2024年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 | 専門化学実験Ⅵ | ||
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設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 遠山・梅垣 他 | 履修期 | 前期 |
単位 | 3 | 曜日時限 | 木曜3・4・5 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L43O |
クラス | A・B | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 | ||
その他 | 実務経験のある教員による授業科目 |
概要
学修到達目標 | 実験により化学工学・無機化学・高分子化学に関する理解を深めるとともに,物性の評価方法を習得することができる.そこでまずVIa実験として,身近で活躍する材料の物性を評価するために,無機材料として代表的なセラミックスであるセッコウ硬化体と,代表的な磁性材料である亜鉛置換型フェライトを合成し,微細構造,磁性,熱的性質,機械的特性の評価方法を習得する.また高分子材料として,高分子フィルムのガラス転移温度の測定などから組成の決定,物性の評価方法を習得する.次にVIb実験として,化学工学が取り扱う学問体系の中から,化学工学実験として,物質収支単位操作(化学プロセスに共通する物理操作の総称)を重点的に習得する.実験課題は単位操作の中から,蒸留,流体輸送操作を選択する.これに化学工学の基礎として,物質収支の考え方を実習するために単蒸留と,蒸留分離の基礎物性である気液平衡に関する課題に取り組む. |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」 複数のグループに分かれて実験を行う.新型コロナウイルス感染症またはインフルエンザと診断された場合は,「新型コロナ・インフルエンザ罹患等申請システム」で必ず報告すること.担当教員より指示がある. 実験の日程はVIa実験(材料物性分野)およびVIb実験(化学工学分野)の実験講義で確認すること. 共通での安全講義のほか,VIa実験(材料物性分野)は6テーマ,VIb実験(化学工学分野)は3テーマの実験を行う.また,各実験課題について1班2~3人で実験する.なお,各実験前に予習レポートを必ず作成すること.また実験指導を行う教員に実務経験者を配置し,実務経験に即した実践的な実験指導と実験レポートの添削と評価を行う. |
履修条件 | 【VIa実験】 無機化学系・高分子化学系の講義内容を十分に理解していること. 【VIb実験】 基礎物理化学,量論化学工学I・IIを履修済みで,物質分離工学と流動・伝熱操作も履修していることが望ましい. |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP1・3・4・6・7及びCP1・3・4・6・7に該当しています. |
授業計画
第1回 | 実験を行うに当たっての諸注意及び実験を行う上での安全についての講義を行う. | 【事前学修】安全化学教育のためのテキストを読み,理解しておくこと 【事後学修】講義の内容を整理し,自分がこれから行う実験の中にどのような危険が潜んでいるか予想を立てること | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
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第2回 | Ⅵa実験(材料物性系) 実験内容及び操作などについての講義を行う. | 【事前学修】テキストを事前に読み,実験手順等を十分理解しておくこと 【事後学修】これから実施する実験について具体的な手順を理解するとともに,分からないところがあれば質問できるように整理しておくこと | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第3回 | セラミックスの作製 -セッコウ硬化体の作製- 簡便に作製できるセラミックスであるセッコウ硬化体を作製し,混水量と凝結時間の関係について理解する. | 【事前学修】実験手順について予習し,予習レポートを作成する 【事後学修】実験結果を整理し,本レポートを作成する | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第4回 | 磁性材料の作製 -フェライトの合成- 身近な磁性材料である亜鉛置換型フェライトを合成し,結晶構造と磁性発現機構について理解する. | 【事前学修】実験手順について予習し,予習レポートを作成する 【事後学習】実験結果を整理し,本レポートを作成する | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第5回 | 材料の物性評価 -機械的強度測定及び走査型電子顕微鏡観察- セラミックスの機械的性質を曲げ強さ試験から評価し,微細構造について走査型電子顕微鏡により観察する. | 【事前学修】実験手順について予習し,予習レポートを作成する 【事後学修】実験結果を整理し,本レポートを作成する | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第6回 | 熱重量分析(TGA)-水酸化亜鉛の熱分解- 簡易熱重量分析装置を組み,既知試料及び未知試料を測定することで,熱重量分析の原理及び基礎を学ぶ. | 【事前学修】実験手順について予習し,予習レポートを作成する 【事後学修】実験結果を整理し,本レポートを作成する | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第7回 | 熱機械測定(TMA)-高分子フィルムのガラス転移温度(Tg)測定- 簡易熱機械測定装置を組むことで,熱機械測定の原理を学ぶ.