2023年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 |
教)数学科教育法Ⅱ
高校数学教育の現在
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 2年 |
担当者 | 相田 紘孝 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜6 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | Y46D |
クラス | 数学科の学生用クラス |
概要
学修到達目標 | (1) 高等学校の数学教育について、現在の授業改革の方向性、身につけるべき能力と評価方法の変化、活用が期待されるICT機器やサービスの特徴、カリキュラムの歴史を理解している。 (2) 高等学校の数学教育の内容について、中学校数学、大学教養課程水準の数学、さらには数学の学問的な研究との関係との関係も含めて理解している。 (3) 探究的な教材の開発、授業計画の作成と模擬的な実践、さらにはその経験を生かした簡易な学習指導案の作成を行うことを通じて、現代の高等学校の数学教育において求められる技術を習得している。 |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 |
履修条件 | 中・高教員免許(数学)取得のための必修科目 この授業は、数学科の学生用の科目です。数学科以外の学生で、時間割の都合によってこのクラスの履修を希望する場合は、第1回の授業が始まる前に担当教員に必ず連絡してください。 |
授業計画
第1回 | 高校数学教育の現在 【事前学習】自分が高校で受けた数学教育について、おもしろかったことや、大学での学習や活動に生かすことができたこと、学校外での活動や生活において生かすことができたことを思い出してまとめておく。(60分) 【事後学習】授業で紹介した各種データを参考にしながら、自分が高校において経験した数学の授業の特徴についてまとめておく。(180分) |
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第2回 | 現代のコンピテンシー論と高校数学教育への影響 【事前学習】『高等学校学習指導要領解説 数学編』の第1章第1節「改訂の経緯及び基本方針」、第1章第2節1「数学科改訂の趣旨」、第1章第3節「数学科の目標」を読み、興味深いと思った点と疑問に思った点をまとめておく。(60分) 【事後学習】授業で紹介されたコンピテンシー論や各種データを踏まえて、将来の社会において求められるコンピテンシーを身につけるためにふさわしい高校数学の教育方法について、自分の考えをまとめておく。(180分) |
第3回 | 現代の高校数学教育における評価の改革 【事前学習】自分がこれまで受けた数学のテストで、おもしろかったものを思い出して、まとめておく。(60分) 【事後学習】パフォーマンス評価の理論と方法を参考にして、高校数学のパフォーマンス課題とルーブリックを作成しておく。(180分) |
第4回 | 高校数学教育におけるICTを活用した数学的活動 【事前学習】小学校から現在までの数学の学習において、活用したことのあるICT機器やサービスを思い出してまとめておく。(60分) 【事後学習】授業中に紹介されたICT機器やサービスを使用することを想定した高校数学の数学的活動を考えておく。(180分) |
第5回 | 探究的な高校数学の授業の事例とその方法 【事前学習】発言しやすく多様な意見が出やすい高校数学の授業を実現するために大切だと思うことをまとめておく。(60分) 【事後学習】授業中に配布された授業計画を参考にして、発言が続きやすく多様な意見が出やすい高校数学の発問を考えておく。(180分) |
第6回 | 高校数学カリキュラムの変遷/平面幾何と三角比の指導 【事前学習】『高等学校学習指導要領解説 数学編』の第1章第2節2「数学科改訂の要点」と第4節「数学科の科目構成」を読み、興味深いと思った点と疑問に思った点をまとめておく。(60分) 【事後学習】三角比を用いた測量に関する探究活動に取り組み、教材を開発しておく。次々回の模擬授業担当グループは、授業計画を作成しておく。(180分) |
