2023年 短期大学部 シラバス - 総合教育科目・補充教育科目
設置情報
科目名 |
技術者倫理
技術者倫理とリスクマネジメント
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 伊澤 正樹 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜6 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | N46A |
クラス | 建築・生活デザイン学科/ものづくり・サイエンス総合学科 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 科学技術に完璧はなく常にリスクが潜んでいる。技術者には、リスクが人々に危害を与えないようにすることに最大限の努力が求められる。 技術者として、「どう判断し、どう行動するか」を適切に判断することができるようになるため、「技術者倫理」、「リスクマネジメント」の知識を身に付ける。 本授業科目はDP8及びCP8に該当しています。 科目ナンバリング:LLiN-111 |
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授業形態及び 授業方法 |
教科書の内容を中心に、パワーポイントなどの静止画および動画等の資料を用いた解説による講義形式で進める。解説終了後の授業時間内に毎回テーマを出し短いレポートを実施する。 自動車会社、自動車部品会社で技術者として実務経験のある非常勤講師が、その経験を活かして、事件・事故に対する技術者の判断、行動について解説する。 《オンライン授業への対応》 授業は全て「オンデマンド型授業」で実施する。 CST-VOICEにて、授業資料(授業テキスト、課題、レポートの書式ファイルなど)を配布する。 Google Driveにて授業動画を配信(オンデマンド)するので、学生用NU-mailにてログインして視聴すること。 また、質問、意見交換には、CST-VOICEに設置されている「掲示板」を利用する。他の受講生も閲覧できる公の場なので、投稿内容には十分注意すること。(メールでの質問も可) 授業資料、授業動画は、第1回より、毎回、授業開始時間までに公開する。 当日出題した課題等のレポート類は次回授業の前日までを期限としてCST-VOICEの所定の場所に提出すること。 また当日出題した課題等のレポート類は次回の授業の中でフィードバックを行う。 |
履修条件 | 技術者を目指す学生。 「倫理」の予備知識は必要としない。 |
授業計画
第1回 | 授業形態:オンライン(オンデマンド)授業にて実施 事前学習:教科書のはじめに、第1章をよく読み、技術者倫理とは何か、調べておく(120分) 講義内容:「技術者倫理はなぜ必要か」 教科書の著者が関わった事例から、リスクと技術者、リスクマネジメントについて考える 課題:ミニレポート 事後学習:講義の内容(メタノール蒸留塔爆発事故の事例)からどのような教訓を得るか、自分自身で改めて考え直してみること。未提出の課題があれば完成させる(120分) |
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第2回 | 授業形態:オンライン(オンデマンド)授業にて実施 事前学習:教科書の第2章をよく読み、広義のリスクマネジメント、狭義のリスクマネジメントについて調べておく(120分) 講義内容:「リスクマネジメントとは何か」 福島第一原子力発電所の事故から見たリスクマネジメントと危機管理の課題、情報提供者としての専門家の責任について考える 課題:ミニレポート 事後学習:講義の内容(福島第一原子力発電所の事故の事例)からどのような教訓を得るか、自分自身で改めて考え直してみること。未提出の課題があれば完成させる(120分) |
第3回 | 授業形態:オンライン(オンデマンド)授業にて実施 事前学習:教科書の第3章P47-P58をよく読み、逸脱の正常化について調べておく(120分) 講義内容:「技術者と経営者(1)」 スペースシャトルチャレンジャー号の爆発事故。技術者の安全性を重視した打ち上げ延期の提案はなぜ認められなかったのか。経営者はなぜ打ち上げを強行したのかを考える 課題:ミニレポート 事後学習:講義の内容(スペースシャトルチャレンジャー号の爆発事故の事例)からどのような教訓を得るか、自分自身で改めて考え直してみること。未提出の課題があれば完成させる(120分) |
