2024年 理工学部 シラバス - 航空宇宙工学科
設置情報
科目名 | 航空宇宙工学特殊講義 | ||
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設置学科 | 航空宇宙工学科 | 学年 | 1年 |
担当者 | 嶋田 徹 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜2 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | H32E |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | この講義の学修により、ロケットの基本的な動作原理、宇宙探査の主な方法、そしてこれらがどのようにして私たちを月やその先へと導いてきたかについての基礎的な理解を獲得します。さらに、新しい探査が月面での生活や資源の利用、さらには深宇宙探査に対して何を意味するのかについて理解を深めることができます。 |
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授業形態及び 授業方法 |
宇宙推進と宇宙探査に関する近年のニュースを題材にし、これらに含まれる重要なキーワードについて、スライドと配付資料を用いて解説します。授業は対面で行います。 JAXAと企業におけるロケットの研究開発の実務経験に基づき、宇宙推進や探査の基礎的な理解に必要な、学術、技術、実務の関係を実例を交えて解説します。 |
履修条件 | 1年次から受講できるように、専門用語や数学的記述を抑えます。当該分野に関心を抱く学生の受講を歓迎します。扱うニュース記事(英文)は短いものです。講義対象となる箇所を予告するので、事前に目を通して疑問点を洗い出しておくことが望ましいです。 |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP1・2・3・5及びCP1・2・3・5に該当しています。 |
授業計画
第1回 | ガイダンス、講義の概要説明と受講方法 「第1記事の確認」 "A new era of spaceflight? Promising advances in rocket propulsion", May 10, 2021 https://theconversation.com/a-new-era-of-spaceflight-promising-advances-in-rocket-propulsion-160396 | 【事前学習】シラバスの内容を読み授業の構成を理解しておく。第1記事の存在を確認し、ウェブ音声読み上げを試し、スピード調整し自分で聞けるスピードを探しておく。 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
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第2回 | 「現代ロケット工学への導入」 ロケット推進の原理、推進システムの基礎を紹介する。 | 【事前学習】第1記事の題名と項目構成を確認しておく。「作用反作用の法則」について考えておく。 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第3回 | 「化学推進1」 ロケット推進の基礎事項(推進原理、理想性能、 各種性能評価指標、ラバールノズルの原理)の解説 | 【事前学習】第1記事の「Chemiral rockets」の部分(最初の3つのパラグラフ)を読み、疑問点を整理しておく。 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第4回 | 「化学推進2」 第3回に引き続き、ロケット推進の基礎事項の解説 | 【事前学習】第3回講義資料の内容の理解を深めること 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第5回 | 「化学推進3」 固体ロケット(M−V),液体ロケット(F-1)先進的な推進技術(2段燃焼サイクル液体ロケット、ハイブリッドロケット等)の紹介 | 【事前学習】第1記事の「Chemiral rockets」の部分(第4パラグラフ)を読み、疑問点を整理しておく。 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第6回 | 「核熱推進」 核分裂の原理、ロケットエンジンへの応用、潜在的な利点と課題について | 【事前学習】第1記事の「Fission thermal rockets」を読み、疑問点を整理しておく。 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第7回 | 「電気推進」 イオンドライブの動作と、宇宙船の姿勢制御や衛星の軌道離脱における使用についての議論 | 【事前学習】第1記事の「Electric propulsion」を読み、疑問点を整理しておく。 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第8回 | 「革新的な推進コンセプト」 ソーラーセイルやレーザー推進等、将来の宇宙探査ミッションへの潜在的な可能性の紹介 | 【事前学習】第1記事の「Solar sails」を読み、疑問点を整理しておく。 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第9回 | 「理解度確認(1)及びその解説」 第1〜8回の授業の理解度を確認するために、記述式試験を行い、その後、内容について解説する。 | 【事前学習】講義内容(取り上げたキーワードの内容とそれらの相互関係等)の理解を深め、疑問点を整理しておく。 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること | 【事前学習】3時間 【事後学習】1時間 |
第10回 | 「第2記事の確認」 "Astronauts are returning to the Moon, but they won ’t be repeating the Apollo missions," , April 5, 2023. https://theconversation.com/astronauts-are-returning-to-the-moon-but-they-wont-be-repeating-the-apollo-missions-202489 | 【事前学習】第2記事の存在を確認し、題目や構成を把握する。 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第11回 | 「現代の月探査への導入」 アルテミスミッションの概要と、アポロとアルテミスの目標の比較 | 【事前学習】第2記事の最初の6つのパラグラフを読み、疑問点を整理しておく。 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第12回 | 「宇宙探査の技術と安全性」 アルテミスIIで使用される技術、Apollo 13、過去のミッションからの改善、関連するリスクへの対処について | 【事前学習】第2記事の「Risk is everywhere」の第3パラグラフまでを読み、疑問点を整理しておく。 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第13回 | 「深宇宙探査の課題」 放射線や深宇宙での救助シナリオに焦点を当てた技術的および環境的課題の探求 | 【事前学習】第2記事の「Risk is everywhere」全体を読み、疑問点を整理しておく。 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第14回 | 「月ミッション・宇宙探査の未来」 アルテミスIIの目標の詳細な分析、アルテミスIIIの計画に含まれる月面探査と資源利用、宇宙探査の社会政治的文脈の反映 | 【事前学習】第2記事の「A new confidence」以降を読み、疑問点を整理しておく。 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第15回 | 「理解度確認(2)及びその解説」 第10〜14回の授業の理解度を確認するために、記述式試験を行い、その後、内容について解説する。 | 【事前学習】講義内容(取り上げたキーワードの内容とそれらの相互関係等)の理解を深め、疑問点を整理しておく。 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること | 【事前学習】3時間 【事後学習】1時間 |
その他
教科書 |
特に教科書は用いません。 事前に講義のスライドをGoogle Classroomよりダウンロードできるようにします。
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参考書 |
R.W. Humble, G.N. Henry, W.J. Larson 『Space Propulsion Analysis and Design』 Space Technology Series The McGraw-Hill Companies, Inc. 1995年 第1st-Revised版
ロケットの基礎事項、化学ロケット、核熱推進、電気推進などの推進方式について、基礎から応用まで丁寧に解説されており、初学者にもおすすめできます。この本は、アメリカ国防総省とアメリカ航空宇宙局の共同活動である「宇宙技術シリーズ」(編集責任者: ウィリー・J・ラーソン)の一部として出版されました。
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成績評価の方法 及び基準 |
授業計画の第9回と第15回に行う「理解度確認(1と2)」を成績評価の対象とします。また、授業中の受講態度(出席状況や質問の積極性など)も「平常点」として評価し、全体の成績に反映します。成績評価は以下の配分で行います: - 「理解度確認(1)」: 全体の35% - 「理解度確認(2)」:全体の35% - 「平常点」: 全体の30% |
質問への対応 | 質問は対面でお願いします。 短い質問は、講義後の時間に受け付けます。それ以外は、オフィスアワーに受け付けます。 また要すれば、教員の日大メール宛で日時調整の上、船橋又は駿河台で対応することも可能です。 メールの件名は「航空宇宙工学特殊講義に関して(学生氏名)」とし、本文には「質問内容」と「対面希望日・午前/午後」「希望場所」を必ず含めてください。 |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎3号館3階337B メールアドレス : shimada.toru24@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 船橋 13:00 ~ 15:00
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学生への メッセージ |
宇宙輸送や宇宙探査は、人類のフロンティアを推し進める夢のある分野です。これらの入り口になれば嬉しいです。一緒に学びましょう。 |