2023年 理工学部 シラバス - 航空宇宙工学科
設置情報
科目名 |
振動工学
線形振動の基礎
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設置学科 | 航空宇宙工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 宮﨑 康行 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | H12C |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 運動としての振動とその数学的な取扱い方について説明することができる.特に,①一自由度系および二自由度系の線形振動の理論,②振動の評価法をもとに,宇宙機の振動試験結果を評価できる. 本授業科目はDP1・3及びCP1・3に該当している. |
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授業形態及び 授業方法 |
〇授業形態・方法:「対面授業」 配布する資料にそって,講義を行う. 〇授業内容:実務教員による授業 宇宙機関における科学衛星および宇宙探査機の開発経験をもとに、航空宇宙分野における振動問題を解析するための理論や解析手法について講義を行う. |
履修条件 | 「物理学Ⅰ,Ⅱ」,「工業力学Ⅰ,Ⅱ」,「材料力学Ⅰ~Ⅲ」,「工業数学Ⅰ~Ⅳ」,「コンピュータープログラミングⅠ,Ⅱ」を修得していることを前提に講義を行う. |
授業計画
第1回 | 「この講義全体の内容の解説と1自由度線形振動の復習(その1)」 バネ・マス・ダッシュポット系の運動についての復習する. 【事前学習】 シラバスの内容をよく読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと.(180分) |
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第2回 | 「1自由度線形振動の復習(その2)」 前回に引き続き,バネ・マス・ダッシュポット系の運動について復習する.特に,自由振動の計測データから固有振動数や減衰率を推定する方法について学ぶ. 【事前学習】 配布資料を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと.(180分) |
第3回 | 「1自由度線形振動方程式の状態方程式表現」 バネ・マス・ダッシュポット系の運動を状態方程式の形式で表現し,状態遷移関係を導く.そして,状態遷移行列の固有値と運動の安定性との関係や,任意の時系列外力が作用する場合の解を導く. 【事前学習】 配布資料を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと.(180分) |
第4回 | 「宇宙機の設計・開発における振動解析の重要性」 宇宙機の設計・開発の際には,宇宙機の打上げ時,および,軌道上における宇宙機や宇宙機の柔軟な付属物の振動を考慮する必要がある.そこで,具体的な例を通じて,「宇宙機の設計・開発」における「振動解析」の必要性,役割を学ぶ. 【事前学習】 「宇宙機,環境試験」でネット検索し,「宇宙機の設計・開発」と「振動」との関係について調べておくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと.(180分) |
第5回 | 「強制振動と共振」 バネ・マス・ダッシュポット系を強制振動させた場合の系の運動について調べ,共振現象について理解する.また,周波数応答,ボード線図,Q値といった,運動や振動現象の評価によく用いられるものの基礎を理解する. 【事前学習】 配布資料を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと.(180分) |
第6回 | 「2自由度バネ・マス系の運動方程式とその解」 2自由度のバネ・マス系の運動方程式およびその解を導く 【事前学習】 配布資料を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと.(180分) |
第7回 | 「2自由度系の強制振動」 2自由度のバネ・マス・ダッシュポット系の土台加振による応答について調べる. 【事前学習】 配布資料を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと.(180分) |
第8回 | 「振動絶縁と動吸振器」 2自由度のバネ・マス・ダッシュポット系を例に,振動伝達率や振動絶縁,動吸振器といった,振動低減設計に必要となる知識の基礎を学ぶ. 【事前学習】 テキストの第11章を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと.(180分) |
第9回 | 「モード法の基礎」 2自由度のバネ・マス・ダッシュポット系を例に,モード法を用いた過渡応答の計算法について学ぶ. 【事前学習】 配布資料を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと.(180分) |
第10回 | 「有効質量」 多自由度系における各振動モードを等価なバネ・マス系に置き換えた場合の有効質量とその利用法について学ぶ. 【事前学習】 配布資料を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと.(180分) |
第11回 | 「フーリエ解析」 振動の計測データの評価法の基礎となる,フーリエ解析について復習する. 【事前学習】 配布資料を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと.(180分) |
第12回 | 「パワースペクトル密度」 振動系の評価指標の一つであるパワースペクトル密度について学ぶ. 【事前学習】 配布資料を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと.(180分) |
第13回 | 「音響振動とランダム振動」 ロケットに搭載された宇宙機が打上げ中に受ける音響振動について学ぶとともに,音響振動を等価なランダム振動に置き換える方法について学ぶ. 【事前学習】 配布資料を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと.(180分) |
第14回 | 「衝撃試験法と振動試験法(その1)」 衝撃試験および振動試験の方法・手順について学ぶとともに,その背景にある理論について学ぶ. 【事前学習】 配布資料を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと.(180分) |
第15回 | 「振動試験法(その2)」 第14回に引き続き,振動試験の背景にある理論について学ぶ. 【事前学習】 配布資料を読んでおくこと.(60分) 【事後学習】 授業内容を復習するとともに,課題を解くこと.(180分) |
その他
教科書 |
教科書代わりに,昨年度の「振動工学」のオンデマンド授業資料(自作のテキスト,パワーポイント動画,pdf等)をCST-VOICEにて配布しますので,参考にしてください.
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参考書 |
Leonard Meirovitch (訳:砂川惠) 『振動解析の理論と応用(上)』 ブレイン図書出版
小松敬治 『機械構造振動学』 森北出版
近藤 恭平 『工学基礎 振動論』 培風館
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成績評価の方法 及び基準 |
①1自由度系および2自由度系の線形振動の理論,②振動の評価法を理解しているかどうかを,Google formによるアンケート(15),第1回~第14回の課題(84),第15回の課題(30)で評価する. |
質問への対応 | 随時,メールで質問してください.または,オフィスアワーの際にZoomで直接質問してください. |
研究室又は 連絡先 |
連絡先:miyazaki.yasuyuki@nihon-u.ac.jp 研究室:JAXA宇宙科学研究所(相模原キャンパス)研究管理棟4階1425室 オフィスアワー:授業期間中の毎週月曜の17時~18時にZoomを空けておきますので,もし,何か質問等,話すことがある場合には,ログインしてください.ZoomのURLはCST-VOICEでアナウンスします. |
オフィスアワー |
月曜 船橋 17:00 ~ 18:00 Zoomにて実施
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学生への メッセージ |
振動工学は様々な分野で必要となる学問であり,特に,航空機や宇宙機の設計には必須の学問ですので,是非,履修して,しっかり理解してください. |