2023年 理工学部 シラバス - 交通システム工学科
設置情報
科目名 | 材料化学 | ||
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設置学科 | 交通システム工学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 大宅 淳一 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | B24B |
クラス | 交通システム工学科 |
概要
学修到達目標 | 将来的に建設材料を取り扱う機会が多い学科の学生を対象とした科目である. 主にセメント系材料の化学を中心に学習する予定であるが,化学の基礎的な内容についても併せて幅広く学習する. 本授業科目は、交通システム工学科の学習・教育目標A~Iのうち、「C 専門基礎学力」の達成に関与する重要科目です. また,本授業科目はDP1・3およびCP1・3に該当しています. |
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授業形態及び 授業方法 |
高等学校で化学を履修していなくとも理解できるように,基礎的な事項の解説から最近のトピックスの紹介までを行う. 「対面方式」での授業である. なお,出席状況は各回の課題の提出をもって判断する.(提出先は授業中に指示する) 提出された課題は,添削し,次回に返却する予定である. |
履修条件 | 基礎教育科目・基礎科学分野(化学系)・選択科目 環境ライフサブメジャー・コース設置科目 |
授業計画
第1回 | ガイダンス 授業の進め方など セメント化学の概要と専門科目(建設材料,コンクリート構造)との関連性, ”材料”とは何か 【予習】シラバスに目を通し,講義内容の概略を理解しておく(60分) 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,どのような内容の講義が行われたのか理解しておく(180分) |
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第2回 | セメントの化学組成計算に必要な化学の基本(その1) ”原子・元素の性質”,原子の構造と化学結合,酸化物の形式 【予習】参考書等(特に高校時の「化学基礎」の教科書など)を見て「イオン結合」について理解しておくこと(60分) 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,イオン結晶の性質や式量の計算などについて十分理解しておくこと(180分) |
第3回 | セメントの化学組成計算に必要な化学の基本(その2) ”化学結合”,分子・(原子団)イオンの構成と式量(分子量)を用いた物質量(モル数)への換算 【予習】参考書等(特に高校時の「化学基礎」の教科書など)を見て「イオン結合」について理解しておくこと(60分) 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,イオン結晶の組成式の記載や式量の計算方法を理解しておくこと(180分) |
第4回 | セメントの化学組成計算に必要な化学の基本(その3) ”化学反応と質量”など,分子・(原子団)イオンの構成と式量(分子量)を用いた物質量(モル数)への換算 【予習】参考書等(特に高校時の「化学基礎」の教科書など)を見て「イオン結合」について理解しておくこと(60分) 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,イオン結晶の組成式の記載や式量の計算方法を理解しておくこと(180分) |
第5回 | セメントとは何か?,セメントの定義と分類 セメントの歴史(ローマンコンクリート~ポルトランドセメントの誕生) 気硬性セメントと水硬性セメント,ポルトランドセメント,特殊セメント 【予習】参考書等を見て「セメント」という材料に関するイメージ的な概略を掴んでおくこと(60分) 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,どのような内容の講義が行われたのか理解しておくこと(180分) |
第6回 | ポルトランドセメントの種類と化合物組成,ポルトランドセメントの製造法 クリンカー化合物の性質と化学組成とポルトランドセメントの製造方法(原料の調製,焼成,混合・粉砕) 【予習】参考書等を見て「セメントクリンカー化合物」とは何か調べておくこと(60分) 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,セメントクリンカー化合物の種類と,化学組成・性質等を整理しておくこと(180分) |
第7回 | セメントの水和反応 クリンカー化合物の水和特性と凝結のメカニズム 【予習】参考書等を見て「セメントの化学反応」がどのようなものであるのか概略を調べておくこと(60分) 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,各クリンカー化合物の水和反応がどのような過程で進行するのか十分に理解しておくこと(180分) |
第8回 | セメント・コンクリートの材料化学 化学混和剤の種類とその性能 と 混和材料 【予習】参考書等を見て近年の「コンクリート配合」ではセメント以外にどのような材料が使用されているか調べておくこと(60分) 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,「化学混和剤」の種類と性能をまとめると共に,「高分子系界面活性剤」がどのような役割を果たすのか,「混和材料(混和材)」が様々な側面で利用されることを理解しておくこと(180分) |
