2023年 短期大学部 シラバス - ものづくり・サイエンス総合学科
設置情報
科目名 |
量子力学Ⅰ
古典物理学の限界と量子力学への歩み
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設置学科 | ものづくり・サイエンス総合学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 山田 賢治 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | E32I |
クラス | |||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 量子力学I・IIを通じて,量子力学の基本的事項とその考え方について学習することにより,量子力学を体系的に理解することを目標とする。 量子力学Ⅰでは,ニュートン力学とマクスウェル電磁気学を基礎とする古典物理学の限界と量子論の必要性から始めて,量子力学の基本的な考え方とその定式化(波動力学)について学習する。 本授業科目はDP1及びCP1に該当しています。 科目ナンバリング:MFmPh-211 |
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授業形態及び 授業方法 |
【対面授業】 (1)基本的重要事項の解説は,板書を中心とした講義形式で行う。 (2)基本的重要事項について,理解度確認テストを実施する。 【レポート課題の提出及びフィードバックの方法等】 (1)解答をレポート用紙にまとめて,原則として1週間以内に提出する。 (2)提出したレポートは,評価を付して返却する。 (3)課題の解説は,必要に応じて授業内で行う。 |
履修条件 | 専門教育科目/選択(物理学分野) (1)微分方程式Ⅰ,複素関数論を履修すること。 (2)力学Ⅰを履修していること。 (3)微分積分I・II,数学演習I・IIを履修していること。 (4)行列と行列式,線形代数を履修していること。 |
授業計画
第1回 | ・講義ガイダンス ・ミクロの世界における重要な物理定数(その1) 1 基礎物理定数 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(2時間) |
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第2回 | ・ミクロの世界における重要な物理定数(その2) 2 ミクロの世界における基礎物理定数 3 古典電子半径 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第3回 | ・量子力学的世界における単位(その1) 1 量子力学で用いられる単位 ① エネルギーと長さの単位 ② 質量の単位 2 プランク定数の必要性 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第4回 | ・量子力学的世界における単位(その2) 3 原子単位系(原子,分子などの記述に便利な単位系) ① 原子単位系 ② 電子の静止エネルギー,コンプトン波長と微細構造定数 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第5回 | ・量子力学のはじまり(その1) 1 黒体輻射とプランクの量子仮説 ① 古典物理学による輻射法則 ② プランクの輻射法則 ③ シュテファン−ボルツマンの法則 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第6回 | ・量子力学のはじまり(その2) 1 黒体輻射とプランクの量子仮説 ④ ウィーンの変位則 ⑤ 宇宙背景輻射 ⑥ 巨視的なスケールでのエネルギー量子 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第7回 | ・量子力学のはじまり(その3) 2 光の粒子性 ① 光子(光量子)の運動量 ② 光電効果 (1)アインシュタインによる説明 (2)光電子の最大エネルギーに対するアインシュタインの関係式 (3)アインシュタインの関係式の実験的検証 (4)日常生活で経験する光電効果 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第8回 | ・量子力学のはじまり(その4) 2 光の粒子性 ③ コンプトン効果 (1)X線の散乱の量子論 (2)波長のずれのないX線の散乱 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第9回 | ・量子力学のはじまり(その5) 2 光の粒子性 ③ コンプトン効果 (3)反跳電子の観測 (4)散乱の素過程におけるエネルギー・運動量保存則の実験的証拠 ④ 自由電子による1光子の放出及び吸収の禁止 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第10回 | ・量子力学のはじまり(その6) 3 水素原子のボーア模型とエネルギー準位の量子化 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第11回 | ・物質粒子の波動性(その1) 1 波 ① 粒子と場 ② 波動方程式 2 ド・ブロイの物質波 ① ド・ブロイ仮説 ② 波動性の出現 ③ ド・ブロイ仮説の実験的検証 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第12回 | ・物質粒子の波動性(その2) 3 波の位相速度と群速度 ① 波の位相速度 ② 波束と群速度 (1)光の場合 (2)物質波の場合 ③ 物質波の位相速度と群速度 (1)物質波の位相速度 (2)運動エネルギーの変化を用いた速度の表式 (3)物質粒子の速度と波束の群速度 ④ 群速度と位相速度の一般的関係 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第13回 | ・物質粒子の波動性(その3) 4 粒子の速度と対応する波の位相速度 ① 物質粒子の場合 (1)非相対論的な物質粒子 (2)相対論的な物質粒子 ② 光子(光)の場合 5 物質粒子の古典的記述と量子力学的記述 ① 基本的物理量としての運動量 ② 古典的記述と量子力学的記述の関係 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第14回 | ・物質粒子の波動性(その4) 6 波束の運動 ① 波束の物理的解釈 (1)波束の確率解釈 (2)粒子の運動に関する情報 ② 波束の時間発展と伝播 (1)1次近似 (2)2次近似 ③ ガウス型の波束とその時間発展 (1)ガウス型の波束 (2)ガウス型の波束を持った自由粒子 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第15回 | ・理解度確認テスト及びその解説 【事前学習】与えられた課題について,十分学習しておくこと。(4時間) |
その他
教科書 |
(1)原田勲・杉山忠男 著 『量子力学I』 講談社基礎物理学シリーズ 6 講談社 2009年 第1版
(2)二宮正夫・杉野文彦・杉山忠男 著 『量子力学II』 講談社基礎物理学シリーズ 7 講談社 2010年 第1版
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参考書 |
(1)W. グライナー 著,伊藤伸泰・早野龍五 監訳,川島直輝・河原林透・野々村禎彦・羽田野直道・古川信夫 訳 『量子力学概論』 グライナー物理テキストシリーズ シュプリンガー・フェアラーク東京 2000年 第1版
(2)二宮正夫・並木雅俊・杉山忠男 著 『物理のための数学入門』 講談社基礎物理学シリーズ 10 講談社 2009年 第1版
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成績評価の方法 及び基準 |
(1)授業及びレポート課題への取組状況30%,理解度確認テスト70%の割合で総合的に評価する。 (2)出席回数が総授業回数の5分の3(9回)に満たない場合は,履修放棄として取り扱い,学業成績を評価E(判定不可)とする。 (3)授業開始から30分を経過した後に入室した場合は,欠席として取り扱う。 |
質問への対応 | 授業終了後又は電子メール等により,随時対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
E-mail:yamada.kenji@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 船橋 12:10 ~ 12:50
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学生への メッセージ |
【令和4年度成績分布状況】履修者数 8名 S:2人(28.6%),A:2人(28.6%),B:2人(28.6%),C:1人(14.3%),D:0人(0.0%),E:1人 |