第7回 | 座標平面の指導と線型計画法 【事前学習】数式を座標平面上の図形として表すことでわかりやすくなる問題と、図形に対して座標を設定して数式で表すことによってわかりやすくなる問題の例を考えておく。また、「線型計画法」という言葉の意味について調べておく。(60分) 【事後学習】線型計画法に関する探究活動に取り組み、教材を開発しておく。次回の模擬授業担当グループは、作成した授業計画をアドバイスに従って修正して練習しておく。次々回の模擬授業担当グループは、授業計画を作成しておく。(180分) |
第8回 | 模擬授業の実施と相互批評/確率の古典的定義と原因の確率の指導 【事前学習】「原因の確率」、「ベイズ確率」という概念の意味を調べて、誤解を生みやすい部分について、自分の考えを整理しておく。(60分) 【事後学習】原因の確率に関する探究活動に取り組み、教材を開発しておく。次回の模擬授業担当グループは、作成した授業計画をアドバイスに従って修正して練習しておく。次々回の模擬授業担当グループは、授業計画を作成しておく。(180分) |
第9回 | 模擬授業の実施と相互批評/記述統計の指導と統計的探究プロセス 【事前学習】自分が小学校・中学校・高校自体に受けた統計に関する授業の内容を思い出してまとめておく。(60分) 【事後学習】PPDACモデルに基づく探究プロセスに関する探究活動に取り組み、教材を開発しておく。次回の模擬授業担当グループは、作成した授業計画をアドバイスに従って修正して練習しておく。次々回の模擬授業担当グループは、授業計画を作成しておく。(180分) |
第10回 | 模擬授業の実施と相互批評/推測統計と仮説検定の指導 【事前学習】「サイコロを30回投げた際に1の目が3回しか出なかった」場合にそのサイコロは歪んでいると言えるのかどうか、自分の考えをまとめておく。(60分) 【事後学習】仮説検定に関する探究活動に取り組み、教材を開発しておく。次回の模擬授業担当グループは、作成した授業計画をアドバイスに従って修正して練習しておく。次々回の模擬授業担当グループは、授業計画を作成しておく。(180分) |
第11回 | 模擬授業の実施と相互批評/指数・対数関数および三角関数(円関数)の指導 【事前学習】指数関数的に増加したり減少したりする現象の例と、円運動あるいは周期的な運動が組み合わさった現象の例を考えておく。(60分) 【事後学習】指数関数的に増加・減少する現象ならびに円運動あるいは周期的な運動に関する探究活動に取り組み、教材を開発しておく。次回の模擬授業担当グループは、作成した授業計画をアドバイスに従って修正して練習しておく。次々回の模擬授業担当グループは、授業計画を作成しておく。(180分) |
第12回 | 模擬授業の実施と相互批評/ベクトルの指導と座標系と次元 【事前学習】大学における線形代数の授業を思い出し、高校のときに学んでおけばよかったと思うことをまとめておく。(60分) 【事後学習】ベクトルに関する探究活動に取り組み、教材を開発しておく。次回の模擬授業担当グループは、作成した授業計画をアドバイスに従って修正して練習しておく。次々回の模擬授業担当グループは、授業計画を作成しておく。(180分) |
第13回 | 模擬授業の実施と相互批評/微積分の指導と物理的・社会的現象 【事前学習】高校と大学における微積分の授業で扱われた物理的・社会的現象を思い出してまとめておく。また、微分方程式の解法について、今まで学んだことをまとめておく。(60分) 【事後学習】物理的・社会的現象を題材にした微積分に関する探究活動に取り組み、教材を開発しておく。次回の模擬授業担当グループは、作成した授業計画をアドバイスに従って修正して練習しておく。次々回の模擬授業担当グループは、授業計画を作成しておく。(180分) |
第14回 | 模擬授業の実施と相互批評/単元指導計画と学習指導案の典型例 【事前学習】今まで開発した教材や模擬授業の経験を振り返って、改善すべきだと思う点をまとめておく。(60分) 【事後学習】授業中に説明されたポイントを参考にして、簡易な学習指導案を作成しておく。次回の模擬授業担当グループは、作成した授業計画をアドバイスに従って修正して練習しておく。(180分) |
第15回 | 模擬授業の実施と相互批評/学習指導案の相互批評 【事前学習】簡易な学習指導案の特徴を説明する準備をしておく。(60分) 【事後学習】授業中に指摘された点を参考にして、簡易な学習指導案を完成させておく。(180分) |
その他
教科書 |
文部科学省 『高等学校学習指導要領(平成30年3月告示) [978-4-8278-1567-2]』 東山書房 2019年
文部科学省 『高等学校学習指導要領(平成30年3月告示)解説 数学編 理数編 [978-4-7625-0535-5]』 学校図書 2019年
