2024年 理工学部 シラバス - 物質応用化学科
設置情報
科目名 | 有機化学Ⅰ | ||
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設置学科 | 物質応用化学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 浮谷 基彦 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 金曜3 金曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | L53M L54M |
クラス | A 、 B | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | ①芳香族性が説明できる ②芳香族求電子置換反応を説明できる ③芳香族求電子置換反応における置換基効果が説明できる ④鏡像異性体・ジアステレオマー・キラル・ラセミ体・メソ体の説明ができる ⑤R/S表示法をマスターする ⑥ハロゲン化アルキルの命名ができる ⑦求核置換反応(SN1,SN2反応)と脱離反応(E1,E2反応)の説明ができる ⑧アルコール・フェノール・エーテルの命名法・性質・合成方法・反応が説明できる |
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授業形態及び 授業方法 |
対面授業により行う。 |
履修条件 | 基礎有機化学の内容を理解していること。 シラバスの各回の内容について修得すべき項目を確認し、不得意だったところは必ず、教科書、ノート、資料などで復習しておくこと。 |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP1・3・5及びCP1・3・5に該当しています。 |
授業計画
第1回 | 講義の進め方、教科書の使い方、授業計画の解説を行う。 本講義内容の一部は、後期に配置されている専門化学実験Ⅲaの実験の内容に関係しているので、よく理解しておくと、本講義と実験を併せて理解が深まる。 | 事前学習;基礎有機化学で学習した、電子軌道やアルカン、アルケン、異性体などの項目を重点的に復習しておく 事後学習;シラバスを見て、全体の学習内容を確認する。該当する教科書の章を読み、疑問点を書き出しておく | 事前学習 2時間 事後学習 2時間 |
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第2回 | 有機反応の基礎(復習) 有機反応を理解する上で重要な酸・塩基の概念,共鳴構造,反応機構を記述する矢印の使い方などを復習する. | 事前学習:1,2,6章(上巻)を読んでん理解が難しいところ書き出す 事後学習:講義ノートを見直す。解答を伏せて、課題に取り組む。解答例と照らし合わせ、不正解の部分を教科書、ノートで確認しておく | 事前学習 2時間 事後学習 2時間 |
第3回 | 芳香族化合物(1):芳香族の化合物の化学的性質、特徴、命名法 有機化合物の中でも典型的な芳香族化合物の性質やその特徴、置換基の位置を特定した命名法を理解する。 | 事前学習;15章(中巻)を読んで、理解が難しい点を書き出す 事後学習;講義ノートを見直す。解答を伏せて、課題(芳香族化合物の命名(日本語、英語)の練習、化合物名から構造式を書く)に取り組む。解答例と照らし合わせ、不正解の部分を教科書、ノートで確認しておく | 事前学習 2時間 事後学習 2時間 |
第4回 | 芳香族化合物(2):芳香族求電子置換反応について 芳香族化合物のハロゲン化、ニトロ化、スルホン化などの求電子置換反応を学ぶ。典型的なFriedel-Crafts反応の仕組みを理解する。 | 事前学習;15章(中巻)を読んで、理解が難しい点を書き出す 事後学習;講義ノートを見直す。解答を伏せて、課題(ベンゼンやトルエンを原料としたときの求電子置換反応を予測、生成物の命名)に取り組む。解答例と照らし合わせ、不正解の部分を教科書、ノートで確認しておく | 事前学習 2時間 事後学習 2時間 |
第5回 | 芳香族化合物(3):芳香族求電子置換反応における置換基効果、配向性 既に存在する置換基の種類によって、求電子置換反応のし易さや置換位置の特徴を学ぶ。芳香族化合物の合成計画について学ぶ。 | 事前学習;15章(中巻)を読んで、理解が難しい点を書き出す 事後学習;講義ノートを見直す。解答を伏せて、課題(活性化基、不活性化基の区別、各種芳香族化合物の臭素化、芳香族化合物の合成計画)に取り組む、解答例と照らし合わせ、不正解の部分を教科書、ノートで確認しておく | 事前学習 2時間 事後学習 2時間 |
第6回 | 立体化学(1):分子の対掌性、光学活性および表記法、比旋光度 天然に存在する有機化合物の特徴である分子の対掌性について理解する。立体化学を理解する上で重要な鏡像異性体、光学活性、不斉中心、不斉化合物の表示方法、比旋光度を学ぶ。 | 事前学習;5章(上巻)を読んで、理解が難しい点を書き出す 事後学習;講義ノートを見直す。解答を伏せて、課題(キラル化合物の区別、比旋光度計算、置換基の順位、R,S配置の区別)に取り組む、解答例と照らし合わせ、不正解の部分を教科書、ノートで確認しておく | 事前学習 2時間 事後学習 2時間 |
第7回 | 立体化学(2):ジアステレオマー、メソ化合物 不斉中心が二つ存在するジアステレオマーを理解しその表示法を学ぶ。不斉中心を有しながら、光学活性を示さないメソ化合物を理解する。 | 事前学習;5章(上巻))を読んで、理解が難しい点を書き出す 事後学習;講義ノートを見直す。解答を伏せて、課題(キラル化合物の区別、立体異性体の数、エナンチオマー、ジアステレオマーの区別)に取り組む、解答例と照らし合わせ、不正解の部分を教科書、ノートで確認しておく | 事前学習 2時間 事後学習 2時間 |
