2023年 短期大学部 シラバス - ものづくり・サイエンス総合学科
設置情報
科目名 | 化学Ⅱ | ||
---|---|---|---|
設置学科 | ものづくり・サイエンス総合学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 木屋 幸蔵 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | E32N |
クラス | |||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 化学が研究対象とする物質の構造や性質そして反応を調べるために、物理学的な手法を用いる学問分野を物理化学という。またその理論的な基礎をなす分野として、量子化学、化学熱力学、化学反応論があげられる。本講義では主に化学熱力学を学習対象とし、応用分野である化学工学を学ぶための基礎知識にできることを目標とする。 本授業科目はDP1及びCP1に該当しています。 科目ナンバリング:MFmIs-208 |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 授業は基本的にプロジェクターによる資料共有と板書を併用した形で進める。また毎回、授業の最後に演習を実施する。CST-VOICE上に各回の授業資料(演習を含む)を公開するので、授業当日までに必ず各自で出力し用意すること。演習は授業当日の午後9時00分までにCST-VOICE上にPDFで提出する。 |
履修条件 | 高校数学(理系大学受験レベル)の微積分の計算知識は必須である。 |
授業計画
第1回 | 【授業内容】理想気体と実在気体 気体の状態方程式 ファンデルワールス式 系と外界 膨張仕事 【事前学習】教科書p130~p135、p139~p145、p148~p150を予習しておく。(100分) 【事後学習】熱力学における系と外界の区別、プラス・マイナスの符号のつけ方、「する」・「される」の区別をきちんと理解する。(120分) |
---|---|
第2回 | 【授業内容】気体分子運動論 内部エネルギー 熱力学第一法則 熱容量 エンタルピー 【事前学習】教科書p135~p139、p150、p153~p158を予習しておく。(100分) 【事後学習】微分方程式の式の変形・誘導の仕方に慣れる。(120分) |
第3回 | 【授業内容】熱化学方程式とエンタルピー変化 標準反応エンタルピー 標準生成エンタルピー ヘスの法則 【事前学習】教科書p162~p171を予習しておく。(100分) 【事後学習】高校で学習した熱化学方程式の表し方と反応エンタルピーを用いた表し方の違いを確認する。(120分) |
第4回 | 【授業内容】4つの熱力学的過程(定容・定圧・等温・断熱過程) p-V線図 可逆過程・不可逆過程の意味と考え方 【事前学習】教科書p151~p153、p159~p161、p173~p175を予習しておく。(100分) 【事後学習】可逆過程と不可逆過程での、p-V線図における膨張仕事の量の違いをきちんと理解する。(120分) |
第5回 | 【授業内容】エントロピーの定義 4つの熱力学過程(定容・定圧・等温・断熱過程)におけるエントロピー変化 【事前学習】教科書p180~p186を予習しておく。(100分) 【事後学習】4つの熱力学過程(定容・定圧・等温・断熱過程)の各過程ごとにエントロピー変化を求める式の変化・誘導を自分で理解しやすい形にまとめ直す。(120分) |
第6回 | 【授業内容】カルノーサイクルとエントロピー クラウジウスの不等式 平衡状態とエントロピー変化 【事前学習】教科書p176~p181を予習しておく。(100分) 【事後学習】カルノーサイクルの各過程ごとにエントロピー変化を求める式の変化・誘導を自分で理解しやすい形にまとめ直す。可逆過程と不可逆過程の違いと移動する熱量との関係を理解し直す。(120分) |
第7回 | 【授業内容】熱力学第二・第三法則 ギブズ自由エネルギーの導入 ヘルムホルツ自由エネルギー 束縛エネルギー 化学反応とギブズ自由エネルギー 【事前学習】教科書p175、p187、p190~p192を予習しておく。(100分) 【事後学習】化学反応におけるエントロピー変化とギブズ自由エネルギー変化の関係を式で見直す。(120分) |
第8回 | 【授業内容】物質の三態 相平衡 水の相図 蒸気圧曲線 マクスウェルの関係式 【事前学習】教科書p171~p172、p192~p194を予習しておく。(100分) 【事後学習】水の状態図の見方および状態図における融解曲線、蒸気圧曲線の形をもう一度確認しておく。(120分) |
第9回 | 【授業内容】クラペイロンの式 クラウジウスークラペイロンの式 アントワン式 ギブズ自由エネルギーの温度・圧力依存(沸点上昇・凝固点降下の定性的説明) 【事前学習】教科書p195~p199を予習しておく。(100分) 【事後学習】沸点上昇・凝固点降下などの溶液の束一的性質がギブス自由エネルギーの変化から定性的に説明できる過程を図で確認する。(120分) |
第10回 | 【授業内容】混合物の化学ポテンシャル 相平衡・化学平衡と化学ポテンシャル ラウールの法則 【事前学習】教科書p199~p202を予習しておく。(100分) 【事後学習】ラウールの法則とヘンリーの法則の関係をもう一度確認しておく。(120分) |
第11回 | 【授業内容】ヘンリーの法則 化学ポテンシャルと活量・活量係数 【事前学習】教科書p199~p202を予習しておく。 【事後学習】ヘンリーの式の誘導をもう一度確認しておく。(120分) |
第12回 | 【授業内容】反応進行度 化学反応の進行に伴う反応ギブズ自由エネルギー変化 圧平衡定数 【事前学習】教科書p208~p210を予習しておく。(100分) 【事後学習】反応進行度の扱い方とギブズ自由エネルギー変化についてもう一度確認しておく。(120分) |
第13回 | 【授業内容】ギブズーヘルムホルツの式 ファント・ホッフの式 圧平衡定数の温度依存性 【事前学習】教科書p194~p195、p208~p210、p216を予習しておく。(100分) 【事後学習】式の変形・誘導を自分で理解しやすい形にまとめ直す。(120分) |
第14回 | 【授業内容】濃度平衡定数 平衡移動の考え方 ルシャトリエの原理 【事前学習】教科書p210~p218を予習しておく。(100分) 【事後学習】この回の学習内容が高校化学で学習した平衡の移動方向の考え方と一致するかを確認してみる。(120分) |
第15回 | 確認テストとその解説 全体的な振り返り 【事前学習】授業第1回目から14回目までの内容と演習を十分に復習しておく。(420分) 【事後学習】解答できなかった問題をもう一度調べ直す。(100分) |
その他
教科書 |
真下清 他 『物理化学入門』 東京教学社
6章~10章および12章の内容を扱う。事前学習では各授業回で指示したページをあらかじめ学習し、疑問点や不明点を明らかにしておくこと。
|
---|---|
参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
確認テスト(60%)、授業への出席状況・取り組む姿勢(10%)、演習(30%) 授業への出席および演習の提出が総授業時間数の3/5に満たない場合は履修放棄として取り扱い、成績の査定は行わない。 【令和4年度成績分布状況】S:9%,A:9%,B:27%,C:36%,D:18% |
質問への対応 | 授業中、授業終了後に教室で質問を受け付けます。 |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎8号館838号室 E-mail:kiya.kouzo@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
物理化学では化学反応式や化合物の性質に類するものはあまり扱われず、数式や計算が中心で微積分等の数学的知識も必要です。決して取り組みやすい分野ではなく、積み重ねの学習が大切です。毎回の出席を心がけ、暗記だけに頼らない本当の理解を目指してください。授業では分かりやすい資料の提供、説明を心がけます。皆さんは真面目な学習態度で授業に臨んでください。 |