2023年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 | 感性芸術学 | ||
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 奥波 一秀 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | Q13N |
クラス | 1年生は、精機・航宇・電気 のみ。2年生以上は学科による履修制限はありません。 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 文化・芸術概念の多用な意味、文化現象としての芸術の問題について理解を広め・深めるとともに、文化を超えてコミュニケートすることの必要性・困難、面白さについて考えることができる。芸術、民俗学、歴史学、社会学、政治学、経済学等、インターディプナリーな「視点」のとりかたができるようになる。 ※本授業科目はDP1・2・3・4・6及びCP1・2・3・4・6に該当しています。 |
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授業形態及び 授業方法 |
オンデマンド型授業。 プリント・視覚教材等を適宜利用しながら講義を行う。毎回講義終了後にレスポンスカードを書いてもらい、そこで出された疑問・要望等を(次の)講義にフィードバックさせていく。受講者の問題意識や講義の進度に合わせて、授業計画に一部変更が生じる場合もある。 |
履修条件 | 環境ライフサブメジャー・コース設置科目。中学程度の日本史・世界史の知識が望ましい。 |
授業計画
第1回 | ガイダンス:本科目「感性芸術学」の目標・具体的な問いと探究方法・他の教養教育科目との関係・次回までの課題について 【事前学習】この科目のシラバスを事前に熟読しておくことはもちろん、教養教育科目のシラバスをよく読んだうえで、「文化とはそもそもなにか」という問いについて、あらかじめ自分なりに考えておくこと。(120分) 【事後学習】 授業後、図書館に足を運び、授業内で与えられた課題をさらに考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。(120分) |
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第2回 | 「日本文化」とはなにか、という問いをとおして、より具体的に、「文化」について考察していく。 【事前学習】「日本文化」に関する一般的なイメージ・言説を調べる。(120分) 【事後学習】授業後、図書館に足を運び、授業内で与えられた課題をさらに考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。(120分) |
第3回 | 文化の多様性と、文化相対主義の問題を、世界遺産という制度に関する規定やその指定をめぐる問題などを例に、考えていく。 【事前学習】日本にある世界遺産のどれかについて調べてみる。(120分) 【事後学習】授業後、図書館に足を運び、授業内で与えられた課題をさらに考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。(120分) |
第4回 | 文化のユニットはなにか、文化の差異をなす境界はなにか、という問いについて、身近な具体例に沿って考えていく。 【事前学習】自分の地元(よく知っている地域)の「文化」について、紹介するとしたら、どうなるか、考えてみる。(120分) 【事後学習】授業後、図書館に足を運び、授業内で与えられた課題をさらに考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。(120分) |
第5回 | 「日本人とはだれか」という問いを通して、文化と「国家」の関係について考える。 【事前学習】「日本人」とはどういうひとのことか、自分なりの考えをまとめておく。(120分) 【事後学習】授業後、図書館に足を運び、授業内で与えられた課題をさらに考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。(120分) |
第6回 | 日本各地の祭りをとりあげ、日本内部の多様性と、信仰と文化との関連について理解を深める。 【事前学習】自分の地元(よく知っている地域)の祭りとその由来等について調べる。(120分) 【事後学習】授業後、図書館に足を運び、授業内で与えられた課題をさらに考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。(120分) |
第7回 | 習俗や信仰は、固定・孤立したものではなく、そもそもの成立時から現在にいたるまで、さまざまな現実と相互作用していることを、神社の成り立ちなどに即して考察する。 【事前学習】自分の地元(よく知っている地域)の神社の由緒、主祭神について調べる。(120分) 【事後学習】授業後、図書館に足を運び、授業内で与えられた課題をさらに考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。(120分) |
第8回 | 駿河台キャンパスからほど近くにある神田神社の成り立ちと変遷を確認することを通して、宗教や伝統が、そのつどの政治・社会状況とどのように連動しているか、考察する。 【事前学習】日本史上の「平将門」について大まかに調べる。(120分) 【事後学習】授業後、図書館に足を運び、授業内で与えられた課題をさらに考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。(120分) |
