2023年 理工学部 シラバス - 物理学科
設置情報
科目名 | 計測物理学 | ||
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設置学科 | 物理学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 高橋(努)・渡辺 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜1 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M51N |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 物理学実験における計測の方法について学び,物理現象を定量的に把握できる力を養う. 物理学実験Ⅲ,物理学プロジェクト実験,実験系の卒業研究で必要となる基礎的な計測法、データ解析法の原理を理解し,使用できる実践的な力を身につける。 |
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授業形態及び 授業方法 |
プロジェクターを用いた講義形式の授業を行う。1回から10回の講義では、毎回講義内容のノートを配布して、講義を受けながら必要と思われる内容を書き込みながら授業中に講義内容の成果物を作成し理解を深める。毎回、講義内容を理解を確認するレポートを課す。 |
履修条件 | これまで一般教育科目で学んだ物理学.専門教育科目で学んだ、力学,電磁気学,量子力学、物理実験学,原子物理学、熱学などの基礎知識を有することが望ましい. 物理学実験Ⅰ、物理学実験Ⅱを履修していることが望ましい. 先進的な計測法や解析手法を理解には,数学や数値解析などの知識も重要で,物理学科で開講されている関連科目、物理数学、コンピュータリテラシー、ネットワーク基礎論、数式・画像処理などの科目も履修しているとよい |
授業計画
第1回 | ガイダンス ①計測物理学について ②計測に関する基本的な考え方 (1)計測の手法 (2)計測器の性能 (3)計測器が計測に与える影響 (4)計測データの処理法 【事前学習】特になし.物理学実験1,Ⅱの指導書(教科書)を用意する.(講義内容は, 各テーマの原理についての説明から出発する。) 【事後学習】授業時に提示する問題について解くことにより講義の内容を復習する.60分 |
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第2回 | 計測器の応答特性の考え方1(等価回路とそのモデル) ①計測器のモデル化 ②計測器の等価回路 ③等価回路と回路方程式(微分方程式) ④微分方程式とモデル 【事前学習】物理学実験1,Ⅱの指導書(教科書)12インピーダンスと伝送特性をよく読んで,回路素子の性質をまとめる. 物理学インセンティブで使用した教科書の微分方程式の解き方を復習する. 120分 【事後学習】授業時に提示する問題について解くことにより講義の内容を復習する. 120分 |
第3回 | 計測器の応答特性の考え方2(周波数特性と過渡特性) ①過渡特性の考え方 ②ラプラス変換と過渡特性 ③伝達関数 【事前学習】14「LCR回路の過渡特性と周波数特性」をよく読んで, LCR回路の過渡特性の考え方をまとめる.(60分) 【事後学習】授業時に提示する問題について解くことにより講義の内容を復習する.(120分) |
第4回 | 計測器の応答特性の考え方3(周波数特性と過渡特性) ①周波数特性の考え方 ②フーリエ変換と周波数特性 ③ボーテ図 ④微分回路と積分回路 【事前学習】14「LCR回路の過渡特性と周波数特性」をよく読んで, LCR回路の周波数特性をまとめる. ボーテ図, 微分回路, 積分回路についてまとめる.(120分) 【事後学習】授業時に提示する問題について解くことにより講義の内容を復習する.(120分) |
第5回 | デジタル計測の基礎 ①アナログーデジタル変換 ②ナイキストのサンプリング定理とエイリアス ③分解能と量子化誤差 ⑤同軸ケーブルの取り扱い(集中定数回路と分布定数回路) 【事前学習】31. コンピュータによる物理計測, 12. インピーダンスと伝送特性をよく読んで、AD変換器の原理、ナイキストのサンプリング定理,分解能,量子化誤差についてまとめる. 【事後学習】授業時に提示する問題について解くことにより講義の内容を復習する.(120分) |
第6回 | 磁場の計測方法の考え方 ①ホール素子による磁場計測 ②磁気探針による磁場計測 【事前学習】物理学実験Ⅰ,Ⅱ,Ⅲで用いた実験指導書の6「ソレノイドとヘルムホルツコイルの作る磁場」11「半導体の電気抵抗とホール効果、14 「LCR回路の過渡特性と周波数特性」20「ファラデー効果」をよく読んで、ホール素子,磁気探針、積分・微分回路についてまとめる(60分) 事後学習:授業時に提示する問題について解答を作成することによりホール素子、磁気探針による磁場測定法を復習する(120分) |
