2023年 理工学部 シラバス - 建築学科
設置情報
科目名 | 対地震構造 | ||
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設置学科 | 建築学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 秦 一平 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | C23P |
クラス | 1,2組共通 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 超高層建物,制震構造,免震構造の設計を知る上では,時刻歴応答解析などを用いて構造設計を行う.そのためには,解析プログラムの使用方法や結果に対するポイントを理解しなければ不完全な建物を設計することになる. そのため,本授業では実際に解析プログラムを使用して,基本的な制震構造と免震構造の設計を実習する. 本授業科目はDP1・3・5・6及びCP1・3・5・6に該当しています。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業形態: 本授業は「対面授業」を基本として実施する. ※社会状況に応じて「オンデマンド型授業」に移行する場合もある. 授業方法: PPT及び板書を中心とした講義形式で行う.授業は,免震構造と制振構造の設計方法を議論しながら,理解をしてもらうことが目的です.授業内容では,担当教員の実務経験を活かし,現状の設計における重要なポイントを示し,担当教員の研究成果を利用して,それらの設計に関する勘所を習得してもらいます. |
履修条件 | 振動工学、構造力学、応用力学の単位を修得していることが望ましい。また、エクセルやワードなどを実習で扱うため、「建築情報処理Ⅰ」の履修をしていることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 免震・制振構造の概要と設計方法 免震・制振構造の違いを知り、どのように免震・制振構造を設計しているのかを知る 【事前学習】免震・制振構造の特徴を調べる(120分) 【事後学習】授業で示した用語が設計上どのように関係するのかを整理する(120分) |
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第2回 | 1自由度系の弾塑性応答特性 構造物の塑性化と弾塑性復元力特性を理解する. 【事前学習】静的増分解析を調べる(120分) 【事後学習】免震構造と制振構造の特徴を固有値解析により理解する |
第3回 | 等価線形化法と弾塑性系の複素固有値解析方法 【事前学習】演習課題①を通して,塑性化による特徴を知る(120分) 【事後学習】等価線形化法による応答解析と弾塑性応答解析の検討をする(120分) |
第4回 | 免震構造の設計①-時刻歴応答解析による方法1 時刻歴応答解析による免震構造の設計方法を知る. 【事前学習】免震構造で扱う支承材およびダンパーの種類を調べる(120分) 【事後学習】時刻歴応答解析による免震構造の設計手順を復習する(120分) 免震構造の設計課題(120分) |
第5回 | 免震構造の設計①-時刻歴応答解析による方法2 時刻歴応答解析による免震構造の設計方法を知る. 【事前学習】時刻歴応答解析プログラムの使用方法をマスターする(120分) 【事後学習】時刻歴応答解析による免震構造の設計手順を復習する(120分) 免震構造の設計課題(120分) |
第6回 | 免震構造の設計②-告示免震設計方法1 応答スペクトル法に基づく免震構造の設計方法を知る. 【事前学習】応答スペクトル法の復習(120分) 【事後学習】告示免震設計方法による免震構造の設計手柔を復習する(120分) 免震構造の設計課題(120分) |
第7回 | 免震構造の設計②-告示免震設計方法2 応答スペクトル法に基づく免震構造の設計演習. 【事前学習】応答スペクトル法の復習(120分) 【事後学習】告示免震設計方法による免震構造の設計手柔を復習する(120分) 免震構造の設計課題(120分) |
第8回 | 免震構造の設計③-応答性能設計図表を用いた逆設計方法による免震設計方法1 応答性能設計図表を用いた免震構造の設計方法を知る. 【事前学習】応答性能設計図表のやり方を教科書から予習する(120分) 【事後学習】免震構造の設計課題(120分) |
