2022年 大学院理工学研究科 シラバス - 機械工学専攻
設置情報
科目名 | 機械工学特別講義Ⅱ | ||
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設置学科 | 機械工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 小池 裕二 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | F44A |
クラス | |||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 制振技術を実際の製品へ適用する場合に,振動学や制御理論がどのように活用されているかを理解し,説明することができる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 パワーポイントを使用。同内容は,配布する。必要に応じて,板書にて補足説明を行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
機械力学,振動学および,制御理論の予備知識を有していることが望ましい。 関連授業として,振動工学特論Ⅱおよび,制御工学特論を受講されると,効果的である。 |
授業計画
第1回 | 「ガイダンス」 ・シラバスを用いた授業の概要説明。 ・授業の進め方の説明。 ・自己紹介ほか。 予習:シラバスの内容を確認の上,授業に臨むこと(2時間)。 復習:シラバスの内容確認(2時間) |
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第2回 | 制振技術の基礎(1) 世の中の振動現象について振り返り,人との関わりについて学ぶ。 予習:様々な振動現象を見つけて,現象のメカニズムや人との関わりを調べておく(2時間)。ビデオ(VHS)による動画紹介あり。 復習:様々な振動現象について,現象のメカニズムや人との関わりを整理しておく(2時間)。授業の中で,知らなかった振動現象があれば,調べて,理解しておく(2時間)。 |
第3回 | 制振技術の基礎(2) 免震技術と制振技術について,原理と力学的なメカニズムを理解する。また,種々の実施例を取り上げ,目的や機能を理解する。 予習:1自由度系の振動特性を,強制力加振および,強制変位加振の観点から整理しておく(2時間)。 復習:免震技術と制振技術の原理と力学的なメカニズムを整理し,説明できるようにする(2時間)。 |
第4回 | 制振技術の基礎(3) 制振技術におけるアクティブ式および,パッシブ式について,それぞれの概念,力学的なメカニズムを理解する。また,種々の実施例を取り上げ,目的や機能を理解する。 予習:1自由度系の振動特性を理解し,整理しておく(2時間)。 復習:アクティブ式および,パッシブ式について,それぞれ,概念,メカニズムおよび,特長を整理し,両者の違いを説明できるようにする(2時間)。 |
第5回 | 制振技術(4) 制振技術のうち,マスダンパ方式を対象に,アクティブ式,パッシブ式および,ハイブリッド式など,種々の方法について,概念を理解する。さらに,実機の機構,アクチュエータ(アクティブ式および,ハイブリッド式),装置の配置方法などについても,確認する。 予習:マスダンパ方式の適用例を調べ,適用対象および,目的を調べておく(2時間)。 復習:マスダンパ方式について概念,メカニズムおよび,特長を整理し,各方法の違いを説明できるようにする(2時間)。 |
第6回 | 制振技術(5) マスダンパ方式における制振の原理を,1自由度系を対象に,力学的な観点から理解する。アクチュエータの制御法および,制御特性を確認し,制振性能への関連性を理解する。 予習:2自由度系の振動特性について,運動方程式の導出も含めて理解し,整理しておく(2時間)。 復習:マスダンパ方式における制振の原理を,力学的な観点から理解し,説明できるようにする。また,余裕があれば,アクチュエータの特性を考慮した場合の影響を関連づける(2時間)。 |
第7回 | 制振技術の基礎(6) マスダンパ方式(以降,制振装置と呼ぶ)を多自由度系へ適用する場合の設計について,制御系の安定性および,不安定回避のためのロバスト制御法の適用について理解する。 予習:多自由度系の振動特性について,運動方程式の導出も含めて理解する。また,モード解析法の概念や,制御系の安定性についても調べておく(2時間)。 復習:制振装置を多自由度系に適用した場合の制御系設計について,制御系の安定性および,不安定回避のためのロバスト制御法の適用を理解し,設計の留意点を説明できるようにする(2時間)。 |