第9回 | セメント・コンクリートの環境問題, ガラス・陶磁器等の無機材料の性質 セメント・コンクリートと環境問題,ガラスや陶磁器など(無機物質の)建築材料 【予習】参考書等を見て,セメント関連産業における「環境問題」にはどのようなものが挙げられるか調べておくこと(60分) 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,産業系副産物がどのような目的でセメント産業で有効活用されているのか理解しておくこと(180分) |
第10回 | コンクリートの耐久性 中性化・炭酸化反応,アルカリ骨材反応,塩害の化学的メカニズムとその対応(化学反応に着目) 【予習】参考書等を見て「コンクリートの耐久性」について調べておくこと(60分) 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,塩害・凍害・炭酸化・アルカリ骨材反応がコンクリートの性能にどのような影響を与えるのか,そのメカニズムを十分理解しておくこと(180分) |
第11回 | 有機材料の基礎 1 様々な有機材料,高分子材料,有機・無機複合材料 【予習】参考書等を見て「有機化合物」とはどのようなものか,炭素同士の化学結合(混成軌道)の種類にどのような形態があるのか調べておくこと(60分) 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,建設系材料に使用されるのが無機系材料のみではなく,様々な有機材料との「複合材料」として成立していることを理解すること(180分) |
第12回 | 有機材料の基礎 2 様々な有機材料,高分子材料,有機・無機複合材料 【予習】参考書等を見て「有機化合物」とはどのようなものか,炭素同士の化学結合(混成軌道)の種類にどのような形態があるのか調べておくこと(60分) 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,建設系材料に使用されるのが無機系材料のみではなく,様々な有機材料との「複合材料」として成立していることを理解すること(180分) |
第13回 | 金属材料の基礎 1 金属結合と自由電子,金属の特性と主な用途1 【予習】参考書等を見て「金属」の性質を「自由電子」をキーワードに調べておくこと(60分) 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,建設系材料に用いられる金属材料(鉄筋・鉄骨など)の必要性やその特徴を理解しておくこと(180分) |
第14回 | 金属材料の基礎 2 金属結合と自由電子,金属の特性と主な用途2 【予習】参考書等を見て「金属」の性質を「自由電子」をキーワードに調べておくこと(60分) 【復習】授業後に公開する授業時のスライドを再確認し,建設系材料に用いられる金属材料(鉄筋・鉄骨など)の必要性やその特徴を理解しておくこと(180分) |
第15回 | 理解度確認テスト および その解説 【事前学習(180分)】講義で示した範囲,授業で強調した点,教科書の例題や練習問題をよく確認しておくこと。 【事後学習(60分)】解答した内容がどの程度合っていたか,間違えている箇所があったとすれば,その要因を考え,各自で再度確認して理解を深める。 |
その他
教科書 |
説明に必要な図表等はスライドとして準備するので,教科書の指定はしない。
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参考書 |
戸川 一夫 『建設材料 [ISBN:9784627406421]』 森北出版 2012年 第2版
松井勇・出村克宣・湯浅昇・中田善久 『最新 建築材料科学 [ISBN:9784753017522]』 井上書院 2012年 第1版
坂井悦郎・大門正機 『新・社会環境マテリアル [ISBN:9784906886791]』 セメント新聞社 2017年 第1版
その他の参考書類についてはガイダンスや授業中で随時紹介する。
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成績評価の方法 及び基準 |
授業毎回の課題(30%:15回分)および理解度確認テスト(70%)をもとに成績評価を行う. なお,新型コロナウィルスの感染状況などの要因により,理解度確認テストをレポートに切り替える場合がある. |
質問への対応 | 授業中および授業後または下記オフィスアワーにて質問をお受けしますが,それ以外の時間でも下記研究室に在室中であれば随時質問をお受けします。 また,電子メールによる問い合わせも歓迎いたします。 |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎8号館814室 ooya.junnichi※nihon-u.ac.jp (※には@を入れてください.また,綴り間違いに注意してください.) なお,メール連絡の際には,学科名,学生番号,氏名を明示してください. |
オフィスアワー |
水曜 船橋 12:15 ~ 13:15 左記以外にも在室時には随時対応
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学生への メッセージ |
卒業後の進路で公務員や建設系の企業を目指す場合,実際の現場では使用する様々な「材料」に関する幅広い(材料学的な)知識が必要とされます。材料学の本質を知るには,それを構成している化学物質に関する理解も必須となります。 高校時代,化学を学んで来なかった学生諸君も興味をもって積極的に受講してください。 |