第7回 | レーザー光を用いた計測方法 ①レーザー光を用いた計測の基礎 ②レーザー干渉計 ③ファラーデー効果を用いた磁場計測 【事前学習】物理学実験Ⅰ,Ⅱ,Ⅲで用いた実験指導書の20「ファラデー効果」21「マイケルソン干渉計」をよく読んで,誘電体中の電磁波の伝搬について調べる。17.レーザー光の偏光と回折を読んで,レーザー発振、偏光、回折についてまとめる.(120分) 【事後学習】授業時に提示する問題について解くことにより講義の内容を復習する.(120分) |
第8回 | 光学計測の基礎 ①線スペクトルと連続光および分光記号 ②分光計測の原理と基本(プリズム分光器、回折格子分光器) ③光の検出器(フォトダイオード、光電子増倍管など) 【事前学習】物理学実験Ⅰ,Ⅱ,Ⅲで用いた実験指導書の22「線スペクトルとリュードベリ定数」29「The Photoelectric Effect」を調べ,線スペクトル,プリズム分光器,回折格子分光器,光電管(光検出器)について調べる.(60分) 【事後学習】授業時に提示する問題について解答を作成することにより分光計測の原理を復習する.(120分) |
第9回 | プラマ研究を題材とした物理計測の解説(光学計測) プラズマの分光計測 ①プラズマとその発光測定(プラズマ内の原子分子過程と分光計測) ②発光のモデル化 ③イオン温度計測 【事前学習】物理学実験Ⅰ,Ⅱ,Ⅲで用いた実験指導書の22「線スペクトルとリュードベリ定数」29「The Photoelectric Effect」を調べ,線スペクトル,プリズム分光器,回折格子分光器,光電管(光検出器)について調べる(60分) 【事後学習】授業時に提示する問題について解答を作成することによりプラズマ分光計測の原理を復習する(120分) |
第10回 | 放射線計測の基礎 ①放射線計測の基礎 ②放射線計測器の原理 ③α,β,γ線計測 【事前学習】28.放射性物質の崩壊, 30.Interactions of Alphas and Gammas with Matterをよく読んで,放射線計測法,計測器の原理をまとめる。 【事後学習】授業時に提示する問題について解答を作成することにより放射線計測の基本を復習する(120分) |
第11回 | 超伝導研究を題材とした物性測定手法の解説 その1:超伝導とは? 超伝導について予習する(120分)。 講義内容を復習する(120分)。 |
第12回 | 超伝導研究を題材とした物性測定手法の解説 その2:超伝導発見の測定ツール(X線回折、電気抵抗率、磁化) 予習として前回の講義内容を再度復習する(120分)。 講義内容を復習する(120分)。 |
第13回 | 超伝導研究を題材とした物性測定手法の解説 その3:エキゾチック超伝導とは? 予習として前回の講義内容を再度復習する(120分)。 講義内容を復習する(120分)。 |
第14回 | 超伝導研究を題材とした物性測定手法の解説 その4:超伝導の発現機構を研究する測定ツール(比熱、光電子分光、走査型トンネル分光) 予習として前回の講義内容を再度復習する(120分)。 講義内容を復習する(120分)。 |
第15回 | 演習超伝導分野の平常試験とその解説,演習 試験勉強をする(120分)。 試験内容を復習する(120分)。 |
その他
教科書 |
教科書は特に指定しません。
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参考書 |
兵藤申一 『物理実験者のための13章』 東京大学出版会
プラズマ・核融合学会編 『プラズマ診断の基礎』 名古屋大学出版会 1990年 第初版版
物理学実験Ⅰ, 物理理学実験Ⅱ, 物理学実験Ⅲで使用した「専門過程物理学実験」高野良紀,浅井朋彦,B.Zulkovskey編 改訂版にある関連実験の項目を参照すると講義内容の理解の助けになる。
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成績評価の方法 及び基準 |
第1回から10回の講義については、各回の授業内で課するレポートを10点満点で評価し、100点満点で評価する。 全て受験しない場合はE判定となる。 |
質問への対応 | 各回の講義内容に関する質問は,各講義の担当者に質問すること 授業全体に関する質問は高橋まで |
研究室又は 連絡先 |
高橋:(駿河台7号館721A室・takahashi.tsutomu@nihon-u.ac.jp) 渡辺:(駿河台7号館711B室・tadataka@phys.cst.nihon-u.ac.jp) |
オフィスアワー |
月曜 駿河台 15:00 ~ 16:00 渡辺:駿河台7号館711B室
金曜 駿河台 12:00 ~ 13:00 高橋:駿河台校舎7号館721A室
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学生への メッセージ |
担当者の都合で、講義の順番(第1回から第10回, 第11回から第15回)が変わる場合もあるので注意する。 |