2022年 大学院理工学研究科 シラバス - まちづくり工学専攻
設置情報
科目名 | まちづくり政策特論 | ||
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設置学科 | まちづくり工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 高村 義晴 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | E42A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 人口減少・少子高齢化、国際化などに対応し、地方創生、都市の再生が大きな課題となり、まちづくり分野でも、集約型の都市構造、価値創出型のまちづくり、新たな暮らし・楽しみ方、さらにはコミュニティの創生など、新たな視点からの政策が求められている。本授業では、新たなまちづくり政策の視点・枠組み、そして課題と方向性を学修することで、次の目標に到達する。 ⑴現下の「まちづくり政策」を巡る主要な課題について、その対応の視点、方法論を提案できる。 ⑵実際のまちづくり政策やまちづくりについて、実践性に富む有効な提案をできる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 下のまちづくり政策上の主要課題を取り上げ、いかなるアプローチがなされているかを講義し、それにもとづき、その課題・問題点、改善策について議論する形式を基本とする。 また、それらの主要課題に対峙していく上で、これから必要となる計画論・事業論の視点についても議論をとおし浮き彫りにする。その際、長年の行政経験、まちづくりの経験をもとに、行政・地域・民間の見方や考え方をに言及する。 授業形態は、新型コロナ感染症対策に留意しつつも、基本的に「対面授業」に努める。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
現下の都市や地域、地域社会(コミュニティ)が抱える問題は総合的・複眼的視点を持たなければ、的確に把握することは難しくなってきている。このため、様々な都市などを巡る問題に深い関心を持ち、より幅広い視点、新たな視点でものを見ることのできる思考習慣を心がけてほしい。 |
授業計画
第1回 | 授業の全体構成と進め方 これからますます深刻化・慢性化する都市・地域の問題にいかに斬り込むか、そこに「まちづくり」はどのような役割と可能性を有し、いかなる方向を目指していくべきなのか、四つのテーマを設定し講義の展開方法、講義の進め方について説明する。 【事前学習】深刻化・慢性化する都市・地域の問題に対し、まちづくりはどのような可能性を秘めているのか、自分の考えをまとめておくこと(120分) 【事後学習】講義内容を踏まえ、まちづくりの使命・役割、そして今後の方向についてまとめる(120分) |
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第2回 | まちづくり政策の枠組みと都市計画との違い まちづくり政策の構成要素(7つ)をもとに、その枠組みを明らかにし、都市計画との関連性、補完性について説明する。まちづくりは都市計画の延長にあるのではなく、対極関係にあることも浮き彫りにする。 【事前学習】まちづくりと都市計画との対比について自分の思うところをまとめておくこと(120分) 【事後学習】講義内容を踏まえ、都市計画とまちづくりの対比表を作成すること(120分) |
第3回 | 現代社会において求められる”まちづくり”とは(1) 現代に求められる”まちづくり””まちづくり政策”とは何かについて、3つの視点を設定し議論を深める。 【事前学習】都市計画と”まちづくり”の連携により、都市や地域の諸問題に対応していくにはどうしたらよいか、自分の思うところをまとめておくこと(120分) 【事後学習】講義内容を踏まえ、3つの論点から、自分の言葉で今後の”まちづくり”の在り方についてまとめること(120分) |
第4回 | 現代社会に求められる”まちづくり”とは(2) 3つのまちづくり事例をもとに、これからの”まちづくり”の考え方・見方、方策について議論を深める。 【事前学習】これからのまちづくりの考え方・見方、そして方策(5つ)について自分の考えをまとめておくこと(120分) 【事後学習】講義内容をもとに、まちづくりの方策について自分の言葉で整理すること(120分) |
第5回 | 現代社会において求められる”まちづくり”とは(3) 3つの論点(まちづくりの領域、機動力、機動力発揮のための仕組み(体制))を設定し、新たに3つの事例を通し、これら論点に対する答えについて議論を深める。 【事前学習】①まちづくりの領域、②まちづくりの機動力となるものについて自分の考えを整理しておくこと(120分) 【事後学習】講義内容をもとに、講義で取り上げた3つの論点について自分の言葉で、例を挙げながらまとめること(120分) |
第6回 | ”まちづくり”をとおして創出される価値とは 5つの事例をもとに、まちづくりの基軸となる共有価値をどう形成するか、機動力を発揮するための仕組み(体制)について議論を深める。 【事前学習】まちづくりを通して創出される価値(①精神的価値②情緒的価値③物理機能的価値)について自分の思うところをまとめておくこと(120分) 【事後学習】講義内容をもとに、まちづくりをとおして創出される価値について、例を挙げながらまとめること(120分) |
第7回 | 共有価値の創造とそのための体制 事例をもとに、①住民が想いと力を結集しまちづくりを持続的に行うための方策(共有価値の創造)、②そのために望まれる体制ーについて議論を深める。 【事前学習】住民のまちづくりの推進力となり得るものについて自分の考えをまとめておくこと(120分) 【事後学習】講義内容をもとに、講義で取り上げた事項について、自分の言葉で例を挙げながらまとめること(120分) |
第8回 | まちづくりの新たな挑戦を読み解く(1) 12の事例の挑戦から、浮き彫りになる”まちづくりの要所”について議論を深める。 【事前学習】自分が知っている”新たなまちづくり”から、要所と思えることをまとめておくこと(120分) 【事後学習】講義内容をもとに、講義で取り上げた”まちづくりの要所”について、自分の言葉で例を挙げながらまとめること(120分) |
第9回 | まちづくりの新たな挑戦を読み解く(2) 地方創生の先進事例である”邑南町”の取組みを読み解き、地方創生の要所を浮き彫りにする。 【事前学習】地方創生戦略について調べまとめておくこと(120分) 【事後学習】邑南町の事例をもとに、そこから浮かび上がる地方創生の要所を自分の言葉でまとめること(120分) |
第10回 | まちづくりの新たな挑戦を読み解く(3) 郊外型の大規模住宅団地の再生の事例を読み解き、住宅団地再生の要所を浮き彫りにする。 【事前学習】郊外型住宅団地の問題について調べまとめておくこと(120分) 【事後学習】郊外団地の事例をもとに、そこから浮かび上がる団地再生の要所を自分の言葉でまとめること(120分) |
第11回 | まちづくりの新たな挑戦を読み解く(4) 復興のための”まちづくりの事例(岩手県田老地区)”を読み解き、今後の復興まちづくりの要所を浮き彫りにする。 【事前学習】復興まちづくりの問題点について、自分の考えをまとめておくこと(120分) 【事後学習】復興まちづくりの事例をもとに、そこから浮かび上がる復興まちづくりの要所を自分の言葉でまとめること(120分) |
第12回 | まちづくり政策の核心 まちづくり政策の核心(①地域を巻き込む、②需要創造/価値創造、③失われたもの/変質したものを補う、④つながりの創造)について改めて議論を深める。 【事前学習】まちづくり政策の核心について、自分の思うところをまとめておくこと(120分) 【事後学習】講義内容をもとに、事例を挙げつつ自分の言葉で、まちづくり政策の核心をまとめること(120分) |
第13回 | 各自の発表についての説明と方針検討 第14回・15回に行う各自の発表(まちづくり提案)の仕方について説明する。なお提案に当たっては、これまでの講義での議論を踏まえたものとすること。 【事前学習】これまでの講義の内容をおさらいしておくこと(120分) 【事後学習】これまでの講義内容を踏まえた”まちづくり提案”の検討(120分) |
第14回 | 各自の発表(発表方法については検討) 各自が”まちづくり提案”を行う。提案は、一人10分程度としパワーポイントで行うこと。 【事前学習】これまでの講義内容を踏まえた”まちづくり提案”の検討(120分) 【事後学習】ほかの人の提案を踏まえ、感想や気づきをまとめること(120分) |
第15回 | 各自の発表と講評(発表方法については検討) 各自が”まちづくり提案”を行う。提案は、一人10分程度としパワーポイントで行うこと。また提案に対する講評を行う。 【事前学習】ほかの人の提案を踏まえ、感想や気づきをまとめておくこと(120分) 【事後学習】ほかの人の提案も踏まえ、改めて現代社会に求められる”まちづくり”について自分の考えをまとめること(120分) |
その他
教科書 |
特に使用せず、資料を配布する。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
国土交通省、内閣官房、内閣府、都道府県などのホームページを参考に情報を収集すること。
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成績評価の方法 及び基準 |
毎回の簡単な課題と、1回のレポート試験により評価する。レポート試験の詳細は授業のなかで明らかにする。 |
質問への対応 | 授業終了後に受け付けるほか、メール等でも対応する。また、電話での相談対応も可能。 |
研究室又は 連絡先 |
高村研究室 TEL:03-3259-0655 E-mail:takamura.yoshiharu@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
木曜 駿河台 12:45 ~ 13:30
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学生への メッセージ |
現下のまちづくり、都市づくり、さらには地域づくりは、時代の変化にさらされ、新たな方向が、行政、民間企業問わず求められている。そのような認識、問題意識を持ち、常日頃から、現実を真正面から見据え、問題を発見し、それに挑む精神的習慣を身につけて頂きたい。 |