第9回 | 免震構造の設計③-応答性能設計図表を用いた逆設計方法による免震設計方法2 応答性能設計図表を用いた免震構造の設計方法を知る. 【事前学習】応答性能設計図表のやり方を復習する(120分) 【事後学習】免震構造の設計課題(120分) |
第10回 | 制振構造の設計①-時刻歴応答解析による制振設計方法1 時刻歴応答解析を用いた制振構造の設計方法を知る. 【事前学習】時刻歴応答解析プログラムの使用方法を復習する(120分) 【事後学習】制振構造の設計課題(120分) |
第11回 | 制振構造の設計①-時刻歴応答解析による制振設計方法2 時刻歴応答解析を用いた制振構造の設計方法を知る. 【事前学習】制振構造の設計課題を続けて行う(120分) 【事後学習】時刻歴応答解析による制振構造設計の利点・欠点をまとめる 制振構造の設計課題(120分) |
第12回 | 制振構造の設計②-応答性能設計図表を用いた制振構造設計方法1 定点理論を知る. 【事前学習】基準座標応答とモーダルアナリシスを復習する(120分) 【事後学習】制振構造の設計課題(120分) |
第13回 | 制振構造の設計②-応答性能設計図表を用いた制振構造設計方法2 応答性能設計図表を用いた制振構造の設計方法を知る. 【事前学習】制振構造の設計課題を続けて行う(120分) 【事後学習】制振構造の設計課題(120分) |
第14回 | 制振構造の設計②-応答性能設計図表を用いた制振構造設計方法3 複素固有値解析による多質点系への展開を知る. 【事前学習】制振構造の設計課題を続けて行う(120分) 【事後学習】制振構造の設計課題(120分) |
第15回 | 免震構造・制振構造の現在地とこれからの対地震設計について 【事前学習】現在の免震構造と制振構造はどのように利用されているかを調べる(120分) |
その他
教科書 |
石丸辰治 『『応答性能に基づく「対震設計」入門』』 彰国社 2004年年 第第1版版
構造物の動的な設計に関する入門書であり、基本概念としての振動エネルギーの基礎解説から
、振動方程式の物理的意味や振動現象の把握に加え、長寿命建築としての免震・制震構造の性
能からみた構造設計法を提示、性能図表を駆使しながら、初心者でも、免震・制震の基本計画
の立案に役立てることができる。
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参考書 |
石丸辰治 『 『対震設計の方法』』 建築技術 2008年年 第第1版版
柴田明徳 『最新 耐震構造解析』 森北出版 2014年年 第第3版版
日本建築学会 『免震構造設計指針』 丸善 2013年年 第第4版版
教科書・参考書は講義または研究室で販売します.
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成績評価の方法 及び基準 |
授業時に課される課題(10%)と制震設計レポート(45%)と免震構造設計レポート(45%)にて総合評価をする。制震・免震構造設計のレポートとも、設計手順の理解と設計方針をレポートにまとめてもらう.設計方針は,応答性能である応答加速度、応答変形を入力地震動レベルの大きさに応じて目標クライテリアを設定し、必要な設計パラメータを算出するとともに、制震・免震部材の選定を行い設計を行う。地震動入力の大きさと応答性能により、多岐に亘るパラメータが算出されるが、それらの相互関連について考察することで、免震設計の感性を高めることが目的なので、注意深い考察レポートから数学的、構造工学的センスの豊かなレポートが歓迎される。 |
質問への対応 | 授業中に理解できないところがあった場合、質問内容を整理しオフィスアワーおよび授業終了後に質問すること |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎タワースコラ9階903室(秦) hata.ippei@nihon-u.ac.jp 03-3259-0695 |
オフィスアワー |
火曜 駿河台 14:00 ~ 15:00 駿河台校舎タワースコラ 9階S903室(秦)
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学生への メッセージ |
構造設計や研究者を目指したいと思う学生には,ぜひ受講してほしい科目である.私は,実務 設計で利用される設計法や新しい対地震構造システムを提案すること目的として,研究してい るので,まだ誰も考えていないような観点から設計をすることを一緒に考えられればと思って いる.レポートでも課題に対し,議論できるような学生がいてくれることを望んでいます. |