2023年 短期大学部 シラバス - ものづくり・サイエンス総合学科
設置情報
科目名 |
相対論
特殊相対性理論入門
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設置学科 | ものづくり・サイエンス総合学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 山田 賢治 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | E42W |
クラス | |||
ポリシー | ディプロマ・ポリシー【DP】 カリキュラム・ポリシー【CP】 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | アインシュタインの相対性理論には,特殊相対性理論と一般相対性理論があるが,本講義では,特殊相対性理論の基本的事項について解説する。 相対性理論は,量子力学と並んで現代物理学の根幹を成す理論体系であり,科学技術から哲学に至る広範な分野で社会に計り知れない影響を及ぼした,20世紀最大の発見の一つである。近年,自然現象の研究領域の拡大に伴い,原子,原子核,素粒子などのミクロな世界の現象や宇宙などのマクロな世界の現象に関する研究において,その果たす役割はますます大きくなりつつある。例えば,量子力学と特殊相対性理論の枠組みを基に構成された相対論的場の量子論は,素粒子物理学における様々な実験によって高い精度で検証されており,高エネルギー領域における特殊相対性理論の正当性を支持するものとなっている。 本授業科目はDP1及びCP1に該当しています。 科目ナンバリング:MFmPh-315 |
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授業形態及び 授業方法 |
【対面授業】 (1)基本的重要事項の解説は,板書を中心とした講義形式で行う。 (2)基本的重要事項について,理解度確認テストを実施する。 【レポート課題の提出及びフィードバックの方法等】 (1)解答をレポート用紙にまとめて,原則として1週間以内に提出する。 (2)提出したレポートは,評価を付して返却する。 (3)課題の解説は,必要に応じて授業内で行う。 |
履修条件 | 専門教育科目/選択(物理学分野) (1)力学Ⅰ・Ⅱ,力学演習Ⅰ・Ⅱを履修していること。 (2)電磁気学Ⅰ・Ⅱ,電磁気学演習Ⅰ・Ⅱを履修していること。 |
授業計画
第1回 | ・講義ガイダンス ・はじめに─相対性理論とは何か 【事前学習】力学Ⅰ,電磁気学Ⅱで学習した基本的重要事項について,しっかり復習しておくこと。(3時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(1時間) |
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第2回 | ・ニュートンの運動法則とガリレイの相対性原理(その1) 1 慣性系と慣性の法則 2 ニュートンの運動法則 ① 運動の第1法則(慣性の法則) ② 運動の第2法則(運動方程式) (1)運動方程式 (2)運動の決定 ③ 運動の第3法則(作用反作用の法則) (1)加速度による質量の決定 (2)運動量保存則 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第3回 | ・ニュートンの運動法則とガリレイの相対性原理(その2) 3 慣性質量と重力質量 ① 弱い等価原理 ② 弱い等価原理の実験的検証 (1)エトベッシュの実験 (2)実験結果 4 ガリレイの相対性原理とガリレイ変換 ① ガリレイの相対性原理 (1)ガリレイの相対性原理の要請 (2)運動法則の数学的表現 ② 空間・時間の性質 (1)絶対空間 (2)空間の一様性 (3)空間の等方性 (4)絶対時間と時間の一様性 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第4回 | ・ニュートンの運動法則とガリレイの相対性原理(その3) 4 ガリレイの相対性原理とガリレイ変換 ③ ガリレイ変換 (1)ガリレイ変換の表式 (2)速度の変換則 (3)加速度の不変性 ④ ニュートンの運動方程式の形不変性 ⑤ ガリレイ変換の一般化 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第5回 | ・非相対論的力学の適用限界(その1) 1 光速の普遍性 2 質量を持たない粒子 ① 非相対論的力学におけるエネルギーの表式 ② 光子のエネルギーの表式 ③ 中性パイメゾンの2光子崩壊 ④ 相対論的エネルギー−運動量の関係 ⑤ 量子論におけるアインシュタイン−ド・ブロイの関係 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第6回 | ・非相対論的力学の適用限界(その2) 3 運動する素粒子の平均寿命 ① 不安定粒子の寿命 (1)崩壊せずに生き残る確率 (2)素粒子の平均寿命 (3)半減期 ② ミューオンの崩壊 (1)ミューオン (2)ミューオンの平均寿命 ③ 運動する時計の遅れと平均寿命の延び ④ 宇宙線中のミューオンの平均寿命 ⑤ 非相対論的極限 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第7回 | ・電磁気学の基本法則とガリレイ変換(その1) 1 電磁気学の基本法則 ① マクスウェル方程式 ② ローレンツ力の法則 ③ 電荷間に働く力 2 波動方程式と真空中の電磁波 ① 波動方程式 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第8回 | ・電磁気学の基本法則とガリレイ変換(その2) 2 波動方程式と真空中の電磁波 ② 真空中の電磁波 (1)自由な電磁場の平面波解 (2)電場と磁場の波の関係 (3)平面波解の性質 ③ 遅延相互作用 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第9回 | ・電磁気学の基本法則とガリレイ変換(その3) 3 波動方程式とガリレイ変換 ① 波動方程式のガリレイ変換性 ② ガリレイ変換された波動方程式の特徴 ③ 1次元波動方程式の一般解とガリレイ変換 (1)ダランベールの解法 (2)初期値問題 (3)一般解のガリレイ変換 ④ 光の伝播と媒質 4 波動方程式とローレンツ変換 ① 波動方程式を形不変にする変換 ② 変換の性質 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第10回 | ・電磁気学の基本法則とガリレイ変換(その4) 5 運動の相対性と電磁場 ① ファラデーの法則と相対性 (1)起電力の発生に対する解釈 (2)起電力の発生に対する解釈の非対称性の原因 (3)特殊相対論による説明 ② ローレンツ力と相対性 (1)ローレンツ力と電荷の運動における矛盾 (2)電磁場の変換則 (3)電磁場の変換則を用いた説明 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第11回 | ・特殊相対論の基本原理とローレンツ変換(その1) 1 特殊相対論の基本原理 ① 光速の不変性と特殊相対性原理 ② 運動する光源から出る光の速さ 2 光速の不変性と特殊相対論における時間空間の概念 ① 特殊相対論における時間空間の構成 ② 慣性系及び慣性座標系の定義 ③ 空間的距離の尺度と単位 ④ 空間の等方性と時間・空間の一様性 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第12回 | ・特殊相対論の基本原理とローレンツ変換(その2) 3 ローレンツ変換 4 ローレンツ変換の物理的帰結 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第13回 | ・座標系の変換と相対性原理 1 座標系の変換とベクトル 2 ミンコフスキー時空とテンソル 3 相対論的不変性と共変性 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第14回 | ・相対論的力学 1 相対論的運動学 2 運動量とエネルギー 3 相対論的運動方程式 【事前学習】前回の授業内容について,理解を深めておくこと。(1時間) 【事後学習】講義の内容について,数式をチェックしながら十分復習すること。理解できない点については,その内容を整理し質問の準備をすること。(3時間) |
第15回 | ・理解度確認テスト及びその解説 【事前学習】与えられた課題について,十分学習しておくこと。(4時間) |
その他
教科書 |
風間洋一 著 『相対性理論入門講義[ISBN: 978-4-563-02321-8]』 現代物理学入門講義シリーズ 1 (培風館) 1997年 第1版
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参考書 |
(1)中野董夫 著 『相対性理論[ISBN: 978-4-00-029869-8]』 物理入門コース 新装版 (岩波書店) 2017年 第1版
(2)砂川重信 著 『相対性理論の考え方[ISBN: 978-4-00-007895-5]』 物理の考え方 5 (岩波書店) 1993年 第1版
(3)高橋康 著 『初等相対性理論─ジュニアからシニアまで[ISBN: 978-4-06-139549-7]』 (講談社サイエンティフィク) 1983年 第1版
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成績評価の方法 及び基準 |
(1)授業及びレポート課題への取組状況30%,理解度確認テスト70%の割合で総合的に評価する。 (2)出席回数が総授業回数の5分の3(9回)に満たない場合は,履修放棄として取り扱い,学業成績を評価E(判定不可)とする。 (3)授業開始から30分を経過した後に入室した場合は,欠席として取り扱うことがある。 |
質問への対応 | 授業終了後又は電子メール等により,随時対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
E-mail: yamada.kenji@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
木曜 船橋 12:10 ~ 12:50
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学生への メッセージ |
【令和4年度成績分布状況】履修者数 6名 S:1人(20.0%),A:1人(20.0%),B:1人(20.0%),C:1人(20.0%),D:1人(20.0%),E:1人 |