2023年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 | 教)情報と職業 | ||
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 2年 |
担当者 | 山口 敏和 | 履修期 | 前期 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜5 木曜6 |
校舎 | 船橋 駿河台 | 時間割CD | X55D Y46C |
クラス |
概要
学修到達目標 | 様々な職業における情報通信技術の使われ方や、情報学分野を専門とする職業人として必要な知識等について、幅広く説明することができる。 社会の情報化の歴史を概観し、インターネットが浸透した情報社会や情報産業について理解する。 企業・組織における情報の取り扱いや情報技術者のモラルについて議論できる。 ビッグデータや人工知能など最新のトピックについて調べ、自分の考えを示すことができる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」で実施する。 資料・連絡事項の掲示および課題提出にはGoogle Classroomを用いる。 前半にレポート課題を1つ課すほか、授業内の小課題および最終レポート課題を課す。定期試験や平常試験は実施しない。いずれの課題についてもその後の授業においてポイントを解説する。 |
履修条件 | 特段の予備知識を必要としないが、一般的な社会動向やIT関連のニュースを把握しておくよう努めること。レポート作成のため、文書作成および表計算ソフトの基本的な使い方を身につけていることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | オリエンテーション:本講義の狙い、内容、進め方、評価方法について説明する。基礎知識や思考力を確認するためのアンケートを実施する。 【事前学習】シラバスの内容を確認し、関連事項のニューストピックを見る(120分) 【事後学習】職業指導に関する関連法規を調べる(120分) |
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第2回 | 企業(株式会社)の仕組み:所有と経営の分離など株式会社の仕組みに加え、株式売買の仕組みについて説明する。 【事前学習】関心のある企業ホームページから有価証券報告書をダウンロードし、概要を読む(120分) 【事後学習】各自が決めた上場企業の有価証券報告書から必要な情報を読み取る(120分) |
第3回 | 財務諸表の分析(1):財務諸表の読み方の基本を学び、分析手法の一例を知る。 【レポート課題の提示】企業分析に関するレポート(前半レポート)課題を提示する 【事前学習】表計算ソフトの使用法およびグラフ描画方法について確認する(120分) 【事後学習】複数の企業の有価証券報告書を比較し、分析する企業とテーマを決める(120分) |
第4回 | 財務諸表の分析(2):各自が調べた企業の財務諸表を分析し、考察する。会計基準の違いや近年の粉飾決算の事例を学び、企業活動と情報公開について考える。 【事前学習】各自が決めた上場企業に関する分析用ファイルを表計算ソフト等で作成する(120分) 【事後学習】前半レポート課題に取り組む(120分) |
第5回 | 社会の情報化:情報化社会から情報社会へ至るまでの歴史を振り返る。産業革命による工業化で何がもたらされ、情報化では何が変わったのか、人工知能の発展によって今後何がもたらされるか、問題提起をする。 【事前学習】産業革命を含む人類史について調べる(120分) 【事後学習】人工知能に関連するニュースや新聞記事を調べ、経年変化に注目する(120分) |
第6回 | 情報通信技術による社会の変化:情報通信技術(ICT)によって社会がどのように変化し、それに伴ってビジネス環境がどのように変化したのかを知り、解決された課題と新たに生じた課題について議論する。 【レポート提出】前半レポート課題の提出締切 【事前学習】身の回りのICT機器を書き出し、センサーや通信方式について調べる(120分) 【事後学習】日本と世界の国々との経済状況や産業構造の違いについて調べる(120分) |
第7回 | 情報システムと社会基盤:情報システムの定義と実例、社会の情報システムについて学ぶ。また、情報ビジネスの階層構造を学び、システムやビジネスの分類を行う。 【事前学習】情報システムの活用例について調べる(120分) 【事後学習】コンピュータとインターネットの登場による社会の変化について調べる(120分) |
第8回 | 企業における情報活用:情報化に伴って組織がどのように変容するのか、企業における人事考課や業績評価、企業内教育等について学ぶ。また、情報通信産業だけでなく、小売業、流通業、製造業などの身近な職業における情報の活用事例について学ぶ。 【レポート解説】前半レポート課題の解説と全体向けのフィードバックを行う 【事前学習】企業の人事制度や求人について調べる(120分) 【事後学習】マネジメントの手法について調べる(60分)/フィードバックを参考に、必要に応じてレポートを修正し再提出する(60分) |
第9回 | インターネットビジネス:インターネットの浸透によってもたらされた新しいビジネス形態や広告・検索サービスについて学ぶ。また、シェアリングエコノミーの事例と今後の展開について議論する。 【レポート概要説明】最終レポート課題の概要について説明する 【事前学習】シェアリングエコノミーの事例について調べる(120分) 【事後学習】無料サービスと企業の収益について調べる(120分) |