また,各種高分子フィルムのTMA測定によりガラス転移温度の評価を行う. | 【事前学修】実験手順について予習し,予習レポートを作成する 【事後学修】実験結果を整理し,本レポートを作成する | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第8回 | データ処理(TGA:分解温度,未知試料の組成決定 TMA:Tgの決定,未知試料の評価) TGA及びTMA測定で得られた結果を用いてグラフを作図し,解析を行う. | 【事前学修】実験手順について予習し,予習レポートを作成する 【事後学修】実験結果を整理し,本レポートを作成する | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第9回 | Ⅵb実験(化学工学分野) 実験講義として,実験の内容・操作及び諸注意を与える. | 【事前学修】テキストを事前に読み,実験手順等を十分理解しておくこと 【事後学修】これから実施する実験について具体的な手順を理解するとともに,分からないところがあれば質問できるように整理しておくこと | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第10回 | 物質収支 -単蒸留-(実験) 化学プロセスの解析あるいは運転にあたって重要な基礎事項となる物質収支をメタノール+水系の単蒸留実験を通して実習する. | 【事前学修】実験手順について予習し,予習レポートを作成する 【事後学修】実験結果を整理し,本レポートを作成する | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第11回 | 物質収支 -単蒸留-(データ解析) 前回に行った単蒸留実験の結果と,単蒸留の物質収支を表す理論式であるRayleighの式から計算した各量を比較する.また,両者が一致しない場合は,その原因を考察する. | 【事前学修】解析手順について予習する 【事後学修】解析結果を整理し,本レポートを作成する | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第12回 | 流体輸送 -円管内流体の圧力損失-(実験) 流体輸送の基礎事項であるエネルギー収支式を理解し,また円管内流動における圧力損失を実測し,圧力損失とレイノルズ数の関係を調べる. | 【事前学修】実験手順について予習し,予習レポートを作成する 【事後学修】実験結果を整理し,本レポートを作成する | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第13回 | 流体輸送 -円管内流体の圧力損失-(データ解析) 前回に行った測定結果に基づき,最小二乗法により圧力損失とレイノルズ数の実験式を求める. | 【事前学修】解析手順について予習する 【事後学修】解析結果を整理し,本レポートを作成する | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第14回 | 物質の状態と物性 -気液平衡-(実験) 化学プロセスの開発や設計に不可欠となる物質の物理的・化学的性質,すなわち物性について理解するため,メタノール+水系の気液平衡を101.3kPaにおいて測定する. | 【事前学修】実験手順について予習し,予習レポートを作成する 【事後学修】実験結果を整理し,本レポートを作成する | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
第15回 | 物質の状態と物性 -気液平衡-(データ解析) 前回に測定した気液平衡データについて解析を行い,気液平衡を表現する理論を習得する. | 【事前学修】解析手順について予習する 【事後学修】実験結果を整理し,本レポートを作成する | 【事前学修】1時間 【事後学修】1時間 |
その他
教科書 |
大月 穣・青山 忠・浮谷基彦・遠山岳史・松田弘幸 編 『理工系のための化学実験 -基礎化学からバイオ・機能材料まで- [ISBN978-4-320-04450-0]』 共立出版 2018年 初版2刷 2018年年
上記を用いて講義・実験を行う.ついては,自分が担当する実験部分をあらかじめ熟読し,予習しておくこと.
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参考書 | |
成績評価の方法 及び基準 |
(ⅰ) 実験への準備状況及び実験に取り組む姿勢,積極性(50%) (ⅱ) 提出された実験レポート(50%) ※実験分野ごとに指定するレポートが1つでも未提出であった場合は,成績評価を行わない. |
質問への対応 | 実験時間中およびメールで随時受け付ける.メールアドレスは下記の通り.VIa実験とVIb実験でメールアドレスが異なる.注意すること. 【専門化学実験VIa】(「あっと」は,半角@に直してください) cst.mac.exp6a あっと nihon-u.ac.jp 【専門化学実験VIb】(「あっと」は,半角@に直してください) cst.mac.exp6b あっと nihon-u.ac.jp |
研究室又は 連絡先 |
VIa実験とVIb実験でメールアドレスが異なる.注意すること. 【専門化学実験VIa】 遠山岳史 無機機能分析研究室(駿河台校舎2号館3階237室) 梅垣哲士 無機材料化学研究室(駿河台校舎2号館2階221B室) 叶 洪 無機機能分析研究室(駿河台校舎2号館地階205B室) メールアドレス(「あっと」は,半角@に直してください) cst.mac.exp6a あっと nihon-u.ac.jp 【専門化学実験VIb】 松田弘幸 化学工学研究室(駿河台校舎2号館1階215室) 栗原清文 化学工学研究室(駿河台校舎2号館2階226B室) 内藤 研 化学工学研究室(駿河台校舎2号館3階231A室) メールアドレス(「あっと」は,半角@に直してください) cst.mac.exp6b あっと nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
土曜 駿河台 14:00 ~ 16:00 メールで随時対応する
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学生への メッセージ |
自分で得たデータを使って考察することは化学の現象を理解する上で重要であるため,積極的な姿勢で実験に取り組んでもらいたい.そのためにも事前にテキストを読んでくることが大切である. |