2023年 理工学部 シラバス - 交通システム工学科
設置情報
科目名 |
国際開発援助論
途上国での交通インフラ整備の在り方を学びます
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設置学科 | 交通システム工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 福田・増島・寺村 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜3・4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | B33C |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 本科目のカリキュラム上の位置づけは、技術者として開発途上国における様々な問題を理解し、その解決のために実施される政策を理論的に解釈する能力、および問題解決のための開発援助と民間活力の利用による事業化の仕組みとその実情、課題を知り、技術者として果たすべき役割を理解する能力を習得することであり、以下が出来ることを目標とする(認知的領域:知識・理解)。 (1)開発途上国における様々な問題を、図を用いて説明することができる。 (2)開発途上国における問題解決のための政策を、理論を用いて説明することができる。 (3)開発途上国における問題解決のための開発援助と民間活力の利用による事業化の仕組みとその実情、課題を説明することができる。 (4)開発途上国に対する援助におて技術者として果たすべき役割を説明することができる。 本科目は交通システム工学科の学習・教育到達目標A~IのうちD「専門応用学力」、G「チームワーク力・実践能力」、I「デザイン・総合力」の達成に主体的に関与する重要な科目である。また、B「技術者倫理」の達成に補足的に関与する科目である。 本授業科目はDP1・3・4・5・6及びCP1・3・4・5・6に該当しています。 【SDG's】目標4の中のターゲット4.7「2030年までに、持続可能な開発のための教育及び持続可能なライフスタイル、人権、男女の平等、平和及び非暴力的文化の推進、グローバル・シチズンシップ、文化多様性と文化の持続可能な開発への貢献の理解の教育を通して、全ての学習者が、持続可能な開発を促進するために必要な知識及び技能を習得できるようにする。」の達成に関わる科目です。 |
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授業形態及び 授業方法 |
対面授業とし、パワーポイント・資料を使いながら解説する。使用するパワーポイント・資料は、PDFにし事前にCST-VOICEで配布する。なお、講義途中で提示する課題に対してグループディスカッションを行い、まとめた結果を各グループごとにプレゼンテーションする。 |
履修条件 | 交通システム計画、社会基盤計画を修得していることが望ましい。 マネジメントコース、選択、専門教育科目 エンジニアリングコース、選択、専門教育科目 |
授業計画
第1回 | 講義内容と講義の進め方を理解する。開発途上国が置かれている状況、貧困の定義、政府開発援助の定義、SDGsを理解する。また、日本もかつては被援助国であった歴史を理解する【福田】 【事前学習】国連による貧困の定義を調べてくる。SDGsの定義を調べてくる(120分) 【事後学習】講義中にグループで討議した内容を整理し、まとめる。配布したブリントを読み復習を行う(180分) |
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第2回 | 貧困の測定方法として、ジニ係数、貧困率、貧困ギャップ率、二乗貧困ギャップ率の求め方を理解する。次に、農業生産における土地生産性と労働生産性の定義を理解し、途上国における農業生産の課題を理解する。【SDG's】目標1「あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ」を理解する上で必要な知識を修得します。【福田】 【事前学習】開発途上の国を2か国選び、その国の農業生産の状況を調べてまとめてくる(180分) |
第3回 | リカードの収穫逓減の法則とマルサスの罠を理解し、農業生産を主体とする開発途上国がなぜ貧困から脱出できないかを理解する。また、開発途上国における人口問題の発生のメカニズムについて理解する。【SDG's】目標2「飢餓に終止符を打ち、食料の安定確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する」を理解する上で必要な知識を修得します。【福田】 【事後学習】講義中にグループで討議した内容を整理し、まとめる。配布したブリントを読み復習を行う(240分) |
第4回 | 貧困からの脱出する方策と輸入代替化による工業発展について理解する。【SDG's】目標8「すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディーセント・ワーク(働きがいのある人間らしい仕事)を推進する」を理解する上で必要な知識を修得します。【福田】 【事前学習】開発途上国における都市問題を調べまとめてくる(240分) |
第5回 | 伝統的部門と近代部門との関係から、工業化の進展による都市化のメカニズムを理解する。また、都市において、不完全就業者が発生する仕組みを理解する【SDG's】目標11「都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靭かつ持続可能にする」を理解する上で必要な知識を修得します。【福田】 【事後学習】配布されたプリントを読み復習を行う(240分) |
