2023年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 |
セラミックス化学
セメントでセラミックスを学ぶ
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設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 小嶋 芳行 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L42R |
クラス | 共通 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | セラミックス工業の中で重要な地位を占める省資源・省エネルギー型セメントを題材として、セラミックス化学の根本にある組成-構造-性質の相互関係を明らかにするキャラクタリゼーションについて学び、そのやりかたを各種セラミックスに適用して、セラミックス化学の全体像を把握する。これにより,セラミックスに関する原料,構造,製造法などを理解することができるようになる. 本授業科目はDPの1,3,5およびCPの1,3,5に該当しています. |
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授業形態及び 授業方法 |
授業は基本対面で行います.オンラインの場合には,授業をそのまま配信します.対面での授業では板書をし,必要に応じて資料を配布する。例年はセメント工場に行って見学している. 見学を行う場合には,授業を早めることがある.レポートの提出もあり,そのフィードバック次回の授業で行う. |
履修条件 | 無機固体化学を受講していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 授業:授業のガイダンス.三大材料の変遷について説明する.ファインセラミックスとオ-ルドセラミックスの違いについて説明する. キーワード:三大材料,変遷,セラミックス 予習:三大材料とはなにか調べる.(2時間) 復習:三大材料の長所,欠点を確認.(2時間) |
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第2回 | 授業:各セラミックスの性質および用途について説明する. キーワード:ジルコニア,アルミナ,窒化ケイ素,窒化アルミニウム 予習:セラミックスの種類を自分で調べてみる.(2時間) 復習:セラミックスがどのような用途で用いられているのかを確認.(2時間) |
第3回 | 授業:セラミックスの性質と用途の続き. セメント工業のあゆみについて説明する.また,ポルトランドセメントの製造工程を説明する. キーワード:炭化ケイ素,ポルトランドセメント,石灰石,SP,NSP,ロータリーキルン 予習:教科書p.1~11をよく読むこと.また,セメントがどのように製造されているのか自分なりに調べておくこと.(2時間) 復習:セメントの製造工程を理解できるようにする.(2時間) |
第4回 | 授業:セメントの固体化学的基礎について説明する. キーワード:結晶系,X線回折,固溶体 予習:教科書p.11~26をよく読むこと.(2時間) 復習:固溶体と酸素酸塩などの違いについて説明できるか確認.(2時間) |
第5回 | 授業:セメント化合物の構造およびケイ酸塩の分類について説明する. キーワード:C3S,C2S,C3A,C4AF,複合酸化物,ケイ酸イオンの分類 予習:教科書のセメントの固体化学的基礎のp.27~p.45をよく読むこと.(2時間) 復習:セメント化合物がどのような構造になっているのか確認.(2時間) |
第6回 | 授業:水和と結晶水および固相反応と焼結について説明. キーワード:結晶水,固相反応,Janderの式,焼結 予習:教科書のp.46~p.70をよく読むこと.(2時間) 復習:Janderの式を導くことができるのかを確認.(2時間) |
第7回 | 授業:セメントクリンカーの組成と構造におけるクリンカーの生成反応について説明する. キーワード:クリンカー,組成,C3S,C2S 予習:教科書のセメントクリンカーの組成と構造のp.81~95をよく読むこと.(2時間) 復習:C3Sの構造,組成について確認.(2時間) |
第8回 | 授業:ビーライト,アルミネート相,フェライト相について説明する. キーワード:C2S,C3A, C4AF 予習:教科書のセメントクリンカーの組成と構造のp.95~110ををよく読むこと.(2時間) 復習:C2S,C3AおよびC4AFがどのように生成するのか,およびセメント化合物の性質について理解しているのか確認.(2時間) |
第9回 | 授業:セメント化合物の組成計算について説明する.セメントの水和に関する導入について説明する. キーワード:ボーグの式,セメント化合物,トポ化学 予習:教科書のp.110~p.122を読むこと.(2時間) 復習:セメント化合物の性質および組成について確認.(2時間) |
第10回 | 授業:セメント化合物の水和およびその他のセメント化合物の水和およびケイ酸カルシウム水和物について説明する.さらに,水和に及ぼす諸条件についても説明する. キーワード:エトリンガイト,ケイ酸カルシウム水和物,トバモライト,ゾノトライト 予習:教科書のポルトランドセメントの水和の章の後半部分をよく読むこと.(2時間) 復習:セメントにセッコウを添加する理由をせつめいできるか確認.どのようにしてケイ酸カルシウム水和物が生成するのかを確認.(2時間) |
第11回 | 授業:ポルトランドセメントの凝結と硬化の機構について説明する. キーワード:凝結,硬化,強さ試験,ゲル空孔 予習:教科書のポルトランドセメントの凝結と硬化の章の凝結時間の調制までをよく読んでおくこと.(2時間) 復習:凝結と硬化の違いを説明できるか確認.硬化する理由を説明できるか確認.(2時間) |
第12回 | 授業:ポルトランドセメントの強さ発現にかかわる因子について説明する. キーワード:養生温度,粒径,W/C比 予習:許可書のポルトランドセメントの凝結と硬化の章の後半部分をよく読んでおくこと.(2時間) 復習:どのような条件がセメントの強さ発現に関与するのかを確認.(2時間) |
第13回 | 授業:セメント関連会社の方から特別授業をしてもらう. 予習:これまでのセメント製造,性質などについて確認する(2時間) 復習:特別授業を受けて自分が理解していることとしていないことをきちんと理解する(2時間) |
第14回 | 授業:セメントの種類およびコンクリートについて説明する. キーワード:普通ポルトランドセメント,早強セメント,超早強セメント,中よう熱セメント,高炉セメント,コンクリート 予習:教科書のセメントの種類と性質の章をよく読むこと.教科書のコンクリートの章をよく読むこと.(2時間) 復習:様々な種類のセメントはどのような組成となっているのかを確認.コンクリートとセメントの違いの確認.コンクリートとすることのメリットの確認.(2時間) |
第15回 | 授業:理解度確認のための試験 予習:これまでの授業で学んだことを整理してください.(2時間) 復習:試験でわからないところをノートで確認.(2時間) |
その他
教科書 |
荒井康夫 『セメントの材料化学』 大日本図書 2016年 第3版
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参考書 |
なし
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成績評価の方法 及び基準 |
試験80% レポート20% |
質問への対応 | 授業終了後,教室で対応 |
研究室又は 連絡先 |
無機材料化学研究室 kojima.yoshiyuki@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
月曜 駿河台 13:00 ~ 17:00
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学生への メッセージ |
「セメントを学ぶ」のではなく、「セメントで学ぶ」ということを意識してほしい. 例年,11,12月にセメント会社を見学する.そこで,授業の知識だけではなくもの作りに ついて学んでいただきたいと思います. |