2024年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 | 無機固体化学 | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 小嶋 芳行 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 水曜1 水曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L31T L32R |
クラス | A,B | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 無機材料の特徴的なパターンとしてのイオン結晶を中心として,原子やイオンを素材とする結晶の基本構造の組みたて,温度,圧力などの状態変化による配列の組みかえ,物性の変化など,工学的に意義の大きい固体の物質変化の基本原理を構造論の立場から解説する.この科目を受講することにより,まず有機,無機化合物にかかわらず結晶は7種類に分類することを理解し,さらに無機化合物の構造および配位数を理解することにより,構造により物性が決まることなどがわかるようになる. 本授業科目はDPの1,3,5およびCPの1,3,5に該当しています. |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
授業は基本対面で授業を行う.指定の教科書の内容を中心にして,板書をして講義を行う.必要に応じてプリントを配布する.また,予習のためのレポート提出がある.レポートに対するフィードバックは提出後の授業内で行う. |
履修条件 | 基礎無機化学,無機化学ⅠおよびⅡを受講していることが望ましい. |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP1・3・5及びCP1・3・5に該当しています. |
授業計画
第1回 | 授業:授業のガイダンスについて その後,化学結合と固体物性において1次結合である,イオン結合,共有結合および金属結合について説明をする キーワード:イオン結合,共有結合,金属結合 予習:これまでに行った授業でイオン結合,共有結合とはどんな結合であったのかを調べる(2時間) 復習:教科書のp.1~3を読み,授業でわからないことを本を読んで理解する(2時間) | これまでに行った授業でイオン結合,共有結合とはどんな結合であったのかを調べる(2時間) | 教科書のp.1~3を読み,授業でわからないことを本を読んで理解する(2時間) |
---|---|---|---|
第2回 | 授業:2次結合である双極子結合,水素結合,配位結合について説明をし,1次結合の比較を行う.さらに,結晶学の基礎を説明する. キーワード:双極子結合,水素結合,平行六面体,並進操作 予習:教科書p.3~6ページを読んで授業内容を確認しておくこと.(2時間). 復習:1次結合および2次結合とはどのような結合であったのかを理解しているのか確認.(2時間). | 教科書p.3~6ページを読んで授業内容を確認しておくこと.(2時間). | 1次結合および2次結合とはどのような結合であったのかを理解しているのか確認.(2時間). |
第3回 | 授業:Bravais空間格子の単位格子について説明を行い,その後ミラー指数を説明する.これにより結晶の面の意味を理解することができるようになる.(レポート) キーワード:単純単位格子,複合単位格子,Bravais格子,ミラー指数 予習:教科書p.4~7を熟読すること.とくに,7つの結晶系について理解をしておくこと.(2時間) 復習:実際に7つの結晶系および14種類の単位格子(Bravais格子)を理解しているの確認.酸化アルミニウム,酸化カルシウム,酸化ケイ素,酸化亜鉛,炭酸カルシウムはどのような結晶系であるのかレポート提出.(2時間) | 教科書p.4~7を熟読すること.とくに,7つの結晶系について理解をしておくこと.(2時間) | 実際に7つの結晶系および14種類の単位格子(Bravais格子)を理解しているの確認.酸化アルミニウム,酸化カルシウム,酸化ケイ素,酸化亜鉛,炭酸カルシウムはどのような結晶系であるのかレポート提出.(2時間) |