第8回 | 制振技術の基礎(7) 制振装置の実機を製作後,性能確認するに際し,工場での作動試験,現地での性能試験および,納入後のモニタリング装置による稼働記録の収録について,目的と方法を理解する。また,試験結果を紹介し,制振装置の性能を確認する。 予習:振動計測の方法を調べておく。また,計測器を使って,どのような計測や評価ができるか,考えておく(2時間)。 復習:制振装置の性能検証法を整理し,理解する(2時間)。 |
第9回 | 制振装置の実施例(1) 橋梁への適用について,制御方法や性能を実施例を交えながら,理解する。 予習:橋梁の種類,各構造部の名称および,橋梁の振動について調べ,整理しておく(2時間)。 復習:橋梁の制振装置について,目的,性能および,制御法を理解し,説明できるようにする(2時間)。 |
第10回 | 制振装置の実施例(2) 高層ビルへの適用について,制御方法や性能を実施例を交えながら,理解する。設計時の性能見積および,現地試験における制御系設計法についても確認する。 予習:世の中の高層ビルについて,高さ,重量および,振動特性を調べておく(2時間)。 復習:高層ビルの制振装置について,目的,性能および,制御法を理解し,説明できるようにする(2時間)。 |
第11回 | 制振装置の実施例(3) 船舶への適用(適用した装置を減揺装置と呼ぶ)について,原理を力学的なメカニズムから確認し,橋梁や高層ビルの場合との違いを理解する。つぎに,制御方法や性能を実施例を交えながら,理解する。 予習:船舶の運動を調べ,橋梁や高層ビルのような構造物との違いを考えてみる(2時間)。 復習:船舶の減揺装置について,原理を理解し,目的,性能および,制御法を説明できるようにする(2時間)。 |
第12回 | 制振装置の実施例(4) その他の適用例として,連結制振,空港管制塔および,船体上部構造などについて,目的,性能および,制御法を理解する。 予習:これまでの適用例を確認しておく(2時間)。 復習:連結制振,空港管制塔および,船体上部構造などについて,目的,性能および,制御法を整理し,それぞれの特長を理解する(2時間)。 |
第13回 | フル・アクティブ式制振装置における地震対応 フル・アクティブ式制振装置における地震対応について,目的,制御方法および,性能を種々の実施例を通して理解する。リニアモータを用いた制振装置の構造および,特長を理解する。 予習:これまでに発生した地震を調べ,特長を確認する。また,日本における建物の地震対策 について,耐震や免震も含めて調べてみる(2時間)。 復習:フル・アクティブ式制振装置における地震対応について,目的,制御方法および,性能を整理し,理解する(2時間)。 |
第14回 | 「見学会」 弊社(株式会社IHI)横浜事業所(横浜市磯子区)における制振装置の工場試験ないしは,研究設備見学 ・コロナの状況を勘案し,実施する。制振装置の見学は,工程が一致すれば実施(先の授業との入れ替えも検討)。 ・制振装置の見学が不可の場合は,研究施設(風洞,振動台)を見学。 ・見学は,事前日の遅くとも,2週間前に連絡。 予習:これまでの復習(制振装置の見学の場合)。風洞や振動台について調べておく(研究施設の場合)(2時間)。 復習:見学後の知見や感想を整理しておく(2時間)。 |
第15回 | 「まとめ」 授業の理解度,到達度および,達成度を確認するために,平常試験および,解説を行う。 予習:これまでの授業内容を一通り,確認し,内容を復習する(2時間)。 復習:平常試験でわからかった箇所,間違った箇所を復習し,理解する(2時間)。 |
その他
教科書 | |
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
ガイダンスにて,いくつか紹介致します。
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成績評価の方法 及び基準 |
第15回の平常試験における点数で評価。試験後,答案を回収し,解説を実施。 回答が60%以上で合格とする。 |
質問への対応 | 授業中に理解できなかったこと,もっと知りたいことがあった場合は,質問内容を整理し,授業後に質問すること。即答できる場合は,その場で回答致します。また,説明に時間を要する場合は,次回の授業前ないしは,授業後に回答致します。 |
研究室又は 連絡先 |
メールアドレス:koike0776@ihi-g.com 電話番号(会社携帯):050(3821)1878 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |