2022年 大学院理工学研究科 シラバス - 機械工学専攻
設置情報
科目名 | 流体工学特論Ⅰ | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 機械工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 松本 彰 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | F13A |
クラス |
概要
学修到達目標 | この講義では非圧縮性粘性流体の物理現象の記述に重点をおき,以下の項目の理解を学習達成目標とする. ①連続体として流体をとらえ,その運動を記述できること.さらに,流体運動に特有な性質である「粘性」の役割を理解すること. ②非圧縮性Navier-Stokes方程式(NS方程式)の各項の物理的意味を理解し,具体的な流れ場に適用できること. ③境界層の概念を理解し,NS方程式から境界層方程式を求めること.境界層の間接的原因である物体に作用する圧力抵抗,直接的原因である摩擦抵抗を求めることができること. |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 パワーポイントを使用して授業(含む演習)を進める. |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
基礎数学,基礎力学を修得していること. |
授業計画
第1回 | 「シラバスの内容を確認の上,授業に臨むこと」 1回目の授業に入る前に,シラバスの主要部分を簡単に説明する. 1.プロローグ 物質の分類および性質,流体の粘性・圧縮性,連続体としての流体,流体の運動を支配する方程式 |
---|---|
第2回 | 2.流れの運動学(1) 運動学であつかう変数(流体粒子の速度,加速度,変形,回転など),運動の記述法(ラグランジュ表示とオイラー表示),スカラー場とベクトル場の演算 【事前学習】講義プリント(1章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】演習門題1(別添)のベクトル関する問題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第3回 | 3.流れの運動学(2) テンソルの基礎,速度勾配テンソル,歪み速度テンソル,回転テンソル,固有値 【事前学習】講義プリント(2章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】演習門題1(別添)のテンソル関する問題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第4回 | 4.粘性流体の支配方程式 連続の式(質量保存則)とNavier-Stokes方程式(運動量保存則)の誘導 【事前学習】講義プリント(3章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第5回 | 5.渦の力学 渦線と渦管,自然渦と強制渦,ヘルムホルツの渦定理,渦度方程式の誘導 【事前学習】講義プリント(4章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第6回 | 6.Navier-Stokes方程式の厳密解(1) 定常平行流,円筒座標表示によるNavier-Stokes方程式,定常軸対称流 円形クエット流れ 【事前学習】講義プリント(5章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第7回 | 7.Navier-Stokes方程式の厳密解(2) 非定常平行流,レイリーの第1問題,振動平板による流れ(ストークスの第2問題) 【事前学習】講義プリント(6章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第8回 | 8.力学的相似性 次元解析,相似則,相似パラメータ 【事前学習】講義プリント(7章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第9回 | 9.Navier-Stokes方程式の近似解(1) 遅い流れ,レイノルズ数相似則,ヘルショウ流れ 【事前学習】講義プリント(8章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第10回 | 10.Navier-Stokes方程式の近似解(2) 球のまわりの遅い流れ,Stokes近似,Oseen近似 【事前学習】講義プリント(9章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第11回 | 11.境界層とは 渦度の拡散と移流,境界層方程式の誘導,境界層厚さの定義,排除厚さ,運動量厚さ 【事前学習】講義プリント(10章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第12回 | 12.平板に沿う境界層の解析解 Blasius方程式(非線形方程式)とその解 【事前学習】講義プリント(11章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第13回 | 13.境界層方程式の積分 Kármánの運動量積分方程式 【事前学習】講義プリント(12章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第14回 | 14.境界層の剥離 外部流の加速と減速による境界層への影響,境界層制御 【事前学習】講義プリント(13章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
第15回 | 15.乱流問題への導入 乱流への遷移,層流の安定性 【事前学習】講義プリント(14章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習門題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) |
その他
教科書 |
使用しない.毎授業の前に,CST-VOICEに講義用資料を掲示する.
|
---|---|
参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
(1) 高木 周 『機械系のための数学』 数理工学社 2005年 第1版
(2)Hermann Schlichting, Boundary-Layer Theory, McGRAW-HILL BOOK COMPANY, 1979, 7 edition
(3)Pijush. K. Kundu et al., Fluid Mechanics, ACADEMIC PRESS, 2016, 6 edition
(1) 1章 ベクトル解析とテンソルの基礎,3章 固有値問題が参考になります.
(2)世界的名著であり流体工学を専攻する学生に一読を薦めます.
(3)流体力学を基礎から勉強しようとする学生に薦めます.詳しく丁寧に記述されており,練習問題も多く含まれています.
|
成績評価の方法 及び基準 |
2回の課題レポート(8回目,15回目の講義終了時にCST-VOICEに掲示)によって3つの達成目標を評価する.100点満点で60点以上を合格とする. |
質問への対応 | Eメールにおいて対応します. |
研究室又は 連絡先 |
Eメールアドレス : 初回の講義時に提示します. |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |