2023年 短期大学部 シラバス - 総合教育科目・補充教育科目
設置情報
科目名 | 科学技術と人間 | ||
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 島村 修平 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜6 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | N46M |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 現代に生きる私たちにとって、科学や科学技術はとても身近なものです。この授業の目標は、そうした身近な科学の営みについて、改めて「科学とは何か?」と問い直してみることにあります。もっと具体的に言うと、この授業で取り組むのは、例えば次のような問いです。 ・なぜ科学が生まれたのは東洋ではなく西洋だったの? ・なぜ科学では理屈と実証のバランスがうまく取れているの? ・科学と非科学の境目はどこにあるの? ・物事を科学的に説明するとはどういうこと? ・科学によって世界の本当の成り立ちが分かるって本当? 科学に関するこうした問いに取り組む分野を「科学哲学」と言います。科学哲学の問いは、科学の問いとは少し性格が違います。科学の問いは、うまく答えることができれば、様々な現象の理解をもたらします。これに対して、科学哲学の問いが目指すのは、科学という営みそれ自体を理解することです。上に挙げた問いに取り組むことを通じて、それまで当たり前だと思っていた科学の不思議な一面が見えてきたなら、この授業の目標は達成されたことになります。 本授業科目はDP1及びCP1に該当しています。 科目ナンバリング:LLiN-113 |
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授業形態及び 授業方法 |
オンデマンド型授業です。 この授業には、講義の回と演習の回があります。 ●講義の回(全11回) ・各回毎にその回の要点を記載したハンドアウトを配布します。 ・各回の最後にその回の要点の理解を問う小テストを出題し、次の回にその小テストを解説します。なお、小テスト提出期限は、次の回の講義日前日までです。 ・成績評価の70%を占める平常点は、これらの小テストを中心に採点されます。 もし小テストの解説を聞いて分からない部分がある場合には、そのままにせず、必ずその日の内に質問に来てください。 ●演習の回(全3回) ・これらの回の主役は受講者であるあなた達です。 ・サイレント・ダイアローグ(SD)を通じて、科学哲学の問題を受講者同士で考えてもらいます。SD回に限って、本来の開講時限でのオンタイム参加を推奨しますが、都合がつかない人は時間外で参加することも可能です。なお、SD回の成果物(SDシート)の提出期限も、次の回の講義日の前日までとします。 ・成績評価の30%に当たる期末の小レポートでは、このとき考えたことを素材として利用できます。 |
履修条件 | 履修条件はとくにありません。 |
授業計画
第1回 | イントロダクション:科学と哲学の切っても切れない関係 【事前学習(120分)】シラバスをよく読んでおく。 【事後学習(120分)】配布したハンドアウトを読み、クイズを解いておく。また、『科学哲学の冒険』第一章までを読んでおく。 |
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第2回 | I 科学の方法――なぜ科学は「理屈っぽい」のに「頭でっかち」にならないのか? 演繹と帰納 【事前学習(120分)】『科学哲学の冒険』第二章、第2節までを読んでおく。 【事後学習(120分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく(とくに、小テストに答えられるようにしておく)。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第3回 | 仮説演繹法 【事前学習(120分)】『科学哲学の冒険』第二章最後までを読んでおく。 【事後学習(120分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく(とくに、小テストに答えられるようにしておく)。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第4回 | SD:科学のここが不思議――素朴な疑問を言葉にしてみよう 【事前学習(120分)】科学について自分が不思議に思うことを疑問の形にし、それについて自分の考えをまとめておく。 【事後学習(120分)】配布物を利用して、SDの成果をまとめておく。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第5回 | II 科学の基礎を疑ってみる――帰納法って本当に大丈夫? 経験主義とヒュームの問題 【事前学習(120分)】『『科学哲学の冒険』第三章、第1節までを読んでおく。 【事後学習(120分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく(とくに、小テストに答えられるようにしておく)。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第6回 | カラスとエメラルド――投射可能性の問題 【事前学習(120分)】『『科学哲学の冒険』第三章、第4節を読んでおく(第2節・第3節はまだ読まなくてよい)。 【事後学習(120分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく(とくに、小テストに答えられるようにしておく)。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第7回 | III 合理的な知的活動としての科学 反証主義――科学から帰納を追い出したらどうなるだろう? 【事前学習(120分)】『『科学哲学の冒険』第三章までを読んでおく。 