2023年 理工学部 シラバス - 電子工学科
設置情報
科目名 | 基礎電子物性 | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 電子工学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 岩田 展幸 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | J23A |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 周期律表の特性、結晶結合、結晶構造、結晶の表し方について理解する。周期律表/結晶結合/結晶構造の関係性を理解しながら結晶について説明できるようになる。 本授業科目はDP3及びCP3に該当しています。 |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」で実施する。 黒板の内容は、必ず自身のノートに記載すること。 授業内容理解を助けるプリントを配布する。 1.毎回の授業において「小テスト」を実施する。 2.学習の理解を深めるために「自宅中間テスト」(自宅で行うテスト)を実施する。解答をレポートとして提出する。 3.定期試験を実施する。 「小テスト」「自宅中間テスト」の解説は、授業中に時間があるときに実施する。 |
履修条件 | 高校で学習する基礎的な物理・化学に関する知識を有していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 原子と電子・軌道 原子と電子の基本、電子配置と電子軌道、周期律表の概要、電子軌道、軌道への電子の入り方、イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度および周期律表との関係について説明する。 【事前学習】教科書・参考書および高校化学の教科書を参照し、「原子」「原子核と電子」「電子配置と軌道(主量子数、方位量子数、磁気量子数)」「剛体球モデル」「周期律表の見方」「電子軌道」「イオン化エネルギー」「電気陰性度」にについて概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第1回自宅中間テスト」を実施します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で期限までに提出してください。それ以降の提出はできません。 |
---|---|
第2回 | 結晶結合(1) 5種類の結晶結合の概要および斥力について説明する。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「斥力・引力」「ファンデルワールス力」「分子性結晶」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第2回自宅中間テスト」を実施します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で期限までに提出してください。それ以降の提出はできません。 |
第3回 | 結晶結合(2) 分子性結晶について説明する。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「レナード・ジョーンズポテンシャル」「原子配置の平衡状態」「分子性結晶」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第3回自宅中間テスト」を実施します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で期限までに提出してください。それ以降の提出はできません。 |
第4回 | 結晶結合(3) 剛体球モデルを用いてイオン半径を導出する。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「凝集エネルギー」「結合エネルギー」「イオン結晶」「イオン半径」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第4回自宅中間テスト」を実施します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で期限までに提出してください。それ以降の提出はできません。 |
第5回 | 結晶結合(4) イオン化エネルギー、電子親和力から凝集エネルギーを計算する。マーデルングエネルギーを導出する。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「イオン半径」「イオン化エネルギー」「電子親和力」「凝集エネルギー」「マーデルングエネルギー」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第5回自宅中間テスト」を実施します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で期限までに提出してください。それ以降の提出はできません。 |
第6回 | 結晶結合(5) 水素結合、金属結合、共有結合について説明する。微量に帯電した水素イオンと酸素イオン化に働くクーロン力、および共有結合が水素結合に関係していること、金属結晶全体への電子の広がり・不確定性原理が金属結合の起源であることについて説明する。隣合う原子が電子を共有することで結合する共有結合について説明する。半導体、化合物半導体、電子分布、混成軌道、σ結合、π結合について説明する。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「共有結合」「混成軌道」「σ結合」「π結合」「化合物半導体」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第6回自宅中間テスト」を実施します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で期限までに提出してください。それ以降の提出はできません。 「第1回中間試験」の課題を課します。期限までにレポートとして提出すること。 |
第7回 | 結晶構造(1) 結晶の基本的な表記方法、時間的・実空間的周期性、格子定数、基本単位格子、格子並進操作、ブラベー格子について説明する。また、結晶の結晶面、結晶軸の表記方法、ミラー指数、面間隔の簡単な説明および重要な結晶構造について具体的に説明を行う。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「格子定数」「単位格子」「格子並進操作」「ブラベー格子」「ミラー指数」「単純立方格子」「体心立方格子」「面心立方格子」「六方最密構造」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第7回自宅中間テスト」を実施します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で期限までに提出してください。それ以降の提出はできません。 |