第6回 | 政府開発援助の仕組み1【増島】 政府開発援助での業務を専門の行っているコンサルタントの役員として、これまで自身が関わったJICAプロジェクトなどの経験を踏まえた講義を行う。【SDG's】目標10「国内および国家間の格差を是正する」を理解する上で必要な知識を修得します。 【事前学習】JICAについて調べその役割を理解してくる(240分) |
第7回 | 政府開発援助の仕組み2【増島】 政府開発援助での業務を専門の行っているコンサルタントの役員として、これまで自身が関わったJICAプロジェクトなどの経験を踏まえた講義を行う。【SDG's】目標10「国内および国家間の格差を是正する」を理解する上で必要な知識を修得します。【事後学習】配布されたプリントを読み復習を行う(240分) |
第8回 | 開発援助における交通施設整備1【増島】 政府開発援助での業務を専門の行っているコンサルタントの役員として、これまで自身がプロジェクトマネージャーとして実施したJICAプロジェクトを紹介する。【SDG's】目標10「国内および国家間の格差を是正する」を理解する上で必要な知識を修得します。 【事前学習】開発途上国で実施された交通施設整備プロジェクトを2つ選び内容を理解してくる(240分) |
第9回 | 開発援助における交通施設整備2【増島】 政府開発援助での業務を専門の行っているコンサルタントの役員として、これまで自身がプロジェクトマネージャーとして実施したJICAプロジェクトを紹介する。【SDG's】目標10「国内および国家間の格差を是正する」を理解する上で必要な知識を修得します。 【事後学習】配布されたプリントを読み復習を行う(240分) |
第10回 | 「PPP事業における事業評価の手法1」【寺村】 【事前学習】ニューデール政策について調べてまとめてくること(240分) 世界のインフラ開発で拡大しているPPP事業の各事業の評価としてのCash Flow Analysisの基礎を、簡易なModelの作成を通じて理解する。題材はSouth Bay Expresswayを使う。 【事前学習】Excelの初歩的な操作の習得。配布する資料に従い、モデルの一部をExcelで作成する。(240分) |
第11回 | 「PPP事業における事業評価の手法2」【寺村】 作成したModelを使い、Sensitivity AnalysisとScenario Analysisiを行う。 【事後学習】配布された条件でSensitivity AnalysisとScenario Analysisiを行う。(240分) |
第12回 | 「PPP事業におけるリスクの評価と対応」【寺村】 South Bay Expresswayで実際に起こったことを題材に、PPP事業におけるリスクを理解する。 【事前学習】】配布する資料を基に、事業計画を作成する(Excel)(240分) |
第13回 | 「事業計画の策定(演習)」【寺村】 簡易化した前提を置き、再生エネルギーの離島への導入事業の計画を策定する。 【事後学習】配布されたプリントを読み復習を行う(240分) |
第14回 | 講義全体を通して開発途上国が発展するまでの流れと国際開発援助するための仕組みを改めて整理し理解すること【福田】 【事後学習】これまでの講義資料を読み復習すること(240分) |
第15回 | 試験と解説【福田】 【事前学習】これまでの講義資料を読み復習すること(120分) 【事後学習】試験での正答例を確認し、正答できなかった問題を掘り下げて理解すること(120分) |
その他
教科書 | |
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
定期試験では、D「専門応用学力」の達成に関して、①開発途上国における様々な問題を、図を用いて説明できるか、②-1開発途上国における問題解決のための政策を、理論を用いて説明できるか、③-1開発途上国における問題解決のための援助の仕組みとその実情を説明できるかを、G「チームワーク力・実践能力」の達成に関して、③-2開発途上国における課題について他の人と議論しまとめることができるかを、I「デザイン・総合力」の達成に関して②ー1開発途上国における問題解決のための具体的な解決策を提示することができるかを、B「技術者倫理」の達成に関して④開発途上国に対する援助におて技術者として果たすべき役割を説明できるかを確認する。また、レポートではD「専門応用学力」、G「チームワーク力・実践能力」、I「デザイン・総合力」の達成に関して、上記①、②、③ができることを確認する。配点は、定期試験70%、レポート30%とする。出席が70%に満たない場合は、原則として定期試験の採点対象としない(正当な理由がある場合に限り、追加課題の提出により許可する)。 |
質問への対応 | 講義中に質問を受け対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
電子メールアドレスは講義1回目に指示する。 |
オフィスアワー |
火曜 船橋 12:20 ~ 13:10
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学生への メッセージ |
我が国の開発援助の中で交通施設の整備は大きな部分を占めいています。将来、技術者として国際社会でこのような開発援助に関わる上で、最低限必要な知識・能力、技術者としての倫理観を身につけてください。また、SDGs「持続可能な開発目標」の複数の目標・ターゲットの達成に関わる重要な知識を身につけてください。 新型コロナウイル感染症への対応のため全てメディア講義とします。その関係で、講義の順番も入れ替えています。 |