2023年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 |
熱とエントロピーの物理学
熱現象の物理入門
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 鈴木 徳一 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜5 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | S35K |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 物質は膨大な個数の原子、分子から成り立っている。個々の粒子の運動は複雑であるが、統計的観点からみると、非常にシンプルな巨視的法則が存在する。これが熱力学と呼ばれる物理法則体系である。本講座では、この理工系物理学の基礎のひとつである、熱力学の習得を目標とする。 本授業科目はDP1・3及びCP1・3に該当しています。 |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 理論の数学的側面と物理的側面のバランスをとりながら、この分野への入門となるよう留意して講義を進める。適宜、演習を行い、深い理解に到達できるようにする。 |
履修条件 | 共通基礎選択。微分積分学、力と運動の物理学I、もしくは物理学Iを履修していることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | ガイダンスと熱力学の発展史。 理工学部で物理学を学ぶ中での「熱力学」の位置づけ。 【事前学習】第1回目の内容について、参考書を用いて予習しておくこと。(60分) 【事後学習】課題、講義ノート、参考書、講義動画を用いて、第1回目の内容について復習しておくこと。(180分) |
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第2回 | 熱平衡と温度(熱力学第0法則)。熱運動と温度。 【事前学習】第2回目の内容について、参考書を用いて予習しておくこと。(60分) 【事後学習】課題、講義ノート、参考書、講義動画を用いて、第2回目の内容について復習しておくこと。(180分) |
第3回 | 状態変数と状態方程式。理想気体。 理想気体の状態方程式の実験結果からの導出。 【事前学習】第3回目の内容について、参考書を用いて予習しておくこと。(60分) 【事後学習】課題、講義ノート、参考書、講義動画を用いて、第3回目の内容について復習しておくこと。(180分) |
第4回 | 理想気体の状態方程式の理論的導出。ドルトンの分圧の法則。 力学の復習(ニュートンの運動の3法則、力積と運動量)。 【事前学習】第4回目の内容について、参考書を用いて予習しておくこと。(60分) 【事後学習】課題、講義ノート、参考書、講義動画を用いて、第4回目の内容について復習しておくこと。(180分) |
第5回 | 熱力学第1法則(仕事、内部エネルギー、熱量)。 準静的過程。状態量の定義。 内部エネルギーが状態量であること。仕事が状態量でないこと。 理想気体の内部エネルギー。 【事前学習】第5回目の内容について、参考書を用いて予習しておくこと。(60分) 【事後学習】課題、講義ノート、参考書、講義動画を用いて、第5回目の内容について復習しておくこと。(180分) |
第6回 | 熱力学第1法則。熱源(熱浴)に接触する系。 様々な準静的過程(等温過程、定圧過程、定積過程)。熱量が状態量でないこと。 トピックス:マイヤーが熱力学第1法則の着想に至るまで。 【事前学習】第6回目の内容について、参考書を用いて予習しておくこと。(60分) 【事後学習】課題、講義ノート、参考書、講義動画を用いて、第6回目の内容について復習しておくこと。(180分) |
第7回 | 熱容量と比熱。第1法則の理想気体への応用。 定積モル比熱と定圧モル比熱をなぜ導入するのか。 偏微分と全微分。 【事前学習】第7回目の内容について、参考書を用いて予習しておくこと。(60分) 【事後学習】課題、講義ノート、参考書、講義動画を用いて、第7回目の内容について復習しておくこと。(180分) |
第8回 | 多原子分子理想気体。エネルギー等分配則の紹介。 準静的断熱過程と第1法則。ポアソンの関係式。 【事前学習】第8回目の内容について、参考書を用いて予習しておくこと。(60分) 【事後学習】課題、講義ノート、参考書、講義動画を用いて、第8回目の内容について復習しておくこと。(180分) |
第9回 | カルノーサイクルと熱機関の効率。 ジュール・トムソン過程。 【事前学習】第9回目の内容について、参考書を用いて予習しておくこと。(60分) 【事後学習】課題、講義ノート、参考書、講義動画を用いて、第9回目の内容について復習しておくこと。(180分) |
