2022年 大学院理工学研究科 シラバス - 量子理工学専攻
設置情報
科目名 |
量子力学Ⅱ
固有値問題から散乱理論まで
|
||
---|---|---|---|
設置学科 | 量子理工学専攻 | 学年 | 1年 |
担当者 | 大谷 聡 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜1 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | O21A |
クラス |
概要
学修到達目標 | 量子力学Ⅰに引き続き量子力学の基礎について学ぶ.まず量子力学的模型の雛形である調和振動子について学んだ後,角運動量の量子化および水素原子について学ぶ.その後,応用上重要な散乱理論や摂動論について学ぶ. |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 板書による講義形式で行う. |
準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 |
量子力学Ⅰを受講していることが望ましい. |
授業計画
第1回 | 講義の概観 これから学ぶ量子力学の固有値問題,散乱問題,そして摂動論を概観する. 【事前学習】量子力学の基礎について復習しておくこと.(120分) 【事後学習】講義ノート等を参考に講義内容を復習しておくこと.120分) |
---|---|
第2回 | 調和振動子1 調和振動子のハミルトニアンの固有値問題を解く.まずは生成・消滅演算子を用いて代数的に解く. 【事前学習】調和振動子の生成・消滅演算子について予習しておくこと.(120分) 【事後学習】講義ノート等を参考に講義内容を復習しておくこと.(120分) |
第3回 | 調和振動子2 引き続き調和振動子の固有値問題を解く.今度はSchrödinger方程式を解析的に解く. 【事前学習】エルミート多項式について予習しておくこと.(120分) 【事後学習】レポート課題を与えるのでそれを解くこと.解答例はレポート提出後に配布する.(120分) |
第4回 | 空間回転対称性1 回転対称性を持つ系で重要な角運動量代数を学ぶ.まずは3次元回転行列の復習から始める. 【事前学習】回転行列について予習しておくこと.(120分) 【事後学習】講義ノート等を参考に講義内容を復習しておくこと.(120分) |
第5回 | 空間回転対称性2 角運動量代数の表現を分類する. 【事前学習】角運動量代数について予習しておくこと.(120分) 【事後学習】講義ノート等を参考に講義内容を復習しておくこと.(120分) |
第6回 | 空間回転対称性3 引き続き角運動量代数の表現を分類する. 【事前学習】角運動量代数について予習しておくこと.(120分) 【事後学習】講義ノート等を参考に講義内容を復習しておくこと.(120分) |
第7回 | 空間回転対称性4 応用上重要な球面調和関数について学ぶ. 【事前学習】球面調和関数について予習しておくこと.(120分) 【事後学習】レポート課題を与えるのでそれを解くこと.解答例はレポート提出後に配布する.(120分) |
第8回 | Coulomb相互作用する二体系1 Coulomb力で相互作用する二体系について学ぶ.まずは中心力場中の二体問題は必ず重心運動と相対運動に分離できることを学ぶ. 【事前学習】量子力学の二体問題について予習しておくこと.(120分) 【事後学習】講義ノート等を参考に講義内容を復習しておくこと.(120分) |
第9回 | Coulomb相互作用する二体系2 水素原子のハミルトニアンの固有値問題を解く.解法は色々あるが,ここではSchrödinger方程式を解析的に解く. 【事前学習】水素原子のハミルトニアンの固有関数について予習しておくこと.(120分) 【事後学習】講義ノート等を参考に講義内容を復習しておくこと.(120分) |
第10回 | Coulomb相互作用する二体系3 Coulomb散乱について学ぶ. 【事前学習】古典力学のRutherford散乱について復習しておくこと.(120分) 【事後学習】レポート課題を与えるのでそれを解くこと.解答例はレポート提出後に配布する.(120分) |
第11回 | 散乱理論1 散乱の量子論を導入する.まず漸近条件とS行列について学ぶ. 【事前学習】S行列について予習しておくこと.(120分) 【事後学習】講義ノート等を参考に講義内容を復習しておくこと.(120分) |
第12回 | 散乱理論2 Lippmann-Schwinger方程式について学ぶ. 【事前学習】Lippmann-Schwinger方程式について予習しておくこと.(120分) 【事後学習】講義ノート等を参考に講義内容を復習しておくこと.(120分) |
第13回 | 散乱理論3 実際の散乱実験で観測されるのは散乱断面積.S行列から散乱断面積を得る方法を学ぶ. 【事前学習】古典力学の散乱断面積について復習しておくこと.(120分) 【事後学習】レポート課題を与えるのでそれを解くこと.解答例はレポート提出後に配布する.(120分) |
第14回 | 摂動論1 固有値問題が厳密に解けない場合の近似解法を学ぶ.まずは時間に依存しない摂動論を学ぶ. 【事前学習】時間に依存しない摂動論について予習しておくこと.(120分) 【事後学習】講義ノート等を参考に講義内容を復習しておくこと.(120分) |
第15回 | 摂動論2 時間に依存する摂動論を学ぶ.応用上重要なFermiの黄金律を導く. 【事前学習】Fermiの黄金律について予習しておくこと.(120分) 【事後学習】講義ノート等を参考に講義内容を復習しておくこと.(120分) |
その他
教科書 |
特に指定しない.
|
---|---|
参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) |
S・ワインバーグ 『ワインバーグ量子力学講義 上』 ちくま学芸文庫 筑摩書房 2021年
S・ワインバーグ 『ワインバーグ量子力学講義 下』 ちくま学芸文庫 筑摩書房 2021年
定評のある教科書の邦訳.
|
成績評価の方法 及び基準 |
計4つのレポート課題で成績評価を行う.試験は行わない.レポート課題は提出締め切り後に解答例を配布する. |
質問への対応 | 授業中・授業外に関わらずいつでも受け付ける.メールでも良い. |
研究室又は 連絡先 |
研究室: 駿河台校舎8号館2階823D Email: ohya.satoshi@nihon-u.ac.jp Phone: 03-3259-0790 URL: http://aries.phys.cst.nihon-u.ac.jp/~ohya/ |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 17:00 ~ 18:00 事前にメール等で連絡を入れるのが望ましい
|
学生への メッセージ |
量子力学に興味はあるが学部では学ぶ機会がなかった人,学部で一通り勉強したが更に理解を深めたい人,全ての学生を歓迎します.この授業では「簡単な問題は自分で解けるようになる」ということを目指して講義を進めます. |