文部科学省 『中学校学習指導要領(平成29年3月告示)解説 数学編 [978-4-536-59012-9]』 日本文教出版 2018年
学習指導要領および学習指導要領解説は、次のURLからダウンロードが可能です。 https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1384661.htm
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参考書 |
藤原彰夫 (編) 『深進数学I (61 啓林館 数I 711) [978-4-402-02111-5]』 啓林館
藤原彰夫 (編) 『深進数学A (61 啓林館 数A 708) [978-4-402-02117-7]』 啓林館
藤原彰夫 (編) 『深進数学II (61 啓林館 数II 708) [978-4-402-02114-6]』 啓林館
藤原彰夫 (編) 『深進数学B (61 啓林館 数B 708) [978-4-402-02117-7]』 啓林館
藤原彰夫 (編) 『深進数学III (61 啓林館 数III 708) [978-4-402-02114-6]』 啓林館
藤原彰夫 (編) 『深進数学C (61 啓林館 数C 708) [978-4-402-02117-7]』 啓林館
西村圭一・太田伸也 (編) 『中学校・高等学校数学科 授業力を育む教育実習 [978-4-901665-52-0]』 東京学芸大学出版会 2018年
宿題を実施する際の参考にするために、高校の数学の教科書を用意しておいてください。高校時代に使用したものでかまいません。購入する場合は、このシラバスに参考書として掲載しているものを推奨します。同じ出版社から同じ科目について複数の教科書が出版されているので注意してください。購入場所は次のURLから調べることができます。 http://www.text-kyoukyuu.or.jp/gaiyou.html 最新の教科書一覧は次のURLから見ることができます。 http://www.textbook.or.jp/textbook/textbook-price.html これら以外に、必要に応じて資料を配布します。
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成績評価の方法 及び基準 |
以下の4点の条件をすべて満たすことが、成績評価の対象者となる条件です。4点のうち1点でも満たさなかった場合は、成績評価の対象外と判断し、「E」評価(判定不可)となります。 (1) 授業実施回数15回のうち2/3である10回以上に出席している。 (2) 各回の宿題15回分のうち2/3である10回分以上について提出しかつ合格している。 (3) 模擬授業を実施している。 (4) 最終レポート(簡易な学習指導案を予定)を締切までに提出している。 成績評価の方法と割合は、最終レポート100%です。 最終レポートの内容と評価基準については、受講生の実態を踏まえた上で決定します。具体的には、授業終盤(予定では第13回もしくは第14回)に説明します。 フィードバックは主に以下の方法で行います。 各回の宿題や質問:次週以降の授業の実施時 最終レポート:電子システムへの講評の掲示 |
質問への対応 | 下記の連絡先宛に送ってもらえば、適宜対応します。 なお、連絡を取る際は、本人確認を容易にするために、科目名、曜日時限、学科、学生番号、氏名の5点を必ず記入してください。 |
研究室又は 連絡先 |
連絡先メールアドレス:hiroaida [at] kanto-gakuin.ac.jp その他の連絡手段については、授業開始前および第1回の授業で説明します。 |
オフィスアワー |
木曜 駿河台 19:50 ~ 20:00 授業終了後に対応します。
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学生への メッセージ |
・授業外の学修の量がかなり多い授業です。そのつもりでスケジュール管理を行っておいてください。 ・高校数学の復習を主目的とした授業ではないので、高校数学の内容を網羅することはありませんし、知識の不足を補うための時間を授業中に用意するにしても限界があります。授業を受講していて高校数学の知識が不足していると感じたら、自分自身で急いで補ってください。 ・受講生の人数や理解度・習熟度に応じて授業の内容や構成を変更することがあります。 |