第4回 | 授業:レポートの振り返り.ミラー指数が理解できているのか確認し,その後面間隔と面指数の関係を説明する. さらに,X線回折法(Braggの条件)について説明をする. キーワード:面間隔,X線,回折図形,特性X線,Braggの式 予習;教科書のp.7~10を熟読し,とくにBraggの条件が成り立つためにはどのような条件が必要なのかを考える.(2時間) 復習:Braggの条件が成り立つことを友達に説明できるようにする.(2時間) | 教科書のp.7~10を熟読し,とくにBraggの条件が成り立つためにはどのような条件が必要なのかを考える.(2時間) | Braggの条件が成り立つことを友達に説明できるようにする.(2時間) |
第5回 | 授業:結晶配列の基礎のイオン半径と球充填モデルを説明する.イオン半径を決めるポイントを説明する.さらに,結晶配列の基礎形を説明する.ここは非常に重要なので予習をきちんとしておく.(レポート) キーワード:イオン半径,配位数 予習:教科書p.13~16を熟読しておく.とくに,イオン半径はどのように変化しているのか,およびp.16の表で配位数3,4,6および8のrM/rXが0.155,0.225,0.414および0.732となることをレポートとして提出.(2時間) 復習:イオン半径の大小が理解できているのかを確認.さらに,配位数とrM/rXの関係を理解しておく.(2時間) | 教科書p.13~16を熟読しておく.とくに,イオン半径はどのように変化しているのか,およびp.16の表で配位数3,4,6および8のrM/rXが0.155,0.225,0.414および0.732となることをレポートとして提出.(2時間) | イオン半径の大小が理解できているのかを確認.さらに,配位数とrM/rXの関係を理解しておく.(2時間) |
第6回 | 授業:レポートの振り返り.最密充填,準最密充填について説明をする.炭素の同素体であるダイヤモンドと黒鉛の構造とそのせいつの違いについて説明する. キーワード:立方最密充填,六方最密充填,sp2混成,sp3混成,ダイヤモンド,黒鉛 予習:教科書p.17~20をみておくこと.立方および六方最密充填,準最密充填およびダイヤモンドの充填率が74,68および34%であることをレポートとして提出.(2時間) 復習:上記のことが自分自身できちんと説明できているのかを確認.(2時間) | 教科書p.17~20をみておくこと.立方および六方最密充填,準最密充填およびダイヤモンドの充填率が74,68および34%であることをレポートとして提出.(2時間) | 上記のことが自分自身できちんと説明できているのかを確認.(2時間) |
第7回 | 授業:AB2型結晶のMX6,MX8について説明をする.その後,格子エネルギーについて説明を行う. キーワード:格子エネルギー,Madelung定数,Born-Haberサイクル 予習:教科書p.23~27をよくみておくこと.とくに,Born-Haberサイクルを確認しておくこと.(2時間) 復習:教科書に掲載されている構造を理解しているのか確認.格子エネルギーを求める方法を理解しているのかを確認.(2時間) | 教科書p.23~27をよくみておくこと.とくに,Born-Haberサイクルを確認しておくこと.(2時間) | 教科書に掲載されている構造を理解しているのか確認.格子エネルギーを求める方法を理解しているのかを確認.(2時間) |
第8回 | 授業:これまでの授業の復習 キーワード:結晶系,面指数,ブラッグの条件,格子エネルギー,Madelung定数,Born-Haberサイクル 予習:これまでの授業の振り返り(2時間) 復習:教科書に掲載されている構造などを理解しているのか確認.(2時間) | これまでの授業の振り返り(2時間) | これまでの授業の振り返り(2時間) 復習:教科書に掲載されている構造などを理解しているのか確認.(2時間) |
第9回 | 授業:レポートの振り返り.単一酸化物について説明をする.その後,複合酸化物であるスピネルとペロブスカイトについて説明を行う. キーワード:アルミナ,複合酸化物,スピネル,ペロブスカイト 予習:教科書p.28~31を熟読しておくこと.なぜ,酸化アルミニウムはダイヤモンドについで硬いのかを理解しておく.(2時間) 復習:酸化アルミニウムはどのような構造であるためにダイヤモンドについで硬いのかを説明できるか確認.(2時間) | 教科書p.28~31を熟読しておくこと.なぜ,酸化アルミニウムはダイヤモンドについで硬いのかを理解しておく.(2時間) | 酸化アルミニウムはどのような構造であるためにダイヤモンドについで硬いのかを説明できるか確認.(2時間) |
