2023年 理工学部 シラバス - 建築学科
設置情報
科目名 |
建築史Ⅰ
建築をとおしてみる技術と空間の変化
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設置学科 | 建築学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 重枝 豊 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | C34M |
クラス | 1組 、 2組 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 歴史的建築は先人達によるさまざまな建築的な課題解決の成果である。建築は歳月を超越して現代に生きる我々に示唆に富んだ教材としての意味をもっている。日本建築における伝統とは何か、それがいかに育まれてきたのか、どのような意図で計画されたのか、空間はどのようにかわったのか、などについて考えると同時に、日本建築の技術的な発展経緯について理解を深める。 |
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授業形態及び 授業方法 |
対面授業とする。定期試験、または確認テストを実施する。本授業科目はDP1・3・5・6及びCP1・3・5・6に該当しています。 |
履修条件 | 日本史 建築用語 建築物の構造 建築の施工 建築材料 |
授業計画
第1回 | 家屋文鏡と日本の住居 家屋文鏡にみる建築のヒエラルキーについて考える。また、 高床住居成立のプロセスと意味について理解する。 【事前学習】第1回目は無し【事後学習】授業後配付資料を基にして内容に興味を持った部分を参考資料、配付資料、およびネット等で調べてまとめること(240分) |
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第2回 | 古代建築の伽藍配置とは何か、またその変遷について、飛鳥時代の伽藍配置(四天王寺 飛鳥寺 法隆寺 川原寺 山田寺)と奈良時代の伽藍配置(興福寺 薬師寺 唐招提寺)の違いを理解する。また、その変化は建築に求められたものが変化したことを知る。 【事前学習】第1回目に第2回目の講義資料を配付するので、よく読んで理解すること(120分)。【事後学習】授業後配付資料を基にして内容に興味を持った部分を参考資料、およびネット等で調べてまとめること(120分) |
第3回 | 間面記法にみる身舎(母屋)と庇(廂)空間の関係について理解する。それに基づいて飛鳥時代の建築〈法隆寺金堂 法隆寺五重塔 法起寺三重塔〉の構成と技術と意匠(長押と頭貫 胴張りのある柱 基壇 瓦屋根 連子窓 雲形斗栱 組物の寸法など)について学ぶ。 【事前学習】第2回目に第3回目の講義資料を配付するので、よく読んで理解すること。【事後学習】授業後配付資料を基にして内容に興味を持った部分を参考資料、およびネット等で調べてまとめること(120分) |
第4回 | 奈良から平安期の建築を主に唐招提寺金堂から法隆寺大講堂 〈新薬師寺 唐招提寺金堂 法隆寺大講堂〉への変化を学ぶ。主に 柱間寸法の調整、回廊と吹きさらし空間、組物の発展、三手先組物、尾垂木、空間の構成手法について理解する。 【事前学習】第3回目に第4回目の講義資料を配付するので、よく読んで理解すること。(120分)【事後学習】授業後配付資料を基にして内容に興味を持った部分を参考資料、およびネット等で調べてまとめること(120分) |
第5回 | 伊勢神宮と出雲大社について、その特徴である神社の原形、神社の形式(神明造 大社造 住吉造 春日造 流造)、式年造替、勝魚木、掘立柱、高床、千木などについて学習する。 〈伊勢神宮 出雲大社 神魂神社〉 【事前学習】第4回目に第5回目の講義資料を配付するので、よく読んで理解すること。(120分)【事後学習】授業後配付資料を基にして内容に興味を持った部分を参考資料、およびネット等で調べてまとめること(120分) |
第6回 | 寝殿造と貴族の住宅のしつらえ(舗設)、置き畳、釣殿、中島、檜皮葺、柿葺、寝殿造、透渡殿について学ぶ。とくに、空間の連結と空間分割、平城京と平安京について学ぶ。〈東三条殿 橘夫人住宅 東院庭園 京都御所〉 【事前学習】第5回目に第6回目の講義資料を配付するので、よく読んで理解すること。(120分)【事後学習】授業後配付資料を基にして内容に興味を持った部分を参考資料、およびネット等で調べてまとめること(120分) |
第7回 | 仏教寺院本堂の成立について、並べる建築と延ばす建築を軸として、仏教建築の普及、並堂(双堂)、を学ぶと同時に、三手先組物、野屋根の誕生、建物の連結、 新たな空間性の模索(当麻寺本堂の推移)にみる内陣・外陣の成立ついて理解する。〈法隆寺食堂・細殿 東大寺法華堂 當麻寺本堂〉 【事前学習】第6回目に第7回目の講義資料を配付するので、よく読んで理解すること。(120分)【事後学習】授業後配付資料を基にして内容に興味を持った部分を参考資料、およびネット等で調べてまとめること(120分) |
