2023年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 | 化学熱力学 | ||
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設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 須川 晃資 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜1 火曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L21P L22N |
クラス | A、B | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 化学熱力学は化学・生命科学・工学等の基礎をなし,有機合成化学や無機結晶,さらには太陽電池等の先端研究においても非常に重要な学問の一つである. 特に本講では,化学の分野における物質の状態変化や反応過程について熱力学の立場から論ずる. 具体的には,熱力学第一法則,熱力学第二法則,化学熱力学第三法則,反応熱,自由エネルギーなど,化学熱力学の基礎となる諸現象を理解し,理論的にかつ定量的に検証することができる.また,これらに関連する演習問題を解くことができる. (本授業科目はDP1・3・5及びCP1・3・5に該当しています.) |
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授業形態及び 授業方法 |
パワーポイントと板書を併用し,対面授業にて講義を行う. |
履修条件 | 物理化学系基礎科目を修得していることが望ましい |
授業計画
第1回 | 評価法・講義内容の説明・化学熱力学の重要性に関する説明 シラバスの内容を確認の上,授業に臨むこと 予習【2時間以上】:これまでに学んだ物理化学系の科目の内容を思い返しておく.高校数学の内容を思い返しておく. 復習【2時間以上】:講義で使用する渡邊 啓 『化学熱力学[新訂版]』 の構成を把握し,まえがき,および第0章を読む. |
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第2回 | 熱・仕事・エネルギー 系,相,温度,熱など化学熱力学における基礎的な事項の説明 予習【2時間以上】:渡邊 啓 『化学熱力学[新訂版]』 の第0章を読む. 復習【2時間以上】:講義内で紹介された練習問題を解く. |
第3回 | 熱力学第一法則 内部エネルギーの考え方,熱力学第一法則の紹介 予習【2時間以上】:『化学熱力学[新訂版]』 の該当箇所(第1章,特にp7~p12)を読み,不明な点を抽出しておく. 復習【2時間以上】:講義内で紹介された練習問題を解く. |
第4回 | 熱力学第一法則 可逆変化・不可逆変化の考え方,状態関数の考え方 予習【2時間以上】:『化学熱力学[新訂版]』 の該当箇所(第1章,特にp13~p18)を読み,不明な点を抽出しておく. 復習【2時間以上】:講義内で紹介された練習問題を解く. |
第5回 | 熱力学第一法則 定積熱容量・定圧熱容量の説明,エンタルピーの考え方 予習【2時間以上】:『化学熱力学[新訂版]』 の該当箇所(第2章,特にp20~p25)を読み,不明な点を抽出しておく. 復習【2時間以上】:講義内で紹介された練習問題を解く. |
第6回 | 反応熱とヘスの法則 化学反応における標準生成エンタルピーの算出 予習【2時間以上】:『化学熱力学[新訂版]』 の該当箇所(第2章,特にp26~p38)を読み,不明な点を抽出しておく. 復習【2時間以上】:講義内で紹介された練習問題を解く. |
第7回 | 演習と解説 化学熱力学の基礎,熱力学第一法則,反応熱などに関する演習 特に頻出の問題をピックアップして解説する. 予習【2時間以上】:熱力学第一法則に関する講義内容を復習し,練習問題を解いて理解しておくこと. 復習【2時間以上】:解けなかった問題を解きなおしておく. |
第8回 | 熱力学第二法則 熱力学第二法則の序論,基礎的考え方 予習【2時間以上】:『化学熱力学[新訂版]』 の該当箇所(第2章,特にp40~p45)を読み,不明な点を抽出しておく. 復習【2時間以上】:講義内で紹介された練習問題を解く. |
第9回 | カルノーサイクル カルノーサイクルを通した熱力学第二法則の実証・最大仕事効率の導出 予習【2時間以上】:『化学熱力学[新訂版]』 の該当箇所(第2章,特にp46~p51)を読み,不明な点を抽出しておく. 復習【2時間以上】:講義内で紹介された練習問題を解く. |
第10回 | 物質のエントロピー エントロピーの基礎,状態変化に伴うエントロピー変化の計算 予習【2時間以上】:『化学熱力学[新訂版]』 の該当箇所(第2章,特にp53~p57)を読み,不明な点を抽出しておく. 復習【2時間以上】:講義内で紹介された練習問題を解く. |
第11回 | 物質のエントロピー 温度変化・相変化に伴うエントロピーの変化について 予習【2時間以上】:前回のエントロピーの計算を理解しておく.『化学熱力学[新訂版]』 の該当箇所(第2章,特にp58~p60)を読み,不明な点を抽出しておく. 復習【2時間以上】:講義内で紹介された練習問題を解く. |
第12回 | エントロピー変化の算出 熱力学第三法則について,様々な状態変化・反応におけるエントロピー変化の算出について 予習【2時間以上】:『化学熱力学[新訂版]』 の該当箇所(第2章,特にp62~p69)を読み,不明な点を抽出しておく. 復習【2時間以上】:講義内で紹介された練習問題を解く. |
第13回 | 演習 熱力学第二法則,カルノーサイクル,エントロピーに関する演習 特に頻出の問題をピックアップして解説する. 予習【2時間以上】:熱力学第二法則に関する講義内容を復習し,練習問題を解いて理解しておくこと. 復習【2時間以上】:解けなかった問題を解きなおしておく |
第14回 | 自由エネルギー 自由エネルギーの理解,ヘルムホルツ自由エネルギー,ギブス自由エネルギー マックスウェル方程式の導出,仕事関数,相平衡 予習【2時間以上】:『化学熱力学[新訂版]』 の該当箇所(第5章)を読み,不明な点を抽出しておく. 復習【2時間以上】:講義内で紹介された練習問題を解く. |
第15回 | 化学ポテンシャル 化学ポテンシャルとは,理想気体の化学ポテンシャル,気相平衡,液相平衡 予習【2時間以上】:『化学熱力学[新訂版]』 の該当箇所(第6章)を読み,不明な点を抽出しておく. 復習【2時間以上】:講義内で紹介された練習問題を解く. |
その他
教科書 |
渡邊 啓 『化学熱力学[新訂版]』 サイエンス社 2002年 化学熱力学の基礎が要領良くまとめられているので採用している.
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参考書 |
菅 宏 『はじめての化学熱力学』 岩波書店 1999年 原田 義也 『化学熱力学(修訂版)』 裳華房 2002年 「はじめての化学熱力学」は定義式の導出なども詳しく書かれているので,講義内容の理解の助けになる. 「化学熱力学」は,各事象・定義について詳しくまとめられているので,より深く化学熱力学を理解したい学生にとって良書である.
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成績評価の方法 及び基準 |
講義中に行う演習課題:20%,定期試験:80% |
質問への対応 | 講義終了時,もしくは研究室にて対応する. |
研究室又は 連絡先 |
超分子化学研究室(駿河台校舎2号館206B室) 電話:03-3259-0833 e-mail:sugawa.kosuke@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
金曜 駿河台 11:00 ~ 12:00 研究室にて対応します.
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学生への メッセージ |
化学熱力学は化学反応や現象の根本的理解を助け,エネルギーの観点から現象の本質を突き詰める物理化学の一分野です.それ故,化学を志す者にとって非常に重要な学問です.特に本講義では,計算のみならず,この学問の根本的理解を深めるような深い内容にします.一緒に「現象を理解する」楽しさと難しさを学びましょう. |