第10回 | 授業:酸素酸塩について説明を行った後,固溶体と複塩について自分の研究成果も含め説明する. キーワード:酸素酸塩,固溶体,複塩 予習:教科書p.32~34をよく読んでおくこと.(2時間) 復習:固溶体と複塩の違いをきちんと説明できるか確認.(2時間) | 教科書p.32~34をよく読んでおくこと.(2時間) | 固溶体と複塩の違いをきちんと説明できるか確認.(2時間) |
第11回 | 授業:ケイ酸塩の分類について説明をする. キーワード:ケイ酸イオン,ピロケイ酸イオン,シクロケイ酸イオン,鎖状,層状 予習:教科書p.35の表を理解するために,p.36~40ページをよくみておくこと.(2時間) 復習:教科書p.35の表の分類と示性式がきちんと理解できているのか確認.(2時間) | 教科書p.35の表を理解するために,p.36~40ページをよくみておくこと.(2時間) | 教科書p.35の表の分類と示性式がきちんと理解できているのか確認.(2時間) |
第12回 | 授業:熱分析について自分の研究成果も含めて説明をする. キーワード:示差熱分析,結晶水,結晶転移 予習:教科書p.41~47をよく見ておくこと.(2時間) 復習:ドロマイト,カルサイトの熱分解がどのように進行するのか,DCPDがピロリン酸カルシウムになる時にいくつの水分子を放出するのかを理解できているのか確認.(2時間) | 教科書p.41~47をよく見ておくこと.(2時間) | ドロマイト,カルサイトの熱分解がどのように進行するのか,DCPDがピロリン酸カルシウムになる時にいくつの水分子を放出するのかを理解できているのか確認.(2時間) |
第13回 | 授業:結晶転移,状態図およびガラスの生成について説明をする. キーワード:再編型転移,状態図,ガラス,ガラス転移温度 予習:教科書p.47~60をよくみておくこと.(2時間) 復習:転移はどうしておこるのか,状態図を理解できているのか確認.(2時間) | 転移はどうしておこるのか,状態図を理解できているのか確認.(2時間) | 教科書p.47~60をよくみておくこと.(2時間) |
第14回 | 授業:ガラスの構造および種類について説明する. キーワード:石英ガラス,短距離秩序性,ケイ酸ガラス(クリスタルガラス,ホウケイ酸塩ガラス) 予習:教科書p.57~63をよくみておくこと.ガラスにはなぜCaOyaNa2Oが必要なのかを理解しておくこと.(2時間) 復習:ガラスはなぜX線回折でピークがでないのか,ガラスの性質は何で決まるのかを確認.(2時間) | 教科書p.57~63をよくみておくこと.ガラスにはなぜCaOやNa2Oが必要なのかを理解しておくこと.(2時間) | ガラスはなぜX線回折でピークがでないのか,ガラスの性質は何で決まるのかを確認.(2時間) |
第15回 | 授業:試験およびその解説 予習:これまでの授業をよく整理しておくこと 復習:わからないところを今一度ノートなどで確認しておくこと | これまでの授業をよく整理しておくこと | わからないところを今一度ノートなどで確認しておくこと |
その他
教科書 |
荒井康夫・安江 任 著 『ファインセラミックスの構造と物性』 技報堂出版 2004年 第1版
無機材料物性でも使用します.また,大学院の講義でも使用します.
|
---|---|
参考書 |
必要に応じてコピーしたものを配布
|
成績評価の方法 及び基準 |
試験80% レポート20% |
質問への対応 | 授業終了後,教室で対応 あるいは研究室(226A)にて対応 |
研究室又は 連絡先 |
研究室:2号館226A室or221室 03-3259-0868 E-mail:kojima.yoshiyuki@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
月曜 駿河台 13:00 ~ 17:00
|
学生への メッセージ |
無機材料の構造は難しいかもしれませんが,無機材料の魅力を伝えます. |