第8回 | ハロゲン化アルキル(1):命名法、合成法、置換反応、Grignard試薬 ハロゲン化化合物の命名法や合成法、ハロゲン化アルキルの各種反応を理解する。有機合成化学に大変有用なハロゲン化アルキルを原料とするGrignard試薬について学ぶ。 | 事前学習;10章、11章(上巻)を読んで、理解が難しい点を書き出す 事後学習;講義ノートを見直す。解答を伏せて、課題(ハロゲン化アルキルの構造式、各種反応生成物の予測(Grignard試薬の使用例)))に取り組む、解答例と照らし合わせ、不正解の部分を教科書、ノートで確認しておく | 事前学習 2時間 事後学習 2時間 |
第9回 | ハロゲン化アルキル(2):求核置換反応(SN2反応)と立体化学 ハロゲン化アルキルを原料とする2分子関与求核置換反応の仕組みを学ぶ。原料と生成物では立体化学が反転することを理解する。 | 事前学習;10章、11章(上巻)を読んで、理解が難しい点を書き出す 事後学習;講義ノートを見直す。解答を伏せて、課題(求核置換反応の生成物予測、反応性の順序予測、求核置換反応の区別)に取り組む、解答例と照らし合わせ、不正解の部分を教科書、ノートで確認しておく | 事前学習 2時間 事後学習 2時間 |
第10回 | ハロゲン化アルキル(3):求核置換反応(SN1反応)、脱離反応(E2、E1反応) ハロゲン化アルキルを原料とする1分子関与求核置換反応の仕組みを学ぶ。ハロゲン化アルキルの脱離反応を理解する。 | 事前学習;10章、11章(上巻)を読んで、理解が難しい点を書き出す 事後学習;講義ノートを見直す。解答を伏せて、課題(SN1,SN2反応の区別、反応性順序の予測、脱離反応を行ったときの主生成物、副生成物の予測)に取り組む、解答例と照らし合わせ、不正解の部分を教科書、ノートで確認しておく | 事前学習 2時間 事後学習 2時間 |
第11回 | アルコール化合物:命名法、合成法および反応 アルコール化合物の命名法や化学的性質、合成法、反応例を学ぶ。 | 事前学習;17章(中巻)を読んで、理解が難しい点を書き出す 事後学習;講義ノートを見直す。解答を伏せて、課題(アルコール誘導体の命名、カルボニル化合物の還元反応で得られるアルコール化合物の予測、アルコール化合物の脱水反応の生成物予測)に取り組む、解答例と照らし合わせ、不正解の部分を教科書、ノートで確認しておく | 事前学習 2時間 事後学習 2時間 |
第12回 | フェノールとエーテル化合物:命名法、合成法および反応 フェノールの化学的性質や反応例を学ぶ。エーテル化合物の命名法や合成法、反応を理解する。 | 事前学習;18章(中巻)を読んで、理解が難しい点を書き出す 事後学習;講義ノートを見直す。解答を伏せて、課題(フェノール誘導体の命名、エーテル化合物の命名、エーテル化合物の反応生成物予測、フェノール誘導体の合成計画))に取り組む、解答例と照らし合わせ、不正解の部分を教科書、ノートで確認しておく | 事前学習 2時間 事後学習 2時間 |
第13回 | エポキシド、チオール、スルフィド化合物:命名法、合成法および反応 環状エーテルであるエポキシドの合成法や反応例を学ぶ。硫黄原子を含むチオールやスルフィド化合物の命名法や合成法を学ぶ。酸素原子と硫黄原子の入った化合物の類似性を理解する。 | 事前学習;18章(中巻)を読んで、理解が難しい点を書き出す 事後学習;講義ノートを見直す。解答を伏せて、課題(チオール、スルフィドの命名、チオール、エポキシドの反応の生成物予測))に取り組む、解答例と照らし合わせ、不正解の部分を教科書、ノートで確認しておく | 事前学習 2時間 事後学習 2時間 |
第14回 | 理解度確認試験 | 事前学習;第2回から13回までの講義内容全般に対する網羅的な演習を行うので、それまでの内容を見直す 事後学習;試験問題で、時間内の解答できなかったところを再度取り組む。ノートや教科書を参照しながら解答例を参考に復習する | 事前学習 2時間 事後学習 2時間 |
第15回 | 理解度確認試験の解説 | 事前学習;問題で分からなかったところ、また、第2回から13回までの講義内容を振り返り、理解度確認試験試験を復習する 事後学習;不正解だった項目を復習し、各領域の教科書の関連問題に取り組む | 事前学習 2時間 事後学習 2時間 |
その他
教科書 |
John McMurry 『 マクマリー 有機化学(上、中)第9版』 東京化学同人 2017年 第9版
講義回によって、各巻の該当する章が異なるのでシラバスの内容をよく確認しておくこと。
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参考書 |
図書館に所蔵している有機化学関連図書も参考にすること.
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成績評価の方法 及び基準 |
理解度確認試験で評価する. |
質問への対応 | 随時対応する。 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎2号館233A室 ukiya.motohiko@nihon-u.ac.jp Tel 03-3259-0805 |
オフィスアワー |
月曜 駿河台 17:00 ~ 18:00
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学生への メッセージ |
有機化学の知識を修得する為には、自分で化学構造式を描いてみること、問題を解く練習をすることが不可欠である。また、立体化学を理解するには分子模型を組み立ててみることも効果的である。 授業中の私語・実験レポートなどの作業、スマートフォン等の使用を厳禁とする。 |