第10回 | ソーシャルネットワーキングサービス:スマートデバイスとSNSの登場による社会の変化を学ぶ。また、情報を配る方式の違い、インターネットの特性と注意点について学ぶ。 【事前学習】SNSに絡む事件について調べる(120分) 【事後学習】子どものスマホ利用について簡易的な聞き取り調査を行う(120分) |
第11回 | 情報社会における犯罪とセキュリティ対策:個人の対策と企業・組織の対策について知る。組織における情報の取り扱いや情報技術者のモラルについて学ぶ。 【レポート課題の提示】最終レポート課題の詳細を提示する 【事前学習】子どものスマホ利用に関する調査結果を整理する(120分) 【事後学習】フェイクニュースの実例と対策について調べる(120分) |
第12回 | フィンテック:金融分野における情報通信技術の活用事例を学ぶ。 社会・企業活動における情報の取り扱い方法:企業や学校において情報を集め、分析し、的確に伝える方法について学ぶ。量的・質的なデータの取り扱い方法について学ぶ。 【事前学習】これまでの事前事後学習内容を振り返る(60分)/最終レポート課題のテーマを決める(60分) 【事後学習】学校における個人情報の取り扱いについて調べる(60分)/クラウドファンディングの事例について調べる(60分) |
第13回 | 今後の情報社会:ビッグデータや人工知能などの最新トピックを紹介し、今後の展望について個人の考えを醸成する。また、情報端末の変遷による入力方式の変化を学び、情報に関する教育の今後について考える。 【事前学習】IoTを用いた家電などの機器について調べる(60分)/最終レポート課題に取り組む(60分) 【事後学習】ビッグデータと個人情報保護について関連法規を調べる(120分) |
第14回 | 産業分類と職業分類、働く意義:産業分類と職業分類について学び、仕事に求めることについて考える。企業・組織が求める人材像を概観し、キャリア教育の必要性を学ぶ。 【レポート提出】最終レポート課題の提出締切 【事前学習】高校と大学のキャリア教育について調べる(120分) 【事後学習】情報系の資格について調べる(60分)/自分のキャリアに関することを調べる(60分) |
第15回 | 情報処理技術者:広く情報に関わる職業で求められる内容について、基本情報技術者試験のシラバスを参考に、テクノロジ・マネジメント・ストラテジの概要を学習する。 【レポート解説】最終レポート課題について全体向けのフィードバックを行う 【事前学習】各自がこれまでに体験した様々な社会活動を情報という切り口で見つめなおす(120分) 【事後学習】フィードバックを参考に、必要に応じてレポートを修正し再提出する(120分) |
その他
教科書 | |
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参考書 |
駒谷 昇一, 辰己 丈夫, 情報処理学会(編集) 『情報と職業(改訂2版)(IT Text) [978-4274216756]』 オーム社 2015年
大手町のランダムウォーカー 『会計クイズを解くだけで財務3表がわかる 世界一楽しい決算書の読み方 [978-4046043672]』 KADOKAWA 2020年
西山 茂 『「専門家」以外の人のための決算書&ファイナンスの教科書 [978-4492602287]』 東洋経済新報社 2019年
長谷川 正人 『ヤバい決算書 [978-4532199852]』 日経BP日本経済新聞出版本部 2020年
豊田雄彦, 加藤晃, 鈴木和雄 『情報と職業 改訂4版 [978-4485665626]』 電気書院 2023年
【1番目の参考書は授業全体を概観できます。最新のIT関連の社会動向については別途ニュース等に触れて自分で調べる必要があります。】
【2~4番目の参考書は前半レポート課題での決算書分析において事例を知る上で参考になります。また、授業全体を振り返ってから読むと、見え方が変わるはずです。】
【5番目の参考書は授業の後半の内容に加えて読む副読本として良いと思います。】
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成績評価の方法 及び基準 |
成績評価は、授業内で課す小課題(30%)、企業分析レポート課題(30%)、最終レポート課題(30%)、平常点(10%)により行う。 評価視点は、扱う内容が提示されたテーマに沿っているか、論理的な記述ができているか、独自の視点や論点があるか、情報処理能力を活用した工夫(データ分析および分析結果の可視化など)があるか、とする。 レポート課題については、ルーブリックを事前に提示するので、参考にして取り組むこと。また、提出締切日の次の授業回において、全体向けにポイントを解説し、必要に応じてレポートの再提出を求めることがある。 |
質問への対応 | メールにより対応する。 レポート作成時の学生の状況により、補習として同時双方向型オンラインツール(Zoom等)での質問の機会を数回程度設けることがある。 |
研究室又は 連絡先 |
Google Classroomにおいて質問用フォーム(Google Forms)を提示する。 メールアドレス yamaguchi.toshikazu20@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
この授業では、いわゆる教科書的な知識に加え、最新のニュースなどを題材に情報社会全般について学びます。この授業が、情報社会を生き抜く上で必要となる思考力を身につけるためのきっかけになればと思います。レポート課題を通して、社会を見る目が変わったり、未知のことを知っていく楽しさに出会えたりすればいいな、と期待しています。 |