2022年 大学院理工学研究科 シラバス - 物質応用化学専攻
設置情報
科目名 | 高分子物性特論 | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 物質応用化学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 伊掛 浩輝 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L32A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 高分子物性は分子多鎖が織りなす高次構造に依存する。このことを理解しないと高分子特性を有効に活用することはできない。この授業では高分子の特性を踏まえ,高分子の力学的,電気的,光学的な性質を相互に関連づけて概説する。高分子の基本的な性質を有機的に融合し,基礎を固めることで高分子に携わる化学技術者として必要な実務的な素養を身に付けることができる。 |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
すべての授業回を対面授業として実施する。予め授業資料を配付するので,各自で印刷し,持参すること。授業ではこの資料に解説を加えていく。授業資料は授業ノートとしても活用でき,別添の論文資料などと併せてスクラップすることで各受講者に適した参考書ともなり得る。 |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
高分子に関する授業を履修していることが望ましい。準備学習として,予習では予め配付する授業資料を通読する。わからない箇所等を明確にする。受講後の復習では単元ごとに実力の養成に努める。毎授業で課題を課す。課題に取り組み,各自でふり返る。課題は基本的・実務的な事項を含む。次の授業回で解説するのでわからない箇所を調べ,質問するなど不足部の解消を図ること。 |
授業計画
第1回 | 『高分子物性特論』についての概説 この科目の受講/授業の動機付け。履修上の注意,成績評価と基準,問合せ先などを周知する。 |
---|---|
第2回 | 高分子の力学的性質1 高分子の分子的特性について学習する。 高分子物性の概説,分子の大きさと分布,分子の形状(屈曲性),高分子固体中の分子の状態 |
第3回 | 高分子の力学的性質2 高分子の分子形態と温度との関係について学習する。 ガラス転移,結晶の融解 |
第4回 | 高分子の力学的性質3 高分子の分子の形態変化と粘弾性挙動について学習する。 静的粘弾性の基礎,応力-ひずみ曲線,応力緩和・クリープ理論 |
第5回 | 高分子の力学的性質4 高分子に働く相互作用と材料強度について学習する。 材料強度と相互作用,材料強度と高分子構造,理論強度・理論弾性率と分子構造 |
第6回 | 高分子の力学的性質5 事例を通じて高分子構造と静的な挙動について学習する。 高分子の固体構造と弾性率,高分子強化材と充塡材,高分子添加剤 |
第7回 | 高分子の電気的性質1 高分子の周期的な運動とその挙動について学習する。 高分子の動的粘弾性挙動,貯蔵/損失誘電率の物理的解釈 |
第8回 | 高分子の電気的性質2 高分子のコンホメーションと電気的な性質について学習する。 高分子の誘電率,誘電緩和とコンホメーション,導電性 |
第9回 | 高分子の光学的性質1 光学材料に求められる基本的な要素について学習する。 光の透過,吸収,反射,電子遷移吸収,分子振動吸収 |
第10回 | 高分子の光学的性質2 紫外線領域における光の吸収について学習する。 基本振動と倍音,振動吸の強度の相対化,規格化吸収エネルギーと吸収損失 |
第11回 | 高分子の光学的性質3 赤外線領域における光の吸収について学習する。 規格化吸収エネルギーと吸収損失・分子構造(推算 PMMA,PMMA-d8他) |
第12回 | 高分子の光学的性質4 ポリマー骨格と光の屈折について学習する。 屈折率制御,Lorentz-Lorenz式,ポリマーの屈折率(推算 PMMA,PC等) |
第13回 | 高分子の光学的性質5 高分子の高次構造と光との相互作用について学習する。 高次構造と光との相互作用,光の散乱理論,透明ポリマー材料と分子設計 |
第14回 | 授業総括 理解度確認 『高分子物性特論』で学習した事項を総括し,理解度を確認する。 |
第15回 | 授業総括 理解度解説,質疑応答 理解度解説 正答と解説,疑問点への補足説明,授業を総括する。 |
その他
教科書 | |
---|---|
参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
妹尾学,澤口孝志,清水繁,伊掛浩輝 『基礎 高分子科学 改訂版 [978-4-320-04493-7]』 共立出版 2018年
必要な箇所は授業資料および授業内で必要に応じて紹介する。本書以外にも参考図書,学術論文などを紹介する。
|
成績評価の方法 及び基準 |
単元で実施する課題 (小テスト) 等で評価する。総合点を100点満点に規格化し,採点とする。 |
質問への対応 | 受講者の研究時間確保の観点から,自身の都合に見合った方法で質問のこと. [1] 授業終了後に教室で質問 [2] Zoom利用によるオンライン質問 (事前予約制.日時も相談に応じる) [3] メールでの質問 (件名: 高分子物性特論への質問/本文: 研究室名,学生番号,氏名を明記) |
研究室又は 連絡先 |
高分子工学研究室(駿河台校舎2号館1階214室) E-mail: ikake.hiroki@nihon-u.ac.jp/電話: 03-3259-0823(直通) |
オフィスアワー |
月曜 駿河台 16:40 ~ 18:10 メールによる事前予約制
|
学生への メッセージ |