2023年 短期大学部 シラバス - 総合教育科目・補充教育科目
設置情報
科目名 |
歴史学
町家・町並みから見た現代に生きる歴史文化
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 藤島 幸彦 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜6 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | N56A |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | この講座では建築文化史を現代的視点から考察する。すなわち、「歴史は現代文化に生きている」という視点から、都市を中心にした歴史的建造物の保存・再生・活用の実例を学び、文化財に対して今なすべき事は何かを見出すことができる。そのために歴史ある町家や町並みの保存活用することでどんな効果があるのか、実例を通して検討する。そして、次代に伝えるべき歴史文化環境の必要性を確認することを最終目標とする。 本授業科目はDP1及びCP1に該当しています。 科目ナンバリング:LLiN-101 |
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授業形態及び 授業方法 |
オンデマンド型授業で、主に教科書を参照しつつ、分かりやすく解説する。Google classroomのこの講座に毎回オンデマンドファイルをアップロードする。(なお、初回・第2回は教科書を使わず、資料を提示しながら講義する。)また、その回のテーマに関する歴史的建造物(町家建築)や町並み景観の映像を写しながら、視覚的・実感的に理解できるようにする。毎回、その回に関する簡単な課題を出題し、小レポート・アンケートとして次の授業の前日までに提出していただく。フィードバックは次回以降の授業中で解説するか、解説コメントファイルをアップロードして対応する。 |
履修条件 | ●専門的な予備知識は不要。暗記も不要。ただ、広い視野から歴史を現代社会へ生かすという意識を持つこと。 ●日本の歴史ある町に見られる古い建築のデザインや特色に関心を持つこと ●文化史、文化財保護の予備知識 |
授業計画
第1回 | はじめに 学問としての建築文化史の意味と本講座の趣旨を解説 歴史環境と文化財保護の関係を考える。 【事前学習(80分)】この科目とその他の教養教育科目のシラバスを予め読み、何のためにこの科目を履修するのか?、予め考えておく。 【事後学習(160分)】授業後、ネット等を参照しつつ授業内で与えられた課題についての考察をまとめておくこと。 |
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第2回 | 歴史建築の保存・再生・活用 東京駅丸の内駅舎の歴史と現代に再生された姿・文京区千駄木の安田邸などの保存・再生・活用事例を紹介。 <予習>教科書『町家点描』の序言と目次に目を通し、教科書の構成を理解しておくこと (120分) <復習>授業で印象に残った町家の特色をノートにまとめる (120分) |
第3回 | 代表的な国の町並み保存地区(1) 滋賀県近江八幡市八幡(近江商人の本拠地・江戸時代さながらの町並み) <予習>教科書p.79~「近江八幡」に目を通す (120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第4回 | 代表的な国の町並み保存地区(2) 金沢市・ひがしの茶屋街(城下町金沢の繁栄の面影を残す町並み) <予習>教科書p.181~「ひがしの茶屋街」に目を通す(120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第5回 | 代表的な国の町並み保存地区(3) 京都市・嵯峨鳥居本(自然と調和した愛宕神社の門前町と郊外型町家) <予習>教科書p.49~「鳥居本の茶屋」に目を通す(120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第6回 | 代表的な国の町並み保存地区(4) 名古屋市緑区有松(有松絞りの商人町・東海道の面影を残す町並み、全国町並み保存連盟発祥の地としての意義) <予習>教科書p.233~「尾張有松の竹田家」に目を通す (120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第7回 | 代表的な国の町並み保存地区(5) 宮城県村田町(紅花商人の町・大震災からの復興を目指す町) <予習>教科書p.287~「宮城・村田町の大沼酒造」に目を通す (120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第8回 | 歴史的建築・町並み活用事例(1) 京都市西陣地区・伏見地区(京都市内の代表的な庶民街。伝統産業の生きる町) <予習>教科書p.23~「西陣の帯屋捨松」、p.59~「伏見の酒蔵造松本家」に目を通す(120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第9回 | 歴史的建築・町並み活用事例(2) 京都市島原地区(旧遊郭街に残る文化財建築に見る芸術性とその文化的再生) <予習>教科書p.31~、p.41~「島原の輪違屋(1)(2)」に目を通す(120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第10回 | 歴史的建築・町並み活用事例(3) 静岡県松崎町(なまこ壁の町並み・映画やテレビドラマのロケ地としての活用) <予習>教科書p.253~「伊豆下田の鈴木家」に目を通す(120分) ※主テーマの松崎に関してはp.262に書かれているので注意すること。 <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第11回 | 歴史的建築・町並み活用事例(4) 岡山県倉敷市下津井(北前船の港町の面影を残し、歴史景観再生に取り組む町) <予習>教科書p.111~「下津井の荻野家」に目を通す(120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第12回 | 歴史的建築・町並み活用事例(5) 福井県坂井市三国町(北前船の港町、空き家の再生活用を通して観光整備の進む町) <予習>教科書p.143~「越前三国の宮太旅館」に目を通す(120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第13回 | 歴史的建築・町並み活用事例(6) 長野県須坂市(北信濃の交通の要衝・豪商の館や蔵造りの町並み) <予習>教科書p.201~、p.211~「今井家」「田中本家」に目を通す(120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる(120分) |
第14回 | <レポート提出日>この日までに、レポートをネットで提出すること。(平常試験に相当する。レポート課題は6月後半にGoogle classroomにアップロードする) <理解度確認期間> 歴史文化を次代に伝えること 祇園祭に欠かせない京町家の重要性を事例に検討する。 <予習>教科書p.315~p.319「町家は生活と共に生きているー祇園祭と京町家-」に目を通す (120分) <復習>授業内容のポイントをノートにまとめる (120分) |
第15回 | 理解度確認期間のまとめと期末レポートの解説(フィードバック) 祇園祭と京町家の映像の続きを見ながら、歴史を活かしたまちづくりについて考える。 参考として、福岡県柳川市(北原白秋ゆかりの町・運河観光の町)の観光まちづくりについてコメントする。 <予習>教科書p.131~「柳川の北原白秋生家」に目を通すこと。 (120分) <復習>レポート解説を振り返り、自己採点してみる (120分) |
その他
教科書 |
藤島亥治郎・藤島幸彦 『町家点描』 学芸出版社 2016年 第7版
教科書には歴史を伝える町家の写真と図面が多数掲載されている。また、歴史的町家を取り巻く生活文化の特色が解説されている。必ず購入し、授業で参照すること。課題作成や理解には欠かせない。長く保存活用していただける本である。この点を納得した上で有効に活用してほしい。
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
期末レポート(80%)と平常点(課題提出・20%)で評価する。レポート課題は6月後半に発表する。オンライン授業をしっかり聴講して授業の筋道を理解し、教科書とノートを使いこなして努力すれば、合格点は取れ易いように配慮する。(逆にオンライン授業に集中しない、毎回の課題を提出しない、あるいは教科書も買わないのであれば期末レポートは難しいだろう。) |
質問への対応 | メールで気軽に質問してほしい。出来る限りお答えする。ただし、メールでの質問は、授業内容以外の事務所教務課等が対応すべき内容、および評価結果の質問には返信しない。 |
研究室又は 連絡先 |
fujishima.yukihiko20@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
専門科目以外の教科書を買うことや、講義を聴くことを負担に思う者の受講はお勧め出来ない。この授業では暗記は不要。受講生一人一人が「そこに“町家がある”歴史文化」に関心を持ち、歴史的環境を見出していただければと思う。 あくまでも選択科目であるから、上記の授業内容・教科書・評価方法等をよく吟味して、納得した上で登録していただきたい。 |