2023年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 | 量論化学工学Ⅱ | ||
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設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 松田 弘幸 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜1 水曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L31O L32T |
クラス | A、 B | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 化学プロセスに関するエネルギーおよびエネルギー収支の考え方を理解し,いくつかの実際のプロセス(物理的操作ならびに化学反応操作)におけるエネルギー収支の考え方を学ぶ.具体的な学習目標は次のとおりである. 1.エネルギー収支の基本的な考え方を理解することができる 2.物理的操作をめぐるプロセスにエネルギー収支を適用し,未知量を求めることができる 3.化学反応操作を含むプロセスにエネルギー収支を適用し,未知量を求めることができる 本授業科目はDP1・3・5及びCP1・3・5に該当しています. |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 対面授業を行う.新型コロナウイルス感染症と診断,濃厚接触者と特定された場合,またはインフルエンザと診断された場合は,「新型コロナ・インフルエンザ罹患等申請システム」で必ず報告し,別途録画したオンデマンド動画で受講すること. 授業内容のより深い理解のため,演習ならびにレポート提出を実施する. |
履修条件 | 基礎物理化学・量論化学工学Iの講義で修得した化学工学の基本(物質収支,エネルギー収支,物性の基本) |
授業計画
第1回 | 講義の概要についての説明を行う.具体的には,エネルギーとは何か,エネルギー保存の法則,化学プロセスにおけるエネルギーなどを概説する. 化学プロセスにおけるエネルギー収支の考え方と収支計算の基礎式を説明する. 【事前学習】シラバスの内容を確認の上,授業に臨むこと.化学工学教科書24ページから25ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと.(120分) 【事後学習】講義で行った熱力学の第一法則からエンタルピー変化の式誘導を復習すること.また,温度変化に伴うエンタルピー変化の計算方法を復習すること.(120分) |
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第2回 | 均一相でのエンタルピー変化の計算の説明と問題練習を行う.また,熱交換器をめぐる熱収支の説明を行う. 【事前学習】シラバスの内容を確認の上,授業に臨むこと.化学工学教科書24ページから25ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと.(120分) 【事後学習】講義中に演習を行った均一相でのエンタルピー変化の計算に関する問題をもう一度解くこと.また,均一相でのエンタルピー変化の計算に関する問題練習(レポート)を行うこと.(120分) |
第3回 | 前回の均一相でのエンタルピー変化の計算に関する問題練習(レポート)の解説を行う. 物理的操作をめぐる熱収支の1回目として,熱交換器をめぐる熱収支の説明と問題練習を行う. 【事前学習】前回の均一相でのエンタルピー変化の計算方法をもう一度確認すること.(120分) 【事後学習】講義中に演習を行った熱交換器をめぐる熱収支および冷媒の最小所要量の計算に関する問題をもう一度解くこと.また,熱交換器をめぐる熱収支に関する問題練習(レポート)を行うこと.(120分) |
第4回 | 前回の熱交換器をめぐる熱収支に関する問題練習(レポート)の解説を行う. 相変化におけるエンタルピー変化の計算の説明と問題練習を行う.水蒸気表の見方について説明する. 蒸発缶をめぐる熱収支の説明を行う. 【事前学習】化学工学教科書26ページから27ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと.(120分) 【事後学習】講義中に演習を行った相変化におけるエンタルピー変化の計算に関する問題をもう一度解くこと.また,水蒸気表の見方を復習すること.さらに,相変化におけるエンタルピー変化に関する問題練習(レポート)を行うこと.(120分) |
第5回 | 前回の相変化におけるエンタルピー変化に関する問題練習(レポート)の解説を行う. 蒸発缶をめぐる熱収支(デューリング線図を考慮しない)の問題練習を行う.デューリング線図について説明する. 【事前学習】化学工学教科書26ページから27ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと.(120分) 【事後学習】講義中に演習を行った蒸発缶をめぐる熱収支(デューリング線図を考慮しない)の計算に関する問題をもう一度解くこと.また,デューリング線図の見方を復習すること.(120分) |
第6回 | 蒸発缶をめぐる熱収支(デューリング線図を考慮)の説明と問題練習を行う. 流体輸送の基本を説明する. 【事前学習】講義中に演習を行った蒸発缶をめぐる熱収支(デューリング線図を考慮しない)の計算に関する問題を復習すること.また,水蒸気表およびデューリング線図の見方を復習すること.化学工学教科書28ページから30ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと.(120分) 【事後学習】講義中に演習を行った蒸発缶をめぐる熱収支(デューリング線図を考慮)に関する問題をもう一度解くこと.また,蒸発缶をめぐる熱収支(デューリング線図を考慮)に関する問題練習(レポート)を行うこと.(120分) |
