2023年 理工学部 シラバス - 物理学科
設置情報
科目名 | 計算物理学 | ||
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設置学科 | 物理学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 高橋(努)・藤井・山中 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M22P |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 本授業科目はDP3及びCP3に該当しています。 計算機を用いたデータ解析、シミュレーションなど、物理学の諸問題を解決するための手法について、その基礎を学ぶとともに、応用、発展的手法も解説する。また研究室、実験室で使われている計算機とその利用法などの実例も示す。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業形態 対面授業 |
履修条件 | 物理学科で開講されている必修科目(力学,電磁気学,物理数学,量子力学,統計物理学)および計算機関連の講義(コンピュータリテラシー,数式・画像処理,プログラミングとアルゴリズム,計算機演習)などを履修していることが望ましい.また,専門科目として(プラズマ物理学,宇宙物理学,相対論的量子力学)なども履修していると講義内容を理解しやすい. |
授業計画
第1回 | 量子計算・量子暗号・ブロックチェーン・暗号通貨 1(山中)計算機の歴史、チューリングマシン、古典計算機と古典論理ゲート、半加算機と全加算機について解説する。 準備学習:前回のノートの再計算による復習(2時間) 事後学習:授業ノートの再計算を復習とする(2時間) |
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第2回 | 量子計算・量子暗号・ブロックチェーン・暗号通貨 2(山中)量子計算機に必要な量子力学の復習を行う。制御ノットゲート、位相変換、量子論理回路について解説する。量子論理回路を用いた離散フーリエ変換とショアの因数分解アルゴリズムについて解説する。 準備学習:前回のノートの再計算による復習(2時間) 事後学習:授業ノートの再計算を復習とする(2時間) |
第3回 | 量子計算・量子暗号・ブロックチェーン・暗号通貨 3(山中)いろいろな暗号について説明する。公開鍵暗号とRSA暗号について解説し、具体的に暗号文を作成することで理解を深める。電子認証と電子認証のチェーン化について解説する。 準備学習:前回のノートの再計算による復習(2時間) 事後学習:授業ノートの再計算を復習とする(2時間) |
第4回 | 量子計算・量子暗号・ブロックチェーン・暗号通貨 4(山中)ブロックチェーンと暗号通貨の起こりを原理的な面から原論文を紹介しつつ説明し、経済学における位置付けなどを解説する。 準備学習:前回のノートの再計算による復習(2時間) 事後学習:授業ノートの再計算を復習とする(2時間) |
第5回 | 量子計算・量子暗号・ブロックチェーン・暗号通貨 5(山中)量子暗号の原理と、量子計算機以外の新たな計算パラダイム(例えばDNA計算機等)について解説する。 準備学習:前回のノートの再計算による復習(2時間) 事後学習:授業ノートの再計算を復習とする(2時間) |
第6回 | 宇宙物理学と計算機 1(藤井)恒星の構造を記述する簡単な連立方程式(状態方程式、静水圧平行の式、質量保存の式)を理解する。解析解を求め、コンピュータによる可視化により理解を深める。 【事後学習】授業内容の復習をする。特に扱った例題の解き直しを必ず行うこと。 また宿題の問題を解いて次回の授業に備えること。(4時間) |
第7回 | 宇宙物理学と計算機 2(藤井)恒星の進化およびその最期である超新星爆発を記述する方程式を理解する。近似して解析解を求め、コンピュータによる可視化により理解を深める。 【事後学習】授業内容の復習をする。特に扱った例題の解き直しを必ず行うこと。 また宿題の問題を解いて次回の授業に備えること。(4時間) |
第8回 | 宇宙物理学と計算機 3(藤井)微分方程式を数値的に解く方法として、オイラー法やルンゲ・クッタ法を学ぶ。恒星の構造や進化にエネルギー輸送も取り入れたさらに詳しい方程式を数値的に解き、上記の解析解と比較する。 【事後学習】授業内容の復習をする。特に扱った例題の解き直しを必ず行うこと。 また宿題の問題を解いて次回の授業に備えること。(4時間) |
第9回 | 宇宙物理学と計算機 4(藤井)超新星残骸ガスなどのプラズマ中における放射輸送の方程式を理解する。解析解(拡散方程式)を求め、コンピュータによる可視化により理解を深める。 【事後学習】授業内容の復習をする。特に扱った例題の解き直しを必ず行うこと。 また宿題の問題を解いて次回の授業に備えること。(4時間) |
