2024年 理工学部 シラバス - 航空宇宙工学科
設置情報
科目名 | 圧縮性流体力学 | ||
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設置学科 | 航空宇宙工学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 阿部 新助 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜4 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | H34A |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 圧縮性流体力学(compressible fluid dynamics)は,高速空気力学(high speed fluid dynamics)とも呼ばれ,高速流を取り扱う学問である.高速流では,流体の密度が変化する圧縮性の影響が現れて,密度と温度の変化がもたらされる.この圧縮性の影響は,流れの速度が音速に近づくほど大きくなり,音速を超えると流れの特性が劇的に変化する「衝撃波」が発生する.本授業は,(1) 熱力学の復習を含めた粘性のない圧縮性流れの入門的な内容を理解し,(2) 物理学的思考で超音速機や大気再突入を理解することを目標としている. |
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授業形態及び 授業方法 |
・対面授業で板書を併用して実施します. ・適宜,演習を実施します. ・Google Classroomを併用します.. |
履修条件 | 流体力学I,流体力学II,熱力学I,熱力学II を修得していることが望ましい. |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP1・3及びCP1・3に該当しています. |
授業計画
第1回 | 授業科目概要説明 ・圧縮性流体力学・高速空気力学の適応範囲と学問の背景について学ぶ. | 【事前学習】「流体力学」および「熱力学」を復習し,シラバスの内容を確認の上,授業に臨むこと. 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること. | 【事前学習】1時間 【事後学習】1時間 |
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第2回 | 圧縮性流れについて ・流体の圧縮率と圧縮性について,物体の密度変化と音速の関係について学ぶ. | 【事前学習】圧縮性流体力学・高速空気力学の適応範囲と学問の背景について復習しておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること. | 【事前学習】1時間 【事後学習】1時間 |
第3回 | マッハ数 ・マッハ数,マッハ角,衝撃波の発生メカニズムの導入について学ぶ. | 【事前学習】流体の圧縮率と圧縮性について,物体の密度変化と音速の関係について復習しておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること. | 【事前学習】1時間 【事後学習】1時間 |
第4回 | 圧縮性流体力学の基礎方程式(1) ・圧縮性を考慮した基礎方程式(質量保存則,運動量保存則,エネルギ保存則)を学ぶ. | 【事前学習】マッハ数,マッハ角,衝撃波の発生メカニズムの導入について復習しておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること. | 【事前学習】1時間 【事後学習】1時間 |
第5回 | 圧縮性流体力学の基礎方程式(2) ・圧縮性流体力学の基礎方程式の積分系と微分系での表記法ついて学ぶ. | 【事前学習】圧縮性を考慮した基礎方程式(質量保存則,運動量保存則,エネルギ保存則)について復習しておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること. | 【事前学習】1時間 【事後学習】1時間 |
第6回 | 熱力学の基礎(1) ・圧縮性流体力学に必要な熱力学関係式を復習しながら導出し,等エントロピー流れの関係式について学ぶ. | 【事前学習】圧縮性流体力学の基礎方程式の積分系と微分系での表記法について復習しておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること. | 【事前学習】1時間 【事後学習】1時間 |
第7回 | 熱力学の基礎(2) ・断熱流のエネルギー方程式から得られる諸関係式,淀み点状態と臨界状態(マッハ数: M=1)について学ぶ. | 【事前学習】圧縮性流体力学に必要な熱力学関係式を復習しながら導出し,等エントロピー流れの関係式について復習しておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること. | 【事前学習】1時間 【事後学習】1時間 |
第8回 | 衝撃波の理論(1) ・垂直衝撃波の基礎方程式を導入し,衝撃波前後での密度・速度・圧力の間に成り立つ関係式「ランキン・ユゴニオの式」について学ぶ. | 【事前学習】断熱流のエネルギー方程式から得られる諸関係式,淀み点状態と臨界状態について復習しておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること. | 【事前学習】1時間 【事後学習】1時間 |
第9回 | 衝撃波の理論(2) ・地球大気圏(再)突入について,流星現象や地球帰還カプセルについて学ぶ. | 【事前学習】垂直衝撃波の基礎方程式を導入し,衝撃波前後での密度・速度・圧力の間に成り立つ関係式「ランキン・ユゴニオの式」について復習しておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること. | 【事前学習】1時間 【事後学習】1時間 |
第10回 | 衝撃波の理論(3) ・「ランキン・ユゴニオ(Rankine-Hugoniot)の式」の発展と応用,垂直衝撃波内のエントロピー変化について学ぶ. | 【事前学習】地球大気圏(再)突入について,流星現象や地球帰還カプセルについて復習しておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること. | 【事前学習】1時間 【事後学習】1時間 |
第11回 | 1次元定常流(1) ・無限小振幅の1次元波動と波動方程式ついて学ぶ.板書で行う. | 【事前学習】「ランキン・ユゴニオ(Rankine-Hugoniot)の式」の発展と応用,垂直衝撃波内のエントロピー変化について復習しておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること. | 【事前学習】1時間 【事後学習】1時間 |
第12回 | 1次元定常流(2) ・有限振幅の1次元波動と波動方程式ついて学ぶ.板書で行う. | 【事前学習】無限小振幅の1次元波動と波動方程式ついて復習しておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること. | 【事前学習】1時間 【事後学習】1時間 |
第13回 | 宇宙と自然界での衝撃波 ・宇宙と自然界での衝撃波について,幾つかの例を示しながら学ぶ. | 【事前学習】有限振幅の1次元波動と波動方程式ついて復習しておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること. | 【事前学習】1時間 【事後学習】1時間 |
第14回 | 1次元衝撃波管 ・ショック・チューブについて学ぶ. | 【事前学習】宇宙と自然界での衝撃波について復習しておくこと. 【事後学習】講義内容を復習し理解を深めること. | 【事前学習】1時間 【事後学習】1時間 |
第15回 | 平常試験およびその解説 | 【事前学習】「第1回〜第14回」について復習しておくこと. 【事後学習】平常試験の解説と授業全体を復習し理解を深めること. | 【事前学習】1時間 【事後学習】1時間 |
その他
教科書 |
松尾一泰 『圧縮性流体力学』 オーム社 1994年 第17版
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
平常試験,提出課題等で評価する. |
質問への対応 | 授業後および研究室にて随時受け付けます. メール問い合わせ;abe.shinsuke@nihon-u.ac.jp |
研究室又は 連絡先 |
船橋校舎3号館331B室 |
オフィスアワー |
木曜 船橋 10:00 ~ 17:00
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学生への メッセージ |
超音速機や大気突入環境を理解する上で必要な流体物理の入門的な内容です. |