第8回 | 結晶構造(2) 重要な結晶構造から派生した結晶構造、最密構造と各結晶構造に関する充填率の計算を行う。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「最密構造」「充填率」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第8回自宅中間テスト」を実施します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で期限までに提出してください。それ以降の提出はできません。 |
第9回 | 結晶構造(3) 基本単位格子となるような基本並進ベクトルについて説明を行う。格子方向、面指数と面間隔について、単純立方格子を取り上げて説明する。また、X線回折について説明する。 【事前学習】参考書を参照し、「格子方向」「面指数」「面間隔」に関する理解を深めておくこと。また、「X線回折」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第9回自宅中間テスト」を実施します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で期限までに提出してください。それ以降の提出はできません。 |
第10回 | 結晶構造(4) 格子方向、面指数と面間隔について、体心立方格子を取り上げて説明する。ブラッグ条件を用いた格子間隔、最小の面間隔を計算し、ブラッグ条件を満たす回折角2θを計算する。 【事前学習】参考書を参照し、「体心立方格子」「格子方向」「面指数」「面間隔」に関する理解を深めておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第10回自宅中間テスト」を実施します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で期限までに提出してください。それ以降の提出はできません。 |
第11回 | 結晶構造(5) 格子方向、面指数と面間隔について、面心立方格子、六方最密構造を取り上げて説明する。ブラッグ条件を用いた格子間隔、最小の面間隔を計算し、ブラッグ条件を満たす回折角2θを計算する。 【事前学習】参考書を参照し、「面心立方格子」「六方最密構造」「格子方向」「面指数」「面間隔」に関する理解を深めておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第11回自宅中間テスト」を実施します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で期限までに提出してください。それ以降の提出はできません。 「第2回中間試験」の課題を課します。期限までにレポートとして提出すること。 |
第12回 | 波の基本、格子振動(1) 振幅、周波数、周期、波長、角周波数、波数、波の進行方向、複素数表現、1次元調和振動子、分散関係、第一ブリルアン・ゾーンについて説明する。 【事前学習】「波」「振動」「波動」「調和振動子」「ブリルアン・ゾーン」に関する教科書もしくは、高校物理の波動に関する箇所を参考にし、波の基本的性質について理解を深めておくこと。(120分) 【事後学習】授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第12回自宅中間テスト」を実施します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で期限までに提出してください。それ以降の提出はできません。 |
第13回 | 格子振動(2) 分散関係を具体的に理解できるように説明する。また、フォノンについて説明する。 【事前学習】「格子振動」「フォノン」に関する教科書を参考にし、一次元調和振動について理解を深めておくこと。(120分) 【事後学習】授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第13回自宅中間テスト」の課題を課します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で期限内に提出してください。 |
第14回 | 格子振動(3) 異なる2種類の原子が1次元状に連なった結晶の格子振動について説明する。 【事前学習】「格子振動」「2種類の原子による1次元格子振動」に関する教科書を参考にし、理解を深めておくこと。(120分) 【事後学習】授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第14回自宅中間テスト」の課題を課します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で期限内に提出してください。 |
第15回 | 格子振動(4) 光学的振動、音響的振動および振動様式について説明する。 【事前学習】「格子振動」「2種類の原子による1次元格子振動」に関する教科書を参考にし、理解を深めておくこと。(120分) 【事後学習】授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第15回自宅中間テスト」の課題を課します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で期限内に提出してください。 |
その他
教科書 |
川辺和夫、平木昭夫、岩見基弘 『基礎電子物性工学』 コロナ社
坂田亮 『物性科学』 培風館
永田一清 『物性物理学』 裳華房
沼居貴陽 『固体物性入門』 森北出版
小島誠治・澤田昭勝・中村輝太郎 訳 『固体の諸性質』 東海大学出版会
長尾辰哉 他 訳 『固体の電子論』 東海大学出版会
|
---|---|
参考書 |
宇野良清 他 共訳 『キッテル 固体物理学入門』 丸善
作道恒太郎 『固体物理 格子振動・誘電体』 裳華房
黒沢達美 『物性論 -固体を中心とした-』 裳華房
固体の性質を議論するとき、高校とは異なった感覚での理解が必要である。その理解に慣れるために、多くの教科書を読み比べることが、理解の近道である。よって、簡単に説明してある参考書を紹介する。図書館等で是非、読み比べて欲しい。
|
成績評価の方法 及び基準 |
「小テスト」:20点 「自宅中間テストレポート」:40点 「定期試験」:40点 ただし、「小テスト」の正答率が50%以下の場合は、採点の対象外とする。つまり、成績は「E」となる。定期試験を受験しない場合、成績は「E」となる。 |
質問への対応 | 授業中、メール、ポータル等で受け付ける。 |
研究室又は 連絡先 |
4号館412室 iwata.nobuyuki@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
火曜 船橋 16:40 ~ 18:10 4号館412室
|
学生への メッセージ |
物の性質を理解するためのわかりづらい式が多く出てくるが、その式の意味することをイメージとして頭に残して欲しい。 |