2023年 理工学部 シラバス - 物理学科
設置情報
科目名 | 生物物理学 | ||
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設置学科 | 物理学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 山中・小松崎 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜1 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M21R |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 生物物理学は基本的には生命現象を物理学の立場から理解する学問体系であるが、物理学のように力学・電磁気学・量子力学・統計力学のように明確に体系化されているわけではない。この授業でははじめの数回は生命現象を知る上で必要な生物学の基本事項を習得し、中盤以降は主として構造生物学への物理学の具体的な応用方法について解説し、物理学から見た生物物理学という観点から理解を深める。 |
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授業形態及び 授業方法 |
対面授業 |
履修条件 | 高等学校レベルの生物に関する基本事項を理解しておくことが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 生命とは何か:その起源と進化、生体の基本単位である細胞とその構造・機能について講義する。(小松﨑) 【事後学習】配布されたプリントなどを参考にして、講義の内容を整理する。(4時間) |
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第2回 | 生体化学分子:細胞を構成する化学物質、生体機能を担うナノマシーンであるタンパク質について講義する。(小松﨑) 【事前学習】配布されたプリント中の指示された場所の内容、あるいは口頭で指示された内容について、指定された参考書などを用いて調べる。(2時間) 【事後学習】配布されたプリントなどを参考にして、講義の内容を整理する。(2時間) |
第3回 | 生物の中の物理学:生物学的なエネルギー変換の基礎となる物理法則、酵素の反応速度論:生化学反応における酵素の役割について講義する。(小松﨑) 【事前学習】配布されたプリント中の指示された場所の内容、あるいは口頭で指示された内容について、指定された参考書などを用いて調べる。(2時間) 【事後学習】配布されたプリントなどを参考にして、講義の内容を整理する。(2時間) |
第4回 | 生体膜:生体膜(脂質二重膜)の構造やそこに含まれる分子、生体膜の機能を紹介する。(リン脂質、コレステロール、膜タンパク質)また、環境や他の細胞からシグナルを受け取った細胞がどのように応答するのか?その仕組みについても合わせて講義する。(小松﨑) 【事前学習】配布されたプリント中の指示された場所の内容、あるいは口頭で指示された内容について、指定された参考書などを用いて調べる。(2時間) 【事後学習】配布されたプリントなどを参考にして、講義の内容を整理する。(2時間) |
第5回 | 細胞の時間スケール:細胞周期とその仕組みについて講義する。(小松﨑) 【事前学習】配布されたプリント中の指示された場所の内容、あるいは口頭で指示された内容について、指定された参考書などを用いて調べる。(2時間) 【事後学習】配布されたプリントなどを参考にして、講義の内容を整理する。(2時間) |
第6回 | 生体物質:生体を構成する物質のうち高分子化合物について解説を行う。セントラルドグマと関係する物質、DNA、RNA、蛋白質、酵素、高分子化合物などの構造と機能。 準備学習:前回の授業内容を復習して疑問点を整理する(2時間) 事後学習:配布資料からのノート作成を行う(2時間) |
第7回 | 蛋白質の1次構造、2次構造、3次構造、4次構造、ドメイン、モチーフ、リガンド等の蛋白質の構造と機能について説明を行う。蛋白質の合成、蛋白質の分類等についてプロテオームの観点から説明する。 準備学習:前回の授業内容を復習して疑問点を整理する(2時間) 事後学習:配布資料からのノート作成を行う(2時間) |
第8回 | 生殖と増殖、遺伝学:遺伝と遺伝子について表現型と遺伝子型の観点から解説する。遺伝暗号とコドン、遺伝子多型、1遺伝子多型などの分子生物学の観点から理解する。伴性遺伝、HLAなどの免疫、生命進化の分子時計、ダーウィンの進化論と分子進化の中立説についても言及する。 準備学習:前回の授業内容を復習して疑問点を整理する(2時間) 事後学習:配布資料からのノート作成を行う(2時間) |
第9回 | Protein Data Bank, Gene Bank, CATH, SCOPなどの生命情報学に関連したデータベース。FASTA形式、PDB形式等のデータベースのファイル書式等の解説 準備学習:前回の授業内容を復習して疑問点を整理する(2時間) 事後学習:配布資料からのノート作成を行う(2時間) |
第10回 | 構造生物学と物理学1:X線結晶回折による高分子化合物の構造決定法について解説する。具体例としてワトソン・クリック・フランクリンによるDNAのX線による構造解析、蛋白質のX線構造解析を説明する。Spring8、KEKの遠隔操作実験等を説明する。 準備学習:前回の授業内容を復習して疑問点を整理する(2時間) 事後学習:配布資料からのノート作成を行う(2時間) |
第11回 | 構造生物学と物理学2:高次元核磁気共鳴による高分子化合物の構造決定法について解説する。可能であれば3次元NMRシグナルからのアミノ酸の帰属についてシミュレートする。 準備学習:前回の授業内容を復習して疑問点を整理する(2時間) 事後学習:配布資料からのノート作成を行う(2時間) |
第12回 | 構造生物学と物理学3:蛋白質の動的性質(フォールディング、アンフォールディング、アンフィンセンの実験、エネルギーランドスケープ)、分子動力学の原理と分子動力学による蛋白質のシミュレーション。 準備学習:前回の授業内容を復習して疑問点を整理する(2時間) 事後学習:配布資料からのノート作成を行う(2時間) |
第13回 | 構造生物学と物理学4:近代分子生物学における組み合わせ論的方法の応用という観点から整理と解説を行う。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、アガロース電気泳動を含むサンガー法、ヒトゲノム計画におけるショットガン法、生物計算機、グラフ理論とDNA計算機、等について組み合わせ理論の観点から捉えなおす。 準備学習:前回の授業内容を復習して疑問点を整理する(2時間) 事後学習:配布資料からのノート作成を行う(2時間) |
第14回 | 放射線生物学:放射能と放射線、放射線の生物に対する影響を原子・分子レベルから解説する。環境放射能や地球温暖化など社会学的な観点から生態系における放射能と生物の関係について物理学的に考察する。 準備学習:前回の授業内容を復習して疑問点を整理する(2時間) 事後学習:配布資料からのノート作成を行う(2時間) |
第15回 | 生命情報科学(バイオインフォマティクス)と計算物理学、並列計算と計算量・計算資源、PCとスーパーコンピュータの関係について解説する。ヒトゲノムとヒトゲノム計画、ゲノム情報と倫理、オミックス、iPS細胞等の現代生物学と物理学の接点について解説を行う。ポストゲノムとゲノム創薬、インシリコ創薬における計算機物理学と計算情報学の役割を中心に、今後の展望を解説する。 準備学習:前回の授業内容を復習して疑問点を整理する(2時間) 事後学習:配布資料からのノート作成を行う(2時間) |
その他
教科書 | |
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
授業内における課題(10点X10回) |
質問への対応 | 授業内、メールにて対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
教員名@ninon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
月曜 駿河台 16:30 ~ 17:00
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学生への メッセージ |