2023年 短期大学部 シラバス - ものづくり・サイエンス総合学科
設置情報
科目名 |
電子物性工学
電子物性の基礎
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設置学科 | ものづくり・サイエンス総合学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 岩田 展幸 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | E33R |
クラス | |||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 半導体デバイスの限界が叫ばれる昨今、新しい機能を持つ材料探索が急激に増加している。このような最先端の研究開発には、量子力学を基礎とした固体物理学の知識が必要である。本講義では、量子力学の基礎、それら知識を用いた固体物理の基礎を修得ることがで、典型的な金属・半導体の電気特性やダイオード特性についての概要を説明できるようになる。 本授業科目はDP1及びCP1に該当しています。 科目ナンバリング:MFmEl-311 |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」で実施します。「小テスト」「自宅中間テスト」「理解度確認試験」を実施します。上記に関しては、すべて提出期限後に、CST-VOICEにあるビデオ動画で解説する。 |
履修条件 | 力学・電磁気学の基礎、微分方程式の解法、量子力学の基礎を学んでいることが望ましい。 |
授業計画
第1回 | 振動 波の基本、重ね合わせ、波束、について説明する。 【事前学習】「波」「振動」「波動」に関する教科書もしくは、高校物理の波動に関する箇所を参考にし、波の基本的性質について理解を深めておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) |
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第2回 | マクスウェル方程式 マクスウェル方程式の概要を説明し、簡単な問題を解く。 電界および磁界に関する波動方程式を導く。 【事前学習】電磁気学で学習している「ガウスの定理」「アンペールの法則」「電磁誘導」「マクスウェル方程式(積分系)(微分系)について概要を理解しておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第1回自宅中間テスト」の課題を出します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で提出してください。それ以降の提出はできません。 解説は提出期限後にCST-VOICEにあるビデオ動画で確認できる。 |
第3回 | 波動方程式と波動関数 電子が満たす波動方程式、波動関数について説明する。 波動関数の確率解釈、平面波について説明する。 【事前学習】教科書・参考書(量子力学)を参照し、「波動性と粒子性」「ド・ブロイの物質波」「波動関数」「確率解釈」「平面波」について概要を理解しておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) |
第4回 | シュレディンガー方程式 波動関数からシュレディンガー方程式を導くと共に、演算子を導出する。 【事前学習】教科書・参考書(量子力学)を参照し、「シュレディンガー方程式の導出」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第2回自宅中間テスト」の課題を出します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で提出してください。それ以降の提出はできません。 解説は提出期限後にCST-VOICEにあるビデオ動画で確認できる。 |
第5回 | 井戸型ポテンシャル 井戸型ポテンシャルに閉じ込められた電子の波動関数とエネルギーを計算する。 【事前学習】教科書・参考書(量子力学)を参照し、「井戸型ポテンシャル」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第3回自宅中間テスト」の課題を出します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で提出してください。それ以降の提出はできません。 解説は提出期限後にCST-VOICEにあるビデオ動画で確認できる。 |
第6回 | 水素原子モデル 球対称ポテンシャルのシュレディンガー方程式を用いて、関数Φ、Θ、Rおよび球面調和関数にかんする微分方程式を導くと共に、具体的な関数を提示する。計算の過程で現れた、主量子数、方位量子数、磁気量子数と周期律表の関係について説明する。 【事前学習】教科書・参考書(量子力学)を参照し、「水素原子モデル」「球対称ポテンシャルのシュレディンガー方程式」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) |
第7回 | 水素原子の固有解 波動関数の具体的な形状について説明する。 【事前学習】教科書・参考書(量子力学・物性物理)を参照し、「球面調和関数」「動径関数」「主量子数」「方位量子数」「磁気量子数」「周期律表」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) |
第8回 | 角運動量 角運動量と遠心力、角運動量演算子について説明する。 【事前学習】教科書・参考書(量子力学)を参照し、「角運動量演算子」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) |
