2022年 大学院理工学研究科 シラバス - 物質応用化学専攻
設置情報
科目名 | 応用化学特別講義Ⅱ | ||
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設置学科 | 物質応用化学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 板谷 清司 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L23B |
クラス |
概要
学修到達目標 | セラミックスを作製する際の基礎理論となる焼結理論を理解し,焼結を促進させるためのプロセシング(粉体合成,成形,焼成)を学ぶことにより,種々の機能を有するセラミックスを材料設計する力を養う。また,本講義は英語で行い,講義内容を英語で理解する力も併せて養うことを目標にしている。 |
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授業形態及び 授業方法 |
板書およびパワーポイントを用いて対面で講義を行う。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
無機材料に関わる予備知識(学部の講義では無機固体化学や無機材料物性)を基に授業に臨むことが望ましいが,専門外であっても授業が十分に理解できるように内容に配慮している。授業計画に沿って十分な準備を行って授業に臨み,授業終了後には不明な点を見直し,理解度を深めるように努めて欲しい。 |
授業計画
第1回 | Introduction(緒言) セラミックスの特徴・用途を紹介し,英語で講義を行うために必要な専門用語を説明する。 【事前学習】学部の講義で学習したセラミックスの基礎知識を復習しておくこと(120分)。 【事後学習】講義の中で説明した専門用語(英語)を復習し,理解に努める(120分)。 |
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第2回 | Fundamentals of the sintering theory: solid state sintering I(焼結理論の基礎:固相焼結I) 焼結の基礎となる固相焼結理論について解説する。 【事前学習】焼成時,原子レベルで起こる現象(格子欠陥,拡散等)を調べて授業に臨むこと(120分)。 【事後学習】焼結が関わる原子レベルの現象について理解を深める(120分)。 |
第3回 | Fundamentals of the sintering theory: solid state sintering II(焼結理論の基礎:固相焼結II) 固相焼結理論を初期,中期および後期段階に分けて解説する。 【事前学習】焼成中に起こるセラミックスのち密化過程を理解して授業に臨むこと(120分)。 【事後学習】焼結と絡めてセラミックスのち密化過程で起こる現象についての理解を深める(120分)。 |
第4回 | Fundamentals of the sintering theory: liquid phase sintering(焼結理論の基礎:液相焼結) 焼成中に少量の液相が関与して起こる液相焼結について解説する。 【事前学習】高温で液相が生成する現象(例えば,共融現象等)を調べて授業に臨むこと(120分)。 【事後学習】固相焼結と対比しながら液相が関与した焼結現象について理解を深める(120分)。 |
第5回 | Fabrication of light-transmitting ceramics(透光性セラミックスの作製) 透光性アルミナ(Al2O3)セラミックスの作製事例を固相焼結と絡めて解説する。 【事前学習】セラミックスが光透過性を示す原理や事例を調べて授業に臨むこと(120分)。 【事後学習】焼結現象と絡めてセラミックスの光透過性について理解を深める(120分)。 |
第6回 | Sintering phenomena in nature(自然界での焼結現象) 自然界で起こる焼結現象の例として氷の焼結について解説する. 【事前学習】氷に関わる現象(融解,凝固,蒸発,凝縮,昇華)を復習して授業に臨むこと(120分)。 【事後学習】氷の焼結現象(固相焼結,液相焼結)について理解を深める(120分)。 |
第7回 | Syntheses of powders: solid state reaction(粉体合成法:固相合成) セラミックスの作製に用いる粉体合成法の中で,固相合成法を解説する。 【事前学習】固相合成法の利点と問題点を調べて授業に臨むこと(120分)。 【事後学習】固相合成法で得られる粉体の物性について理解を深める(120分)。 |
第8回 | Syntheses of powders: liquid phase reaction I(粉体合成法:液相合成I) セラミックスの作製に用いる粉体合成法の中で,液相合成法を解説する。 【事前学習】液相合成法の利点と問題点を調べて授業に臨むこと(120分)。 【事後学習】液相合成法で得られた粉体の物性について理解を深める(120分)。 |
第9回 | Syntheses of powders: liquid phase reaction II(粉体合成法:液相合成II) セラミックスの作製に用いる粉体合成法の中で,液相合成法を解説する。 【事前学習】液相合成法の利点と問題点を調べて授業に臨むこと(120分)。 【事後学習】液相合成法で得られた粉体の物性について理解を深める(120分)。 |
第10回 | Syntheses of powders: vapor phase reaction(粉体合成法:気相合成) セラミックスの作製に用いる粉体合成法の中で,気相合成法を解説する。 【事前学習】気相合成法の利点と問題点を調べて授業に臨むこと(120分)。 【事後学習】気相合成法で得られた粉体の物性について理解を深める(120分)。 |
第11回 | Pulverization and granulation techniques of powders(粉体の粉砕および造粒法) セラミックス作製時の前処理として粉体の粉砕および造粒法を解説する。 【事前学習】粉砕および造粒法の利点と問題点について調べて授業に臨むこと(120 分)。 【事後学習】粉砕および造粒操作を行った粉体の特徴について理解を深める(120分)。 |
第12回 | Powder forming techniques(粉体の成形法) 粉体を所望の形状に成形作製する方法を解説する。 【事前学習】粉体成形技術について調べて授業に臨むこと(120 分)。 【事後学習】各成形技術の特徴について理解を深める(120分)。 |
第13回 | Firing techniques of powder compact(圧粉体の焼成法) 粉体を成形した後の焼成方法について解説する。 【事前学習】粉体の成形体の焼成方法について調べて授業に臨むこと(120分)。 【事後学習】各焼成技術の特徴について理解を深める(120分)。 |
第14回 | Ceramic processing: case study I(セラミックスプロセシング:ケーススタディI) セラミックスの作製例として,高強度酸化物(ZrO2)セラミックスの作製を取り上げて解説する。 【事前学習】高強度ジルコニアセラミックスについて調べて授業に臨むこと(120分)。 【事後学習】ジルコニアの相変態と機械的強度との関係について理解を深める(120分)。 |
第15回 | Ceramic processing: case study II(セラミックスプロセシング:ケーススタディII) セラミックスの作製例として,高熱伝導性非酸化物セラミックス(AlN)の作製を取り上げて解説する。 【事前学習】高熱伝導性AlNセラミックスについて調べて授業に臨むこと(120分)。 【事後学習】高熱伝導性機能の発現機構について理解を深める(120分)。 |
その他
教科書 | |
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参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
・講義全体を網羅した書籍(英語)
M. N. Rahaman, Ceramic Processing and Sintering, Marcel Dekker, Inc. (New York (USA)), 1995.
・結晶構造,拡散,熱的性質,機械的性質を解説した書籍(日本語)
掛川,砂原,板谷,篠崎,鈴木,小島,材料科学入門,みみずく舎(編集),医学評論社(発行)(2015). (J. F. Shackelford, Introduction to Materials Science for Engineersの翻訳本)
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成績評価の方法 及び基準 |
毎回の授業後半で行うクイズ(英語で設問・解答)の結果を基に評価する。なお,解答用紙の返却と内容の解説は原則クイズを実施した後の次の週に行う。 |
質問への対応 | 授業終了後に随時対応するが,電子メールにても回答する(itatani@sophia.ac.jp)。 |
研究室又は 連絡先 |
質問や問合せ等がある場合は上記の電子メールアドレスに連絡して下さい。 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
無機材料を専門としない場合でも,十分に理解できるように講義を進めていく予定である。 |