2023年 理工学部 シラバス - 数学科
設置情報
科目名 |
微分積分学A
数列・関数の極限、連続関数の理論
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設置学科 | 数学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 水野 将司 | 履修期 | 前期 |
単位 | 4 | 曜日時限 | 木曜1・2 木曜3・4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | N41A N43B |
クラス | 1年生1クラスはN41A.2クラスはN43B.2年生以上はクラスによる履修制限はありません. | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 極限を厳密に扱うためのイプシロン-デルタ論法と呼ばれる方法を用いて,高校で学んだ極限に関する様々な定理・公式(はさみうちの定理,中間値の定理やWeierstrassの定理)の導出を説明できるようになる.イプシロン-デルタ論法による数列、関数の極限や関数の連続性の証明をかけるようになる. 本授業科目はDP1・3及びCP1・3に該当しています. |
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授業形態及び 授業方法 |
対面授業 授業,例題解説,問題練習などを行います. |
履修条件 | 高校までで学ぶ数学をしっかり身につけていることが必要です. 特に以下の内容はよく復習しておいてください. 式の計算,不等式,三角関数,指数関数,極限の計算,数列 |
授業計画
第1回 | 大学の微分積分への導入 : 数列の極限と関数の連続性 【事前学習】数列の極限と関数の極限の高校教科書の内容を復習する(3時間) 【事後学習】数列の極限・関数の極限の計算手法を復習する(5時間) |
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第2回 | 数の基本性質 【事前学習】自然数・整数・有理数・実数・複素数の違いを考える(3時間) 【事後学習】Archimedesの原理とCantorの公理を確認し,論理記号で書けるようにする(5時間) |
第3回 | 数列の極限 その1 【事前学習】論理記号の書き方を確認する(3時間) 【事後学習】数列の極限の定義とその定義に基づいた数列の極限の証明の書き方を復習する(5時間) |
第4回 | 数列の極限 その2 【事前学習】数列の収束についての定義を確認する(3時間) 【事後学習】数列の収束についての定義に基づいた,極限の性質の証明を復習する(5時間) |
第5回 | Weierstrassの定理と上限・下限 【事前学習】Archimedesの原理とCantorの公理を復習する(3時間) 【事後学習】上限と下限の定義とその定義に基づいた証明の書き方を復習する(5時間) |
第6回 | 単調数列・Bolzano–Weierstrassの定理 【事前学習】数列の収束についての定義を確認する(3時間) 【事後学習】数列の収束の十分条件を確認し,どのように使うかを復習する(5時間) |
第7回 | Cauchyの収束判定条件 【事前学習】Cauchy列についての定義を確認し,教科書を読む(3時間) 【事後学習】Cauchy列の定義と実数の完備性,実数と有理数の違いについて復習する(5時間) |
第8回 | 授業内試験とその解説 【事前学習】これまでの数列の極限に関する諸知識の復習をする(3時間) 【事後学習】授業内試験で間違えた問題の復習をする(5時間) |
第9回 | 関数と写像 【事前学習】関数,写像について教科書を読む(3時間) 【事後学習】像と逆像,逆三角関数の計算手法を復習する(5時間) |
第10回 | 関数の極限 【事前学習】関数の極限について教科書を読む(3時間) 【事後学習】関数の収束・発散の定義とその定義に基づいた証明の書き方を復習する(5時間) |
第11回 | 関数の極限と四則演算 【事前学習】関数の極限の定義を復習する(3時間) 【事後学習】関数の極限の定義に基づいた,極限の四則演算の証明を復習する(5時間) |
第12回 | 連続関数 【事前学習】関数の連続について,教科書を読む(3時間) 【事後学習】関数が連続であることの定義とその定義に基づいた証明の書き方を復習する(5時間) |
第13回 | 最大値最小値の定理・中間値の定理 【事前学習】中間値の定理,有界閉区間上の最小値・最大値の存在について教科書を読む(3時間) 【事後学習】中間値の定理,有界閉区間上の最小値・最大値の存在とその使い方を復習する(5時間) |
第14回 | 一様連続 【事前学習】一様連続について教科書を読む(3時間) 【事後学習】一様連続の定義と定義に基づいた証明の書き方を復習する(5時間) |
第15回 | 上極限と下極限 【事前学習】上極限と下極限の定義を確認する(3時間) 【事後学習】上極限と下極限の定義とその使い方を復習する(5時間) |
その他
教科書 |
難波誠 『微分積分学 [ISBN 978-4785314088]』 数学シリーズ 裳華房 1996年
寺田 文行, 坂田 ひろし 『新版 演習微分積分 [ISBN 978-4781912288]』 新版演習数学ライブラリ サイエンス社 2009年
教科書について,2023年度入学生は配布するので,各自で購入する必要はありません.再履修生については,「微分積分学」がなくても対応ができるようにしますが,「新版 演習微分積分」は各自で購入してください.
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参考書 |
高木貞治 『定本解析概論 [ISBN 978-4000052092]』 岩波書店 2010年
小林昭七 『微分積分読本 [ISBN 978-4785315214]』 裳華房 2000年
田島一郎 『解析入門 [ISBN 978-4000211086]』 岩波書店 1981年
飯高茂 『微積分と集合そのまま使える答えの書き方 [ISBN 978-4061539570]』 講談社 1999年
上記4冊は,講義では必要としません.希望者が各自購入して下さい.
「定本解析概論」(高木)は難しいですが古今の名著です.
「微分積分読本」(小林),「解析入門」(田島),「微積分と集合そのまま使える答えの書き方」(飯高)は,主に一変数の微分積分学について,自学自習,勉強会等にも使えるでしょう.
その他の参考書は講義中に紹介します.
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成績評価の方法 及び基準 |
授業内課題 40%、授業内試験 30%、定期試験 30% |
質問への対応 | 随時 |
研究室又は 連絡先 |
タワースコラ 14階 S1408 http://www.math.cst.nihon-u.ac.jp/~mizuno/lecture.html mizuno.masashi atmark nihon-u.ac.jp (atmarkは@にかえてください) |
オフィスアワー |
木曜 船橋 12:10 ~ 13:00 10号館1023教室
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学生への メッセージ |
みなさんが学んでこられた高校の微分積分は実はかなりのレベルです.しかし,その土台となっている,微分積分学の基本定理は実数とは何か?にまで通ずる奥の深い定理です.この講義では実数とは何か,どのような性質をもっているのか?について説明をします. |