第9回 | 分布関数 フェルミ粒子、ボーズ粒子、古典的微粒子がとる分布関数、Fermi-Dirac分布関数、Bose-Einstein分布関数、Maxwell-Boltzmann分布関数について説明する。特にFermi-Dirac分布関数についてその特徴を詳細に説明する。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「分布関数」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) |
第10回 | 自由電子気体と電気伝導 自由電子のイメージ、自由電子論、フェルミエネルギー、状態密度、自由電子の電気伝導について説明する。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「自由電子論」「フェルミエネルギー」「状態密度」「ドリフト速度」「オームの法則」「抵抗率」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第4回自宅中間テスト」の課題を出します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で提出してください。それ以降の提出はできません。 解説は提出期限後にCST-VOICEにあるビデオ動画で確認できる。 |
第11回 | エネルギーギャップとブリリュウアン領域 I 結晶が形成された場合に発生する周期ポテンシャルおよびエネルギーギャップについて説明する。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「周期ポテンシャル」「エネルギーギャップ」「ブリリュアンゾーン」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) 「第5回自宅中間テスト」の課題を出します。何を参考にしても良いので、問題を解き、レポート形式で提出してください。それ以降の提出はできません。 解説は提出期限後にCST-VOICEにあるビデオ動画で確認できる。 |
第12回 | エネルギーギャップとブリリュウアン領域 II 周期関数を考慮したブロッホ関数、ブリルアンゾーンについて説明する。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「ブロッホ関数」バンド構造から見た「金属・半導体・絶縁体の違い」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) |
第13回 | 群速度と有効質量 エネルギーギャップが存在するときの群速度、有効質量について説明する。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「群速度」「有効質量」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) |
第14回 | 真性半導体/不純物半導体/ダイオード 半導体概要を説明し、真性半導体のキャリア密度について計算する。 不純物半導体の概要およびそれを接合させたダイオードの概要および状態密度、分布関数、キャリア密度について説明する。 【事前学習】教科書・参考書を参照し、「真性半導体」「電子・ホールのキャリア密度」「不純物半導体」「ドナー準位」「アクセプター準位」「ダイオード」について概要を調べておくこと。(120分) 【事後学習】板書の内容を見返しながら、授業中に説明した事柄について、理解を深めること。(120分) |
第15回 | 理解度確認試験を実施する。 【事前学習】第1回から第14回の講義の振り返り(180分) 【事後学習】第1~5回の自宅中間テストを解き直すこと(60分) 解説はCST-VOICEにビデオをアップロードしておくので必ず確認すること。 |
その他
教科書 |
阿部正紀 『電子物性概論 量子論の基礎』 培風館
坂田亮 『物性科学』 培風館
各教科書(参考書)の関連する部分を読み比べる事を強く勧める。
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参考書 |
『基礎電子物性工学』 川辺和夫 他 コロナ社
『物性科学』 坂田亮 培風館
『固体の電子論 バーンズ固体物理学3』 長尾辰哉 他 訳 東海大学出版
『キッテル固体物理学入門 上』 宇野良清 他 訳 丸善
『半導体工学の基礎』 清水潤治 コロナ社
『半導体デバイス』 松波弘之 吉本昌広 共立出版
『電子物性概論 量子論の基礎』 阿部正紀 培風館
『量子力学(I)』 小出昭一郎 裳華房
『量子力学 岩波基礎物理シリーズ5』 原康夫 岩波書店
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成績評価の方法 及び基準 |
出席回数および小テスト解答提出回数が総授業回数の3分の2(10回)に満たない場合は,履修放棄とみなして評価「E」とする。 理解度確認試験を受験しない学生は、履修放棄とみなして評価「E」とする。 「小テスト」(20%)、「自宅中間テスト(6回程度)」(30%)、「理解度確認試験」(50%) |
質問への対応 | 随時 |
研究室又は 連絡先 |
iwata.nobuyuki@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
火曜 船橋 16:40 ~ 18:10 412室
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学生への メッセージ |