2023年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 |
知的財産権論
特許権・実用新案権・意匠権・商標権・知財条約・著作権の基礎
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 2年 |
担当者 | 三村 淳一 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 土曜6 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | T66N |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 本授業科目はDP1・2及びCP1・2に該当しています。 どの様な知的財産が権利化できるのか、それぞれがどの様な権利が与えられるのかを説明することができ、現在、知的財産法の分野でどのような問題が起きているのか関心を持つことが目標です。 |
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授業形態及び 授業方法 |
オンデマンド型授業:Google Classroomを利用して、オンデマンド形式で行います。 講義では、各法毎に、法目的などの基本的な解説から始め、さらに、PPTを用いることにより視覚を通じて法律の理解を深めるような工夫をしています。一方で、扱う法が多岐に渡るため、事前の学習準備は必須です。授業では条文を参照することが多いので、工業所有権法令集(アプリでも可)を持参することを強くお勧めします。 また、特許出願実務経験を通じ、例えば、学生個々に実際に特許庁のデータベースにアクセスさせ、特定の発明の特許法上の発明要件の充足性について考える等を授業に取り入れています。 |
履修条件 | 社会コミュニケーションサブメジャーコースの修了に必要な科目です。 |
授業計画
第1回 | 授業内容:特許法(1):知的財産権法の概要 事前学修(120分):参考書P1-36を事前に読んでおく。知的財産権にはどの様な法律があるのか理解する。 事後学修(120分):今まで自己が考えてきた無体財産はどの様な法律で守られているのか認識する。また、知財の現状を理解し、今後、日本はどの様な方向に進むべきか考える。尚、以下、特に重要な部分については特記しているが、基本的には、教科書にて対応する講義主題を確認する。 |
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第2回 | 授業内容:特許法(1):特許法の目的及び特許権成立までの概略 事前学修(120分):参考書P41-42を事前に読んでおく。なぜ特許法が制定されたのか理解する。特許法が無かった場合の世界を想像する。参考書P86-89を事前に読んでおき、特許成立までの流れの概略を理解する。 事後学修(120分):特許法1条の各用語の意味を再確認する。特許成立までの流れにおいて、各段階での手続きの内容を教科書で確認する。 |
第3回 | 授業内容:特許法(2):特許要件(発明性、産業上の利用可能性) 事前学修(120分):参考書P43-45, 66を事前に読んでおく。一般的に使用されている「発明」と特許法で規定する「発明」の意味の相違を理解する。特許成立に必要である「産業上の利用性」を理解する。 事後学修(120分):授業内で、特定の分野において、特許庁に出願されているアイデアが、法上の発明にあたるか否かをレポートする宿題を実施する。 |
第4回 | 授業内容:特許法(3):特許要件(新規性、進歩性) 事前学修(120分):参考書P67-69を事前に読んでおく。新規であるとどういう状況をいうのか理解する。また、新しい発明をしても、従来のものから容易に発明できるものは特許とはならないという進歩性の判断基準を理解する。 事後学修(120分):新しさの時間的・地域的基準や公然の意味など、教科書で確認する。 |
第5回 | 授業内容:特許法(4):新規性喪失の例外及び不特許事由 事前学修(120分):参考書P68を事前に読んでおく。新規ではない状態となっても一定条件のもと、新規性を失わない場合はどの様な場合であるか、理解をしておく。参考書P71を事前に読んでおく。上記の要件を満足しても、特許化すべきではない発明がある。どの様な発明が、特許化すべきではないのか、またその理由は何であるか、学習しておく。 事後学修(120分):通常、新規性を喪失した発明は特許化が不可能であることは、研究者は知っているはずであるが、どの様な場合に、この規定の適用を受けることになるのか、考えてみる。授業で取り上げていない事例なども、自己で考えて、結論を導く。 |
第6回 | 授業内容:特許法(5):先願主義と拡大された先願の地位 事前学修(120分):参考書P70を事前に読んでおく。先願主義とは何かを理解する。同一の発明が同日に時間を異にして出願された場合の取り扱いが、異日出願お場合と異なる点を十分に理解しておく。同ページのコラム内の説明も事前に読んでおく。特に、「拡大された先願の地位」は、理解が難しい規定であるため、繰り返し読み、規定の内容を理解する。 事後学修(120分):先願主義と先発明主義に比べ、日本が採用する先願主義には、どの様な利点があるか考える。また、先発明主義を採用していた国の制度を教科書で確認する。本規定の条文である29条の2について、授業後の再度読み返し、規定の内容と条文の文言を確認する。 |
