2022年 大学院理工学研究科 シラバス - 電子工学専攻
設置情報
科目名 | マイクロ波素子 | ||
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設置学科 | 電子工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 河村 由文 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | J12A |
クラス | |||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | マイクロ波受動回路および能動回路の基本特性・機能の理解に主眼を置く。伝送線路における電磁波の伝搬と電圧・電流分布の関係、定在波とインピーダンスの概念、分布定数素子と集中定数素子、散乱行列、各種マイクロ波線路、ハイブリッド結合器やフィルタなどのマイクロ波受動素子(受動回路)、ダイオードやFETなどの半導体素子とMMIC、半導体素子を用いて構成される移相器、低雑音増幅器、高出力増幅器、発振器などの能動素子(能動回路)等について、動作を理解し、解析することができる。さらに、これらマイクロ波素子を応用した装置やシステムについての知識を深める。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業は、企業の研究所で通信・レーダ向けのマイクロ波回路の開発に携わってきた講師により、独自のテキストを用いた講義形態で行う。テキストは授業毎に配布する。必要に応じてマイクロ波素子の構成例や応用装置例の写真を示し、学習する技術の内容と実際の装置への応用との関係も示す。 授業形態は特段な理由がない限り対面授業とし、各回に確認テストを実施する。 [新型コロナ感染拡大抑止のため見学会は中止します] |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
電気・電子回路の基礎知識が有るほうが望ましいが、 履修資格があれば興味のある人の受講は制限しない。 |
授業計画
第1回 | はじめに:(1)マイクロ波とは、(2)マイクロ波の応用、(3)マイクロ波送受信機の構成、(4)マイクロ波素子、(5)マイクロ波集積回路 ※確認テストあり |
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第2回 | 電磁波:(1)Maxwellの方程式、(2)波動方程式、(3)平面波、(4)伝搬モード ※確認テストあり |
第3回 | 伝送線路:(1)TEM伝送線路、(2)同軸線路、(3)伝送線路における波の伝搬と反射、(4)定常波におけるインピーダンスと反射係数、(5)スミスチャート、(6)Sパラメータ ※確認テストあり |
第4回 | マイクロ波受動回路:(1)1/4λ波長線路によるインピーダンス変換、(2)結合線路、 (3)ハイブリッドジャンクション、(4)電力分配/合成器、(5)移相器 ※確認テストあり |
第5回 | ストリップ線路形フィルタ:(1)分類、(2)原形フィルタと周波数変換、(3)低域通過フィルタ、(4)高域通過フィルタ、(5)帯域通過フィルタ、(6)帯域阻止フィルタ ※確認テストあり |
第6回 | マイクロ波半導体素子:(1)エネルギーバンド、(2)電気伝導、(2)PN接合、 (4)金属-半導体接合、(5)電界効果トランジスタ、(6)バイポーラトランジスタ、(7)ヘテロ接合デバイス ※確認テストあり |
第7回 | マイクロ波増幅器の基礎:(1)増幅器の分類、(2)マイクロ波増幅器の基本構成と動作、 (3)有能電力とインピーダンス整合、(4)スミスチャートで見るインピーダンス整合、(5)FETの等価回路と2端子対パラメータ、(6)Sパラメータの測定、(7)Sパラメータとシグナルフローグラフ、(8)トランジスタの利得とfmax,ft、(9)FETの非線形解析 ※確認テストあり |
第8回 | 低雑音増幅器:(1)マイクロ波受信装置における雑音、(2)雑音の発生源と性質、 (3)雑音指数と雑音温度、(4)縦続接続回路の雑音指数、(5)雑音指数測定、(6)2端子対回路の雑音指数の一般的表現、(7)低雑音増幅器の実際 ※確認テストあり |
第9回 | 高出力・高効率増幅器:(1)出力電力と効率、(2)FET増幅器の高出力化、(3)FETセルの構造と解析モデル、(4)インピーダンス整合と電力分配/合成、(5)FET増幅器の高効率化、(6)ロードプル測定 ※確認テストあり |
第10回 | 発振器:(1)発振器の役割、(2)位相雑音の影響、(3)発振メカニズム、(4)共振器のQ値と発振周波数の安定度、(5)発振器の位相雑音、(6)位相雑音の低減 ※確認テストあり |
第11回 | ミクサ(混合器):(1)ミクサの役割、(2)非線形回路による周波数変換、(3)ダイオードミクサ、(4)FETミクサ、(5)各種ミクサの構成/不要波の処理 ※確認テストあり |
第12回 | マイクロ波回路の応用例 ※確認テストなし |
第13回 | マイクロ波回路の測定器 ※確認テストなし |
第14回 | 確認テスト解説(仮) ※確認テストなし |
第15回 | レポート解説(仮) ※確認テストなし |
その他
教科書 |
講義資料は、独自の講義スライドを各回ごとに配布する。
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
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成績評価の方法 及び基準 |
講義出席時の確認テスト・討議(40%)、および演習問題のレポート(60%)にて評価する。 ※レポートの提出締切は第15回講義開始前までとし、詳細な日時は講義中に別途提示する。 |
質問への対応 | 非常勤講師のため、質問は授業中または電子メールにて対応します。 電子メールアドレスは、講義資料に記載します。 |
研究室又は 連絡先 |
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オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
マイクロ波素子の技術面と実際への応用面を、できるだけ関連付けた講義内容にしたいと考えています。 |