第10回 | 熱力学第2法則。 可逆過程と不可逆過程。クラウジウスの原理とトムソンの原理。 【事前学習】第10回目の内容について、参考書を用いて予習しておくこと。(60分) 【事後学習】課題、講義ノート、参考書、講義動画を用いて、第10回目の内容について復習しておくこと。(180分) |
第11回 | クラウジウスの不等式(第2法則の数学的表現) 熱機関の効率。可逆熱機関。熱力学的温度。 【事前学習】第11回目の内容について、参考書を用いて予習しておくこと。(60分) 【事後学習】課題、講義ノート、参考書、講義動画を用いて、第11回目の内容について復習しておくこと。(180分) |
第12回 | エントロピー(1) エントロピーが状態量であること。様々な準静的過程におけるエントロピー変化。 【事前学習】第12回目の内容について、参考書を用いて予習しておくこと。(60分) 【事後学習】課題、講義ノート、参考書、講義動画を用いて、第12回目の内容について復習しておくこと。(180分) |
第13回 | エントロピー(2) カルノーサイクルにおけるエントロピー。 示量変数と示強変数。不可逆過程におけるエントロピー変化(エントロピー増大の法則)。 カラテオドリの原理。 【事前学習】第13回目の内容について、参考書を用いて予習しておくこと。(60分) 【事後学習】課題、講義ノート、参考書、講義動画を用いて、第13回目の内容について復習しておくこと。(180分) |
第14回 | エントロピー(3) 不可逆過程とエントロピーの確率論的意味。 ボルツマンエントロピー。様々なエントロピー変化のマクスウェル分布による定性的考察。 【事前学習】第14回目の内容について、参考書を用いて予習しておくこと。(60分) 【事後学習】課題、講義ノート、参考書、講義動画を用いて、第13回目の内容について復習しておくこと。(180分) |
第15回 | 平常試験及びその解説 【事前学習】第1回目から第14回目の内容の学修(240分) |
その他
教科書 |
指定しない。適宜資料を配布。
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参考書 |
戸田盛和 『熱・統計力学』 物理入門コース 岩波書店
エンリコ・フェルミ 『フェルミ熱力学』 三省堂 1973年
朝永振一郎 『物理学とは何だろうか 上、 下』 岩波書店
原島 鮮 『熱学演習―熱力学』 基礎物理学選書 (18) 裳華房
原島鮮 『熱力学・統計力学』 培風館
砂川重信 『熱・統計力学の考え方』 物理の考え方 岩波書店
藤原邦男 『熱学入門』 東京大学出版会
菊川芳夫 『熱力学』 講談社
松下 貢 『物理学講義 熱力学』 裳華房
三宅哲 『熱力学』 裳華房
押田 勇雄、 藤城 敏 『熱力学』 基礎物理学選書 裳華房
妹尾学 『熱力学』 サイエンス社
国友正和 『基礎 熱力学』 共立出版
テル・ハール、ヴェルゲランド 『基礎熱力学』 岩波書店
リチャード・ファインマン 『ファインマン物理学(光、熱、波動)』 岩波書店
松平升、大槻義彦、和田正信 『理工教養 物理学I,II』 培風館
ランダウ、アヒエゼール、リフシッツ 『物理学ー力学から物性論までー』 岩波書店
Sadi.Carnot (広重徹 訳) 『カルノー・熱機関の研究』 みすず書房
マックス・ボルン 『原因と偶然の自然哲学』 みすず書房
山本義隆 『熱学思想の史的展開 1~3』 筑摩書房
ハイゼンベルグ 『量子論の物理的基礎』 みすず書房
和達三樹 『物理のための数学』 物理入門コース 岩波書店
安達忠次 『ベクトル解析』 培風館
ジョージ.ブラウン・アルフケン, ハンス.J・ウェーバー他 『基礎物理数学1~4』 講談社
マージナウ・マーフィー 『物理と化学のための 数学I,II(改訂版)』 共立出版
糸井千岳、糸井充穂、鈴木正 『明解 熱力学』 共立出版 2023年
他の参考書については授業中に指示する。
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成績評価の方法 及び基準 |
平常試験(6割程度)及び平常点(4割程度)による。 通常の授業への取り組みかた(毎回の授業復習用レポート課題の提出状況と内容)を“重視”する。 |
質問への対応 | オフィスアワー:水曜日 午後0時15分~午後1時15分(1号館 2階 122B室)。 その他、おもに、月、水曜日に質問を受け付けます。 質問用メールアドレスは、講義時にお知らせします。 |
研究室又は 連絡先 |
1号館・2階・122B研究室 |
オフィスアワー |
水曜 船橋 12:15 ~ 13:15
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学生への メッセージ |
必ず毎回授業に出席すること。授業に出席する際、必ず自分の手でノートをとること。レポート提出後も復習をすること。 |