第7回 | 授業内容:特許法(6):出願公開制度と補償金請求権 事前学修(120分):参考書P93を事前に読んでおく。出願公開の要件及び補償金請求権の要件及び内容を理解する。 事後学修(120分):教科書にて講義内容を確認する。 |
第8回 | 授業内容:特許法(7):特許権の効力と効力が及ばない範囲 事前学修(120分):参考書P92, 173を事前に読んでおく。特に特許権者はどの様なことを独占排他的に行えるのか理解する。特許法69条(効力制限)、間接侵害規定(101条)を事前に読んでおき、どのような規定であるか、理解しておく。 事後学修(120分):消尽説を教科書を利用し理解する。又、「グアニジノ安息香酸誘導体III上告審」 平成10(受)153を読み、69条1項の理解を深める。 |
第9回 | 授業内容:特許法(8):職務発明 事前学修(120分):参考書P83を事前に読んでおく。職務発明とは何か、権利の原始的帰属は、従業員なのか、それとも雇用者になるのかを十分理解する。 事後学修(120分):旧法との比較を行い、改正点を整理するとともに、改正法の課題を考える。 |
第10回 | 授業内容:実用新案法:権利取得までの概略、技術評価書、特許法との相違 事前学修(120分):参考書P98-101を事前に読んでおく。特に、権利行使に必要である技術評価書はどの様なものであるか理解する。 事後学修(120分):教科書を利用し、特許制度との相違を理解する。 |
第11回 | 授業内容:条約:パリ条約と特許協力条約 事前学修(120分):参考書P94-102を事前に読んでおく。外国で特許を取得する意義、取得方法について理解する。 事後学修(120分):教科書にて講義内容を確認する。 |
第12回 | 授業内容:意匠法:概要、登録要件、特殊な意匠 事前学修(120分):参考書P103-126を事前に読んでおく。意匠法の保護対象、取得要件、意匠権の効力などを理解しておく。 事後学修(120分):教科書にて講義内容を確認する。 |
第13回 | 授業内容:商標法:概要、登録制度、マドリッドプロトコル 事前学修(120分):参考書P127-157を事前に読んでおく。商標法の保護対象、取得要件、商標権の効力などを理解しておく。 事後学修(120分):教科書にて講義内容を確認する。 |
第14回 | 授業内容:著作権法:概要、著作権、著作権の制限、著作隣接権、二次的著作物 事前学修(120分):参考書P178-185を事前に読んでおく。著作権の種類、支分権を理解した上で、著作権が及ばない範囲を理解する。また、著作隣接権の内容についても、理解する。 事後学修(120分):教科書にて講義内容を確認する。特に著作権に関しては、新聞等で取り上げることが多いので、その様な記事に触れた際は、法的な観点から記事を読んでみる。 |
第15回 | 授業内容:まとめ及び授業内試験 事前学修(120分):特許・実用新案・意匠・商標・条約。著作権に関する講義を振り返り、疑問点を洗い出し、教員に積極的質問する内容をまとめる。 事後学修(120分):授業内試験のフィードバックを行うので、間違えた点をさらに教科書を用いて確認する。 |
その他
教科書 |
茶園成樹「知的財産法入門」(第3版) 有斐閣 [ISBN-13 : 978-4641243422]
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参考書 |
工業所有権情報・研修館 「産業財産権標準テキスト(総合編)第5版」 [ISBN-13 : 978-4827112948]
※極めて初級用
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成績評価の方法 及び基準 |
講義最終日に行う授業内試験(70%)、講義終了後に提出するレポートや課題(30%)により行う。 ※上述のごとく、最終日の講義予定時間に試験を行います。試験問題は、講義予定時間にGoogle Classroomにポストします。詳しくはGoogle Classroomに記載します。 |
質問への対応 | 以下のメールアドレスにお送り下さい。 mimura.junichi@nihon-u.ac.jp ※メールのタイトルに、学部・学科・名前を必ず入れてください。 対面でのQ&Aを希望する学生は、上記メールにその旨記載し、アポを取ったうえで、法学部の三村研究室にお越し下さい。 |
研究室又は 連絡先 |
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オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
理系学生への専門教育はとても重要ですが、研究の成果である発明等の権利を的確に守る知識を習得することも研究者として必要です。会社では知的財産権に関する社内教育はほとんど行われないので、是非、学生時代にしっかり学んでください。 また、弁理士資格に興味のある学生は、是非、ご相談ください。 |