第7回 | 前回の蒸発缶をめぐる熱収支(デューリング線図を考慮)に関する問題練習(レポート)の解説を行う. 流体輸送のエネルギー収支の説明と問題練習を行う. 【事前学習】化学工学教科書30ページから36ページを読んで理解できない箇所を質問できるようまとめておくこと.(120分) 【事後学習】講義中に演習を行った流体輸送のエネルギー収支に関する問題をもう一度解くこと.(120分) |
第8回 | 物理的操作をめぐる熱収支についての演習を行う. 【事前学習】第1回から第7回の講義で解いた演習問題・レポートをもう一度解いて,演習に備えること.(180分) 【事後学習】演習で解けなかった問題をもう一度自分で解くこと.(120分) |
第9回 | 化学反応操作をめぐる熱収支に関連して,標準生成エンタルピーを用いた標準反応熱の計算について説明し,問題練習を行う. 【事前学習】1年次の講義「基礎物理化学」で学習した標準生成エンタルピーを用いた標準反応熱の計算の復習を行うこと.(120分) 【事後学習】標準生成エンタルピーを用いた標準反応熱,とくに標準燃焼エンタルピーの計算方法の復習をしっかり行うこと.(120分) |
第10回 | 標準燃焼エンタルピーを利用したボイラーの熱収支についての説明と問題練習を行う.また,一般の温度における反応熱の計算について説明を行う.さらに,平均定圧比熱容量の算出について説明する. 【事前学習】標準燃焼エンタルピーの計算方法の復習をしっかり行うこと.(120分) 【事後学習】講義中に演習を行ったボイラーの熱収支に関する問題をもう一度解くこと.また,ボイラーの熱収支,および二酸化炭素・水・酸素・窒素の平均定圧比熱容量に関する問題練習(レポート)を行うこと.(120分) |
第11回 | 前回のボイラーの熱収支,および二酸化炭素・水・酸素・窒素の平均定圧比熱容量に関する問題練習(レポート)の解説を行う.反応物質と生成物質の温度が異なるときの反応熱について説明を行う.さらに,理論火炎温度の推定についての説明を行う. 【事前学習】一般の温度における反応熱の計算の復習をしっかり行うこと.また,1年次の講義「基礎物理化学」で学習した燃焼プロセスの物質収支の計算の復習を行うこと.(120分) 【事後学習】講義中に説明した理論火炎温度の推定方法について復習をしっかり行うこと.また,一般の温度における反応熱の計算に関する問題練習(レポート)を行うこと.(120分) |
第12回 | 前回の一般の温度における反応熱の計算に関する問題練習(レポート)の解説を行う. 理論火炎温度の推定についての問題練習を行う. 【事前学習】前回の講義で説明した理論火炎温度の推定方法について復習をしっかり行い,講義に備えること.(120分) 【事後学習】講義中に演習を行った理論火炎温度の推定方法に関する問題をもう一度解くこと.(120分) |
第13回 | 化学反応操作をめぐる熱収支についての演習を行う. 【事前学習】第8回から第12回の講義で解いた演習問題・レポートをもう一度解いて,演習に備えること.(180分) 【事後学習】演習で解けなかった問題をもう一度自分で解くこと.(120分) |
第14回 | 第8回目および第13回目の演習の解説を行う. 【事前学習】演習において,自分で解けなかった問題について質問できるようまとめておくこと.(120分) 【事後学習】演習の問題をもう一度自分で解くこと.(120分) |
第15回 | 本講義の「理解度の確認」を「定期試験期間中に定期試験」で行う.その後,その解説を行う. 【事前学習】講義中に解いた例題・練習問題・レポートの問題,および第8回目および第13回目の演習の問題を繰り返し自分で解いて,「理解度の確認」に備えること.(240分) 【事後学習】「理解度の確認」で解けなかった問題をもう一度自分で解くこと.(120分) |
その他
教科書 |
日秋俊彦 編著,児玉大輔・栗原清文・松田弘幸・佐藤敏幸・松本真和 著 『標準化学工学Ⅰ 収支・流体・伝熱・平衡分離[9784254250404]』 朝倉書店 2018年
学部1年次からの入学生
【基礎物理化学(化学工学)の教科書と同じです】
短大ものづくり・サイエンス総合学科からの編入生
【基礎化学工学の教科書と同じです,教科書を持っていない人は,購入してください】
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参考書 |
小島和夫,越智健二,本郷尤,加藤昌弘,鈴木功,栃木勝己 『入門化学工学[9784563041946]』 培風館 1996年 第二版
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成績評価の方法 及び基準 |
定期試験70%,演習10%,レポート20% |
質問への対応 | 講義中・終了後.E-Mailでも可能です. |
研究室又は 連絡先 |
物質応用化学科化学工学研究室(駿河台校舎2号館1階215号室) メールアドレス(「あっと」は,半角@に直してください) 松田弘幸:matsuda.hiroyuki あっと nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 12:10 ~ 13:20 2号館1階215号室
木曜 駿河台 10:00 ~ 12:00 メールで随時対応する
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学生への メッセージ |
・講義中の例題の解法や,演習に関数電卓が必要です.毎回の授業で,授業開始の段階で関数電卓を机の上に置いて授業に臨んでください. ・練習問題のPDFファイルを,CST-VOICEからダウンロードおよび印刷してください.毎回の授業で,授業開始の段階で印刷した練習問題を机の上に置いて授業に臨んでください. ・化学工学の問題は一見すると複雑で,計算量も多いので,苦手意識を持つ学生がたくさんいると思います.しかし,基本的な知識や単純な発想を十分に活用していけば簡単に解くことができるのです.このことを講義,とくに問題演習で示していきます. |