる [事前学習]わが国のウォーターフロント開発について、関連書物等に目を通しておくこと(2時間) [事後学習]本講義で配布した資料を読み返し、疑問点がないようにしておくこと(2時間) |
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第2回 | ■theme1 都市のウォーターフロント開発 ウォーターフロント開発の概要/ウォーターフロントとは/ウォーターフロントの定義と領域/ウォーターフロント開発の変遷 [事前学習]ウォーターフロント開発の内容を書物等で理解しておくこと(2時間) [事後学習]本授業で行った、ウォーターフロントの定義や領域、WF開発の台頭した背景を復習しておくこと(2時間) |
第3回 | ■theme2 日本の港湾の概要 港湾(ウォーターフロント)とは/近代以降の港湾政策/戦後の港湾の変遷/港湾の法制度 [事前学習]わが国の港湾を関連書物等で理解しておくこと(2時間) [事後学習]本授業で行った、港湾の概要と港湾政策とそれが都市に与えた影響を復習しておくこと(2時間) |
第4回 | ■theme3 国土計画と沿岸域・ウォーターフロント① わが国の国土計画の発祥と変遷/国土計画の具体である全国総合開発計画(全総)とその時代の沿岸域・ウォーターフロントの関連/一次全総から三全総 [事前学習]国土計画の内容を関連書物等で理解しておくこと(2時間) [事後学習]本講義で行った全総の経緯等を復習しておくこと(2時間) |
第5回 | ■theme3 国土計画と沿岸域・ウォーターフロント② 四全総から五全総の概要/当時の運輸省が策定した「21世紀の港湾」の内容と画期的な要素/具体的WF開発としてのポートルネッサンス21の評価 [事前学習]これまでの国土計画の復習と21世紀の港湾を関連書物等で理解しておくこと(2時間) [事後学習]本講義で行った、国土計画と沿岸域・ウォーターフロントの関連等を復習しておくこと(2時間) |
第6回 | ■theme4 ウォーターフロント開発の変遷① 日本で起きた海上都市計画/東京計画1960(丹下健三)/海上都市計画(菊竹清訓)/アクアポリス(沖縄博) [事前学習]海上都市計画について、その計画・開発の歴史の変遷を関連書物等で理解しておくこと(2時間) [事後学習]本講義で行った、海上都市等等について復習しておくこと(2時間) |
第7回 | ■theme4 ウォーターフロント開発の変遷② ウォーターフロント開発の魅力/ウォーターフロント開発台頭の要因 [事前学習]なぜウォーターフロント開発が世界的に台頭したかを関連書物等で理解しておくこと(2時間) [事後学習]本講義で行った、ウォーターフロント開発の魅力や台頭の要因を復習しておくこと(2時間) |
第8回 | ■theme4 ウォーターフロント開発の変遷③ ウォーターフロント開発の3つのフェーズ/高度経済成長期~WF最盛期~海面空間進出期/コンパクトシティの実現の一助 [事前学習]ウォーターフロント開発の開発状況を関連書物等で理解しておくこと(2時間) [事後学習]本講義で行った、ウォーターフロントの開発期の概要と違いを復習しておくこと(2時間) |
第9回 | ■theme5 ウォーターフロント開発成功の要件① 開発の基本理念/成功したといわれる国内外の約50のウォーターフロント開発から共通した成功の要件をみる/立地的要件(囲繞空間・静穏な水域・豊富な水量・都心からの接近性・ランドマークの存在) [事前学習]ウォーターフロント開発の成功要件を関連書物等で理解しておくこと(2時間) [事後学習]本講義で行った、成功の要件を復習しておくこと(2時間) |
第10回 | ■theme5 ウォーターフロント開発成功の要件② 成功の要件の戦略的要件(背後人口の多さ・活発な複合利用・地域に対する高い認識・日常的利用頻度の多さ・利用の履歴) [事前学習]ウォーターフロント開発のスケールを関連書物等で理解しておくこと(2時間) [事後学習]本講義で行った、ウォーターフロント開発の成功を収め要件を復習しておくこと(2時間) |
第11回 | ■theme6 ウォーターフロントのスケール 海と空が圧倒的に占めるウォーターフロントのスケールとそこに建つ施設等とのスケールのあり方/超(スパー)スケールとヒューマンスケールの共存 [事前学習]まちづくりのあり方を示した、J.ジェイコブス、C.アレグザンダー、K.リンチの都市論を関連書物等で理解しておくこと(2時間) [事後学習]本講義で行った、ウォーターフロント開発の成功を収めるであろう戦略的要件を復習しておくこと(2時間) |
第12回 | ■theme7 ジェイコブス・アレグザンダー・リンチの都市論 著名な識者の提案するコルビジェ(モダニズム)とは異なるまちづくり論 [事前学習]現在行われている海洋関連法等を関連連書物等で理解しておくこと(2時間) [事後学習]本講義で行った、まちづくり論を復習しておくこと(2時間) |
第13回 | ■theme8 海洋の法制度 国連海洋法条約の概要/わが国の海洋関連法/杭式建築と浮体式建築の法制度 [事前学習]ウォーターフロントに関わる法制度等を関連書物等で理解しておくこと(2時間) [事後学習]本講義で行った、ウォーターフロント計画のための関連法制度を復習しておくこと(2時間) |
第14回 | ■theme9 ウォーターフロント開発の法制度 WF開発の建築物に関わる法制度を3つのパターンから検討する/ウォーターフロントの建物/杭式建築物/浮体式建築物 [事前学習]リバーラウンジの法制等を関連書物等で理解しておくこと(2時間) [事後学習]本講義で行った、3つの建築物の法制度を復習しておくこと(2時間) |
第15回 | ■theme10 リバーラウンジ(浮体式海上レストラン)の法制度とまとめ 講師が実際に関わった東京品川・天王寺にあるリバーラウンジに関わる法制度の問題点と解決方法/まとめとしてーWFとは/都市デザインの考慮点/都市デザインの系譜とウォーターフロント/ウォーターフロントの法制度/今後のウォーターフロントにおける都市デザイン等 [事前学習]これまで行った本講義の内容をこれまで配付されたレジメ等をはじめ関連書物等で理解しておくこと(2時間) [事後学習]本講義で行った内容やストーリー展開を、自分の修士研究に当てはめてを再考すること(2時間) |
その他
教科書 |
毎回の授業時に当日の内容をプリントしたコピーを配布する。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
参考書等は授業中に伝える。
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成績評価の方法 及び基準 |
概ね授業態度(質疑応答など)20%、レポート80%とする。 |
質問への対応 | 質問は、授業中またはe-mailで受け付ける。回答は原則として、直近の授業で行う。 |
研究室又は 連絡先 |
連絡先;日本大学理工学部まちづくり工学科事務室 横内メールアドレス;yokouchi.norihisa@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
*重要:本講義を受講をしたい院生(まち専攻、他専攻とも)は、必ず横内(横内メール)まで受講の意志をメールで送ってください。その際、氏名、所属専攻、学生番号、所属研究室(指導教員名)をお知らせください。 ・本講義担当者は、日本で”ウォーターフロント”という言葉や概念を、1975年に初めて著書として著わしました。ウォーターフロント計画とは何かを発案者から直接聞き理解を深めてもらいたい。 |