第10回 | 宇宙物理学と計算機 5(藤井)プラズマ中の放射輸送を光子のランダム・ウォークとしてモンテ・カルロ法によって数値的に解く方法を学ぶ。上記の解析解と比較する。 【事後学習】授業内容の復習をする。特に扱った例題の解き直しを必ず行うこと。 また宿題の問題を解いて次回の授業に備えること。(4時間) |
第11回 | コンピュータトモグラフィー1(高橋)コンピュータトモグラフィーの原理と応用事例を紹介しながら現状について説明する.紹介した事例の中で興味を持った事例について調査し,レポートを作成しながら原理を深める. 準備学習:トモグラフィーについて各自で事前に調べてまとめる(2時間) 復習学習:レポート作成をとおして授業内容を復習する(2時間) |
第12回 | コンピュータトモグラフィー2(高橋)コンピュータトモグラフィーの手法のである級数展開法と代数的な手法(ART)の数学的な背景を説明し,問題をモデル化し.コンピュータを使って解を求める手法について解説する. 準備学習:前回の講義内容について復習を行う(2時間) 復習学習:レポート作成をとおして授業内容を復習する(2時間) |
第13回 | コンピュータトモグラフィー3(高橋)コンピュータトモグラフィーの問題を解くために必要な数学的な手法(線形代数,一般化逆行列,特異値分解,サンプリング定理)や最小二乗法等の実験データ解析について解説する.逆問題を定式化する手法を理解する. 準備学習:前回の講義内容について復習を行う(2時間) 復習学習:レポート作成をとおして授業内容を復習する(2時間) |
第14回 | コンピュータトモグラフィー4(高橋)コンピュータトモグラフィーの基礎となるアベール変換の数学的は背景を説明し,数式化しコンピュータを使って求める手法について解説する.簡単な問題をアーベル変換を使って解くことによって理解を深める. 準備学習:前回の講義内容について復習を行う(2時間) 復習学習:レポート作成をとおして授業内容を復習する2時間) |
第15回 | コンピュータトモグラフィー5(高橋) レポート課題(アベール変換)の説明およびレポートの作成 準備学習:前回の講義内容について各自で復習する(2時間) 復習学習:レポート完成させ、期日までに提出する。(2時間) |
その他
教科書 |
ガイダンスまたは初回授業時に配布する
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参考書 |
中川 徹,小柳義夫 『最小二乗法による実験データ解析』 UP応用数学選書7 東京大学出版会 1987年 第5版
柳井晴夫,竹内 啓 『射影行列一般逆行列特異値分解』 UP応用数学選書10 東京大学出版会 1993年 第2版
岡本良夫 『逆問題とその解き方』 オーム社 1992年 第1版
藪下 信 『計算物理(I), (II)[4-8052-0159-2][4-8052-0181-9]』 現代の数理科学シリーズ 地人書館 1990年 第4版
特にありません。各回の講義内容については第1回目、第6回目、第11回目の講義時に各先生が作成した講義に関するレジメを配布する。
参考書については、各教員が紹介する.
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成績評価の方法 及び基準 |
各回出題される講義内容に関する課題レポートの内容を評価し総合的に判断して決める。 量子計算・量子暗号・ブロックチェーンと暗号通貨,宇宙物理学,コンピュタートモグラフィーに関する3つの講義に関する課題レポート3つを必ず提出すること。 担当者によっては、毎回レポート等を提出させる場合がある。(量子計算・量子暗号・ブロックチェーンと暗号通貨(第1〜5回)については授業内で実習を行いその結果を課題として授業終了時に提出することで成績評価とする。) |
質問への対応 | 講義内容については、講義後随時(各回の講義担当者が行う) 講義の運営全体に関することは世話人の高橋努まで |
研究室又は 連絡先 |
高橋 努 駿河台校舎 7号館 721A 室(全体の内容および第11回から第15回までの講義内容について) 山中雅則 駿河台校舎 8号館2階821H室(第1回から第5回までの講義内容について) 藤井紫麻見 駿河台校舎 8号館2階821F室(第6回から第10回までの講義内容について) |
オフィスアワー |
金曜 駿河台 12:10 ~ 13:20 高橋
火曜 駿河台 12:10 ~ 13:10 藤井
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学生への メッセージ |
担当者の都合で、授業計画の順番を変更する場合がある。CST-VOICEで連絡するので注意してください。 研究の現場では計算機が欠かせません。物理学の分野での使用法を理解し自分の手として使えるよう習熟してください。 |