【事後学習(120分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく(とくに、小テストに答えられるようにしておく)。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第8回 | SD:科学と疑似科学を分けるものは何だろう? 【事前学習(120分)】科学といわゆるトンデモ科学の違いはどこにあるのかということについて、自分の考えをまとめておく。 【事後学習(120分)】配布物を利用して、SDの成果をまとめておく。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第9回 | IV 「科学的に説明する」ってどういうこと? 推論の観点から 【事前学習(120分)】『『科学哲学の冒険』第4章、第2節までを読んでおく。 【事後学習(120分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく(とくに、小テストに答えられるようにしておく)。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第10回 | 因果関係の観点から 【事前学習(120分)】『科学哲学の冒険』第4章、第3節から最後までを読んでおく。 【事後学習(120分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく(とくに、小テストに答えられるようにしておく)。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第11回 | V 科学的実在論vs. 科学的反実在論――「電子は実在する」って本当に言える? 理論の決定不全性 【事前学習(120分)】『科学哲学の冒険』第5章、第6章pp. 181-193までを読んでおく。 【事後学習(120分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく(とくに、小テストに答えられるようにしておく)。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第12回 | 奇跡論法と悲観的帰納法 【事前学習(120分)】『科学哲学の冒険』第6章を最後まで読んでおく。 【事後学習(120分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく(とくに、小テストに答えられるようにしておく)。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第13回 | 対象実在論 【事前学習(120分)】『科学哲学の冒険』第7章を最後まで読んでおく。 【事後学習(120分)】ハンドアウトを使って、要点を復習しておく(とくに、小テストに答えられるようにしておく)。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第14回 | SD:結局あなたはどう考える? 【事前学習(120分)】科学的実在論論争について自分の考えをまとめておく。 【事後学習(120分)】配布物を利用して、SDの成果をまとめておく。また、図書館に行って関連文献に当たり、理解をさらに深める。 |
第15回 | 自由論述の作成 【事前学習(240分)】これまで学んだ内容をハンドアウトを用いて(とくに小テストを中心)に復習しておく。また、自由論述に用いるSDの素材を準備しておく。 |
その他
教科書 |
戸田山和久 『科学哲学の冒険 [4140910224]』 NHK出版 2005年
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参考書 |
橋本穀彦 『<科学の発想>をたずねて 自然哲学から現代科学まで [9784903500423]』 左右社 2010年
飯田隆 『規則と意味のパラドクス [9784480097439]』 NHK出版 2016年
伊勢田哲治 『疑似科学と科学の哲学 [9784815804534]』 名古屋大学出版会 2003年
サミール・オカーシャ 『1冊でわかる 科学哲学 [9784000268967]』 岩波書店 2008年
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成績評価の方法 及び基準 |
平常点70%(小テスト×11回+SDシート提出×3回)と期末の小レポート30%。 |
質問への対応 | 授業に対する質問は、下記のメールにて受け付けます。 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台キャンパス・タワースコラ・S608研究室 船橋キャンパス・5号館・532研究室 shimamura.shuuhei@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
木曜 船橋 14:20 ~ 14:50
水曜 駿河台 12:20 ~ 13:10
金曜 駿河台 12:30 ~ 13:10
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学生への メッセージ |
科学を学ぶことで、身の回りのありふれた現象がそれまでと異なる角度から興味深く見えてくるという経験をしたことがある人は多いでしょう。それを「驚きの感覚(sense of wonder)」と呼ぶなら、この授業が目指すのは、科学そのものに対する「驚きの感覚」を喚起することです。そうした感覚を持って色々な角度から科学という営みについて深く考えてみることは、エンジニアや研究者の卵としてこれから科学を行う側に入っていくみなさんにとって、決して無駄にはならないはずです。 ***************************************** 【前年度成績分布状況】履修者数35名 S:7人(20%), A:9人(26%), B:4人(11%), C:3人(9%), D:12人(34%), E:0人 ***************************************** |