第9回 | 駿河台キャンパスから千代田線沿いに北上した先にある湯島・根津の神社、さらに南千住(素戔嗚神社)の神社を例に、江戸から明治における宗教政策の転換についての理解を深める。 【事前学習】江戸時代までの日本の宗教は、どのようなものだったか、調べる。(120分) 【事後学習】授業後、図書館に足を運び、授業内で与えられた課題をさらに考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。(120分) |
第10回 | 明治初期の宗教政策としての神仏分離について考察する。随伴した「廃仏毀釈」の痕跡を、浅草寺、鶴ヶ丘八幡宮から、地方、とくに鹿児島の事例で確認する。 【事前学習】自分の地元(よく知っている地域)神社について、神仏分離の影響がどのようなものだったか、調べる。(120分) 【事後学習】授業後、図書館に足を運び、授業内で与えられた課題をさらに考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。(120分) |
第11回 | 神社の伝統や歴史において、土着/外来の要素が、そのつどどのように理解され、あるいは評価されてきたか、京都の事例や高麗神社を中心に考察する。 【事前学習】奈良時代までの日本史、とくに大陸・朝鮮半島との関係について調べる。(120分) 【事後学習】授業後、図書館に足を運び、授業内で与えられた課題をさらに考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。(120分) |
第12回 | 音楽のような芸術活動が、民族・人種の問題によってどのように影響されるか。とくに政治的な問題とどのように関連しうるか、ナチ期に活躍した指揮者フルトヴェングラーの例に即して考察する。 【事前学習】第一次世界大戦後のドイツ、つまりヴァイマル共和国とナチ・ドイツの歴史いついて調べる。(120分) 【事後学習】授業後、図書館に足を運び、授業内で与えられた課題をさらに考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。(120分) |
第13回 | 3.1.独立運動や光化門事件などへの柳宗悦のかかわりかたに即して、政治と文化・芸術の関係についての理解を深める。 【事前学習】朝鮮併合、3.1.独立運動、光化門事件について大まかに調べる。(120分) 【事後学習】授業後、図書館に足を運び、授業内で与えられた課題をさらに考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。(120分) |
第14回 | 政治と文化・芸術のかかわりについて、どのような考え方、あるいはどのような振る舞いがありうるか。3.1.独立運動や光化門問題に関する柳宗悦のテキストを丁寧に読み解きながら考察する。 【事前学習】朝鮮半島と日本の間での文化上の影響関係について調べる。(120分) 【事後学習】授業後、図書館に足を運び、授業内で与えられた課題をさらに考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。(120分) |
第15回 | まとめ:14回の講義において触れた、具体的事例をふりかえりつつ、「文化」にかんする諸問題を再確認し、講義全体の総括とする。 【事前学習】これまでの講義において出てきた諸問題に関して自らの考察を深める。(120分) 【事後学習】授業後、図書館に足を運び、授業内で与えられた課題をさらに考察するために参照すべき文献(複数)を自ら探し、それらを批判的に読みながら、自分の考察を次回までにまとめておくこと。(120分) |
その他
教科書 | |
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参考書 |
奧波一秀 『クナッパーツブッシュ[ISBN-13 : 978-4622042655]』 みすず書房 2001年
奧波一秀 『フルトヴェングラー[ISBN-13 : 978-4480015167]』 筑摩書房 2011年
文化・芸術と政治の交錯がもたらす問題の難しさを、音楽家・指揮者の事例に即して理解してほしい。
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成績評価の方法 及び基準 |
平常点・レポート等で評価する。評価のポイントは、最低限の基本的な事実認識をふまえているか、感性芸術学にまつわる諸問題をきちんと消化し・みずから思考しているかどうか、適切に表現できるか、以上の三点である。 ※新型コロナウイルスの影響に伴い変更の可能性がある。変更の場合は授業時に伝達する。 |
質問への対応 | okunami.kazuhide20@nihon-u.ac.jp に連絡・質問すること。 |
研究室又は 連絡先 |
okunami.kazuhide20@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
民俗学、歴史学、社会学、政治学、経済学等、さまざまな学問の視点を頼りに、「文化・芸術」という現象・鋭意の捉え方の難しさ、面白さに迫ってみます。そうした「視点」の持ちかたを少しでもマスターし、世界を広く・深く見る目を養ってください。 |