第8回 | 阿弥陀堂建築の誕生について、密教・浄土教建築の成立の背景、阿弥陀堂建築〈平等院鳳凰堂、中尊寺金色堂、浄瑠璃寺本堂と三重塔〉について学ぶ。裳階の多用、三手先組物の完成について理解する。 【事前学習】第7回目に第8回目の講義資料を配付するので、よく読んで理解すること。(120分)【事後学習】授業後配付資料を基にして内容に興味を持った部分を参考資料、およびネット等で調べてまとめること(120分) |
第9回 | 大仏様の挑戦と題して、俊乗房重源の導入した新様式を(25年だけの様式)理解する。大仏様〈東大寺南大門 東大寺鐘楼 浄土寺浄土堂 東大寺大仏殿〉では、挿肘木、通肘木、鼻隠、遊離尾垂木、扇垂木と隅扇垂木、飛貫の採用と、南大門の寸法構成について学ぶ。 【事前学習】第8回目に第9回目の講義資料を配付するので、よく読んで理解すること。(120分)【事後学習】授業後配付資料を基にして内容に興味を持った部分を参考資料、およびネット等で調べてまとめること(120分) |
第10回 | 禅宗伽藍と禅宗建築について、合理的構造と施工の実現、禅宗伽藍の空間構成、五山制度、方丈建築の成立について学ぶ。さらに、禅宗様建築〈建長寺指図 円覚舎利殿寺 大徳寺仏堂・法堂〉における建築の部品化(桟唐戸 花頭窓 弓連子)、裳階、海老虹梁、大瓶束、四半敷 【事前学習】第9回目に第10回目の講義資料を配付するので、よく読んで理解すること。(120分)【事後学習】授業後配付資料を基にして内容に興味を持った部分を参考資料、およびネット等で調べてまとめること(120分) |
第11回 | 和様の変質として、これまでの和様の変化について、方形平面の完成、禅宗様との折衷様式、間仕切装置・天井高の変化、和様の伝統について学ぶ。〈西明寺本堂 明王院本堂・五重塔 十輪院本堂〉 【事前学習】第10回目に第11回目の講義資料を配付するので、よく読んで理解すること。(120分)【事後学習】授業後配付資料を基にして内容に興味を持った部分を参考資料、およびネット等で調べてまとめること(120分) |
第12回 | 書院造りの成立について、方丈建築の展開、定型化がもたらせた変化、単位空間の連結、書院造りで用いられた、床の間、違い棚、廊下、式台、茶室で多用される台目畳、床柱について学ぶ。〈大徳寺大仙院 慈照寺東求堂 慈光院書院 大徳寺孤篷庵〉 【事前学習】第11回目に第12回目の講義資料を配付するので、よく読んで理解すること。(120分)【事後学習】授業後配付資料を基にして内容に興味を持った部分を参考資料、およびネット等で調べてまとめること(120分) |
第13回 | 茶室の成立と桂離宮について、千利休の果たした役割、小間の茶室と草庵茶室、台目畳、床、洞床、雁行形配置などについて学ぶ。 〈妙喜庵待庵 桂離宮 時雨亭傘亭〉 【事前学習】第12回目に第13回目の講義資料を配付するので、よく読んで理解すること。(120分)【事後学習】これまでの配付資料を基にして内容に興味を持った部分を参考資料、およびネット等で調べてまとめること(120分) |
第14回 | 懸造建築について 崖造・舞台造ともいい、急な傾斜地に立つため、前面あるいは周囲が高い縁束(えんつか)をもって支えられた形の建物をいう。懸造建築を事例にあげてそれぞれの建築を理解する 【事前学習】第12回目に第13回目の講義資料を配付するので、よく読んで理解すること。(120分)【事後学習】これまでの配付資料を基にして内容に興味を持った部分を参考資料、およびネット等で調べてまとめること(120分) |
第15回 | 厳島神社と日光東照宮確認と定期試験対策 これまで仏教建築(和様・大仏様・禅宗様)、神社建築(伊勢神宮・出雲大社)、住宅建築(寝殿造・書院造・茶室)など主要な日本建築についてみてきた。近世になって茶室建築は日本建築の精神性を高めるのに大きく寄与したが、日本にはもう一つの側面があった。それは「娯楽としての建築」である。 【事前学習】これまでの講義内容について整理する。(120分)【事後学習】定期試験に向けて理解できなかった点についてこれまでの学習した成果を用いてまとめること(120分) |
その他
教科書 |
一冊を選んで、理解できなかったことを調べるための資料として欲しい。
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参考書 |
澤村 仁 他 『日本建築史』 新建築学大系2 彰国社 1999年 第1版
日本建築学会 『日本建築史図集』 彰国社 1999年 第1版
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成績評価の方法 及び基準 |
成績評価:確認試験または定期試験による |
質問への対応 | 下記のメールで対応する。ただし、学生は大学メールアドレスを使用すること。個人のメールアドレスからの質問には対応しない。 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎タワースコラS817A メールアドレス:shigeeda.yutaka@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 15:00 ~ 16:30 タワースコラS817A
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学生への メッセージ |
建築を解読する行為は建築を理解する力を増強することにつながる。ぜひ先人の知恵を学び取ってほしい。 |