2023年 大学院理工学研究科 シラバス - 機械工学専攻
設置情報
| 科目名 | 流体工学特論Ⅰ | ||
|---|---|---|---|
| 設置学科 | 機械工学専攻 | 学年 | 1年 | 
| 担当者 | 松本 彰 | 履修期 | 前期 | 
| 単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜3 | 
| 校舎 | 駿河台 | 時間割CD | F13A | 
| クラス | |||
概要
| 学修到達目標 | この講義では非圧縮性粘性流体の物理現象の記述に重点をおき,以下の項目の理解を学習達成目標とする. ①連続体として流体をとらえ,その運動を記述できること.さらに,流体運動に特有な性質である「粘性」の役割を理解すること. ②非圧縮性Navier-Stokes方程式(NS方程式)の各項の物理的意味を理解し,具体的な流れ場に適用できること. ③境界層の概念を理解し,NS方程式から境界層方程式を求めること.境界層の間接的原因である物体に作用する圧力抵抗,直接的原因である摩擦抵抗を求めることができること. | 
|---|---|
| 授業形態及び 授業方法 | 「対面授業」 パワーポイントと講義プリントを用いて授業(含む演習)を進める. | 
| 準備学習(予習・ 復習等)の内容・ 受講のための 予備知識 | 基礎数学,基礎力学を修得していること. | 
授業計画
| 第1回 | 「シラバスの内容を確認の上,授業に臨むこと」 1回目の授業に入る前に,シラバスの主要部分を簡単に説明する. 1.プロローグ 物質の分類および性質,流体の粘性・圧縮性,連続体としての流体,流体の運動を支配する方程式 | 
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| 第2回 | 2.流れの運動学(1) 運動学であつかう変数(流体粒子の速度,加速度,変形,回転など),運動の記述法(ラグランジュ表示とオイラー表示),スカラー場とベクトル場の演算 【事前学習】講義プリント(1章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】演習問題1(別添)のベクトル関する問題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) | 
| 第3回 | 3.流れの運動学(2) テンソルの基礎,速度勾配テンソル,歪み速度テンソル,回転テンソル,固有値 【事前学習】講義プリント(2章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】演習問題1(別添)のテンソル関する問題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) | 
| 第4回 | 4.粘性流体の支配方程式 連続の式(質量保存則)とNavier-Stokes方程式(運動量保存則)の誘導 【事前学習】講義プリント(3章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習問題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) | 
| 第5回 | 5.渦の力学 渦線と渦管,自然渦と強制渦,ヘルムホルツの渦定理,渦度方程式の誘導 【事前学習】講義プリント(4章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習問題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) | 
| 第6回 | 6.Navier-Stokes方程式の厳密解(1) 定常平行流,円筒座標表示によるNavier-Stokes方程式,定常軸対称流 円形クエット流れ 【事前学習】講義プリント(5章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習問題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) | 
| 第7回 | 7.Navier-Stokes方程式の厳密解(2) 非定常平行流,レイリーの第1問題,振動平板による流れ(ストークスの第2問題) 【事前学習】講義プリント(6章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習問題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) | 
| 第8回 | 8.力学的相似性 次元解析,相似則,相似パラメータ 【事前学習】講義プリント(7章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習問題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) | 
| 第9回 | 9.Navier-Stokes方程式の近似解(1) 遅い流れ,レイノルズ数相似則,ヘルショウ流れ 【事前学習】講義プリント(8章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習問題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) | 
| 第10回 | 10.Navier-Stokes方程式の近似解(2) 球のまわりの遅い流れ,Stokes近似,Oseen近似 【事前学習】講義プリント(9章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習問題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) | 
| 第11回 | 11.境界層とは 渦度の拡散と移流,境界層方程式の誘導,境界層厚さの定義,排除厚さ,運動量厚さ 【事前学習】講義プリント(10章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習問題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) | 
| 第12回 | 12.平板に沿う境界層の解析解 Blasius方程式(非線形方程式)とその解 【事前学習】講義プリント(11章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習問題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) | 
| 第13回 | 13.境界層方程式の積分 Kármánの運動量積分方程式 【事前学習】講義プリント(12章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習問題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) | 
| 第14回 | 14.境界層の剥離 外部流の加速と減速による境界層への影響,境界層制御 【事前学習】講義プリント(13章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習問題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) | 
| 第15回 | 15.乱流問題への導入 乱流への遷移,層流の安定性 【事前学習】講義プリント(14章)をよく読んで理解できない箇所を明確にし,質問事項をまとめておくこと.(120分) 【事後学習】章末の演習問題を解き,授業内容の理解を深める.(120分) | 
その他
| 教科書 | 使用しない.毎授業の前にCST-VOICEに講義用プリントを掲示する. | 
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| 参考資料コメント 及び 資料(技術論文等) | 東京工業大学 機械工学科 編集 『機械工学のための数学Ⅰ -基礎数学-』 朝倉書店 2007年 第1版 (2)Hermann Schlichting, Boundary-Layer Theory, McGRAW-HILL BOOK COMPANY, 1979, 7 edition (3)Pijush. K. Kundu et al., Fluid Mechanics, ACADEMIC PRESS, 2016, 6 edition (1) 本講義で必要な基礎数学が網羅されている.
(2)世界的名著であり流体工学を専攻する学生に一読を薦めます.
(3)流体力学を基礎から勉強しようとする学生に薦めます.詳しく丁寧に記述されており,練習問題も多く含まれています. | 
| 成績評価の方法 及び基準 | 2回の課題レポート(8回目,15回目の講義終了時にCST-VOICEに掲示)によって3つの達成目標を評価する.100点満点で60点以上を合格とする. | 
| 質問への対応 | Eメールにおいて対応します. | 
| 研究室又は 連絡先 | Eメールアドレス : 初回の講義時に提示します. | 
| オフィスアワー | |
| 学生への メッセージ | 