第4回 | 授業形態:オンライン(オンデマンド)授業にて実施 事前学習:教科書の第3章P58-P67をよく読み、ルメジャーの行動について調べておく(120分) 講義内容:「技術者と経営者(2)」 シティコープタワービルの事例、ビルの設計者自らが設計の欠陥を発見したときの行動を通して、技術者の倫理的責任、説明能力について考える 課題:ミニレポート 事後学習:講義の内容(シティコープタワービルの事例)からどのような教訓を得るか、自分自身で改めて考え直してみること。未提出の課題があれば完成させる(120分) |
第5回 | 授業形態:オンライン(オンデマンド)授業にて実施 事前学習:教科書の第4章P69-P73、P75-P78をよく読み、ALARPの原則について調べておく(120分) 講義内容:「説明責任(1)」 原子力発電(高増殖原型炉もんじゅのナトリウム漏れ事故)の事例から、説明責任の重要性について考える フィードバック:第1回~第4回のミニレポートを返却し、解説を行う 課題:ミニレポート 事後学習:講義の内容(もんじゅのナトリウム漏れ事故の事例)からどのような教訓を得るか、自分自身で改めて考え直してみること。未提出の課題があれば完成させる(120分) |
第6回 | 授業形態:オンライン(オンデマンド)授業にて実施 事前学習:試験範囲を復習しておく。教科書の第4章P78-P90をよく読み、リスクコミュニケーションについて調べておく(120分) 講義内容:「説明責任(2)」 化学物質の安全性、BSE(牛海綿状脳症、いわゆる狂牛病)の事例から、リスク認識、リスクコミュニケーションについて考える 課題:ミニレポート 課題:中間レポート(第1回目~第4回目の内容) 事後学習:講義の内容(洗剤の安全税問題、BSEの事例)からどのような教訓を得るか、自分自身で改めて考え直してみること。未提出の課題があれば完成させる(120分) |
第7回 | 授業形態:オンライン(オンデマンド)授業にて実施 準備学習:教科書の第5章をよく読み、危機管理の原則について調べておく(120分) 講義内容:「危機管理」 雪印乳業の集団食中毒事件、J&J社のタイレノール事件、参天製薬の「目薬」脅迫事件の事例から、トラブルにどう対処するか危機管理について考える フィードバック:中間試験の解説を行う 課題:ミニレポート 事後学習:講義の内容(雪印乳業の集団食中毒事件の事例)からどのような教訓を得るか、自分自身で改めて考え直してみること。未提出の課題があれば完成させる(120分) |
第8回 | 授業形態:オンライン(オンデマンド)授業にて実施 事前学習:教科書の第6章をよく読み、変更管理について調べておく(120分) 講義内容:「変更管理」 JCO東海事業所臨界事故から、現場の改善提案とそれに伴うリスク、変更管理について考える 課題:ミニレポート 事後学習:講義の内容(JCO東海事業所臨界事故の事例)からどのような教訓を得るか、自分自身で改めて考え直してみること。未提出の課題があれば完成させる(120分) |
第9回 | 授業形態:オンライン(オンデマンド)授業にて実施 事前学習:教科書の第7章P135-P147, P152-P157をよく読み、(ヒューマンエラーについて調べておく(120分) 講義内容:「ヒューマンエラー」 JR西日本福知山線脱線事故の事例から、ヒューマンエラー、ヒューマンファクターについて考える 課題:ミニレポート 事後学習:講義の内容(JR西日本福知山線脱線事故の事例)からどのような教訓を得るか、自分自身で改めて考え直してみること。未提出の課題があれば完成させる(120分) |
第10回 | 授業形態:オンライン(オンデマンド)授業にて実施 事前学習:教科書の第8章をよく読み、誤使用の分類について調べておく(120分) 講義内容:「製品事故と製造物責任」 塩素系カビ取り剤の死亡事故、シュレッダーによる指切断事故、森ビル自動回転ドア死亡事故、シンドラー社のエレベータ事故、4つの事例から、製品安全に対する製造者・技術者の責任について考える フィードバック:第5回~第9回のミニレポートを返却し、解説を行う 課題:ミニレポート 事後学習:講義の内容(4つの事例)からどのような教訓を得るか、自分自身で改めて考え直してみること。未提出の課題があれば完成させる(120分) |
第11回 | 授業形態:オンライン(オンデマンド)授業にて実施 事前学習:教科書の第9章P183-P197、P203-P207をよく読み、リコール制度について調べておく(120分) 講義内容:「企業不祥事と技術者の行動」 三菱自動車リコール事件、食品不祥事(不二家)を事例として、企業における技術者のジレンマと行動について考える 課題:ミニレポート 事後学習:講義の内容(三菱自動車リコール事件の事例)からどのような教訓を得るか、自分自身で改めて考え直してみること。未提出の課題があれば完成させる(120分) |
第12回 | 授業形態:オンライン(オンデマンド)授業にて実施 事前学習:教科書の第10章をよく読み、内部通報、内部告発について調べておく(120分) 講義内容:「内部告発」 雪印食品牛肉偽装事件、トナミ運輸ヤミカルテル事件、首都高速道路公団事件の事例から、内部告発の実情を認識した上で、技術者の説明責任について考える 課題:ミニレポート 事後学習:講義の内容(3つの事例)からどのような教訓を得るか、自分自身で改めて考え直してみること。未提出の課題があれば完成させる(120分) |
第13回 | 授業形態:オンライン(オンデマンド)授業にて実施 事前学習:社会で発生した情報セキュリティ事件・事故について理解しておくこと(120分) 講義内容:「情報倫理とセキュリティ」 個人情報漏洩、ウィルスの伝播など情報化社会で加害者とならないための情報倫理、情報セキュリティについて考える 課題:ミニレポート 事後学習:講義の内容(ジャパネットたかたの事例)からどのような教訓を得るか、自分自身で改めて考え直してみること。未提出の課題があれば完成させる(120分) |
第14回 | 授業形態:オンライン(オンデマンド)授業にて実施 事前学習:教科書の第11章P229-P248をよく読み、技術者の社会的責任について調べておく(120分) 講義内容:「技術者が期待されていること(1)」 技術者倫理とは何か、技術者の社会的責任、説明責任、技術者の行動、安全について考える フィードバック:第10回~第13回のミニレポートを返却し、解説を行う 課題:最終レポート(第5回目~第4回目の内容) 事後学習:講義の内容(JR東日本の事例等)からどのような教訓を得るか、自分自身で改めて考え直してみること。未提出の課題があれば完成させる(120分) |
第15回 | 授業形態:オンライン(オンデマンド)授業にて実施 事前学習:教科書の第11章P248-P257をよく読み、技術者の行動規範について調べておく。第6回~第14回の授業内容を復習しておく(120分) 講義内容:「技術者が期待されていること(2)」 全体のまとめとして、期待される技術者について考える 事後学習:講義全体を通してどのような教訓を得るか、どのような技術者を目指すか、自分自身で改めて考え直してみること(120分) |
その他
教科書 |
中村昌允 『技術者倫理とリスクマネジメント-事故はどうして防げなかったのか?-』 オーム社 2012年 第1版
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
毎回の講義終了時のレポート(40%)及び 中間レポート及び最終レポート (60%)。 出席回数が総授業回数の5分の3(9回)に満たない場合は,履修放棄として取り扱い,学業成績を評価E(判定不可)とする。 オンライン授業の出席は、CST-VOICEの「出席登録」にて行う。 |
質問への対応 | CST-VOICEに設置されている「掲示板」を利用して質問可能。他の受講生も閲覧できる公の場なので、投稿内容には十分注意すること。 また「オンデマンド型授業」の特性上、講師への質問をメールでも随時受け付ける(メールアドレスは下記参照) |
研究室又は 連絡先 |
伊澤正樹:izawa.masaki@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
技術が細分化・高度化された現代では、それぞれが専門家。専門家同士が、それぞれの分野で最善を尽くすことが前提で成り立っています。技術者の最も優先される責務は、科学技術のもたらす危害を防ぐことです。そのためには、一人一人が技術者としての誇りを持ち、倫理観に則って行動する必要があります。 |