2024年 理工学部 シラバス - 物理学科
設置情報
科目名 | 物理実験学 | ||
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設置学科 | 物理学科 | 学年 | 2年 |
担当者 | 浅井 朋彦 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜2 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M42M |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 計測や実験機器に関する基礎的知識や実験データを取り扱う方法について学び,物理学実験Ⅰ,Ⅱ,Ⅲ,プロジェクト実験の実験科目を通して物理現象を定量的に把握できる力を養う。必修科目である物理学実験Ⅰ,Ⅱの実験において完成度の高い実験報告書を作成できるようになること、実験研究において原理、データ解析の方法、実験結果を正しく理解/説明できるようになることを目標とする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
授業形態 対面授業 授業の方法 (1)各回とも授業計画に基づいたテーマ内容について、関連する物理現象や実験の実例をもとに解説する。(2)講義内容についての例題を解説する。(3)講義内容の復習、基礎力を養うため、講義内容に関連した課題をレポートとして提出する。 これらを通して修得した力を物理学実験Ⅰ,Ⅱの実験、報告書作成において各自実践を試みる。 なお、授業資料はオンラインで配布する。 |
履修条件 | 1年生の通年科目基礎物理学実験の単位を取得していることが望ましい。 また、実験データの解析には、数学的な力が必要となるので、1年生で開講されている、物理学インセンティブ、微積分学Ⅰ,Ⅱ,線形代数学Ⅰ,Ⅱの内容を理解していることが望ましい。 |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP3及びCP3に該当しています。 |
授業計画
第1回 | ガイダンス (1)物理学科の実験科目の体型と講義科目との関係について(実験系科目の関連) (2)1年生で学んだことを物理学実験でどのように活かすか (3)物理学実験の学び方 (4)グラフを使って実験データの図示 (5)実験レポートの書き方 キーワード:測定値の表現、標本平均値、不偏分散、精度と確度、最小二乗法 | 【事前学習】基礎物理学実験のテキスト・資料を基にキーワードについて調べる。 【事後学習】授業配布資料を基に復習する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
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第2回 | 単位と物理量 (2)SI基本単位の定義, SI組立単位, 非SI単位 (3)機器のメータの読み方 (4)測定値の四則演算の方法 (5)有効数字 (6)有効数字を考慮した測定値の四則演算の方法 キーワード:SI単位, 非SI単位,有効数字,主尺と副尺の読み方、アナログ計測器とデジタル計測器の精度 | 【事前学習】キーワードについて調べる。 【事後学習】授業配布資料を基に復習する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第3回 | 計測と誤差 (1)誤差の種類(系統誤差,偶然誤差) (2)絶対誤差,相対誤差 (3)測定の意味と測定値の表し方 (4)精度と確度 (5)誤差伝播の法則 キーワード:誤差伝播の法則、系統誤差、偶然誤差、絶対誤差、相対誤差、最確値と平均値,母集団標準偏差,標本標準偏差,正規分布 | 【事前学習】キーワードについて調べる。 【事後学習】授業配布資料を基に復習する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第4回 | 実験データと統計処理 (1)有限回及び無限回の測定から最確値と誤差、測定の数学的意味、標本集団と母集団 (2)ヒスムと分布とその極限分布 (3)有限個の分布、極限分布からの最確値と誤差の推定 (4)確率分布に関するさまざまな特性値、二項分布、ポアソン分布、正規分布、正規分布の平均値と誤差 キーワード:モード, メジアン, 平均値,確率分布,確率質量関数,確率密度関数,期待値,平均,分散,モーメント,中心モーメント, 二項分布,ポアソン分布,累積分布関数,対数正規分布,ローレンツ分布,中心極限定理誤差の分布と最確値 | 【事前学習】キーワードについて調べる。 【事後学習】授業配布資料を基に復習する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第5回 | 確率分布関数によるデータのフィッティング(最小二乗法/実験式) (1)最小二乗法 (2)線形回帰 キーワード: 最小二乗法,χ2乗検定,データの棄却 | 【事前学習】キーワードについて調べる。 【事後学習】授業配布資料を基に復習する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第6回 | A/D変換(アナログーデジタル変換) (2)ナイストのサンプリング定理 (3)量子化誤差、分解能とビット数 (4)2進数の演算と有効数字 キーワード;アナログ信号,デジタル信号,2進数の演算,分解能,量子化誤差,GPIB, USB,分解能,ビット数,量子化誤差,ナイキストのサンプリング定理,A/D変換器 | 【事前学習】キーワードについて調べる。専門課程物理学実験(改訂版)31コンピュータによる物理計測を参考にする。 【事後学習】授業配布資料を基に復習する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第7回 | 理解度確認のための平常試験および解説 | 【事前学習】第1〜5回までの範囲を復習して授業に臨むことを推奨する。 【事後学習】解説内容の復習をすること。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第8回 | コンピュータによるデータ処理 (2)雑音の分離法 (3)演算による雑音除去 (4)インターフェース キーワード ノイズの処理(移動平均),フーリエ変換,FFT、積分と微分 | 【事前学習】キーワードについて調べる。 【事後学習】授業配布資料を基に復習する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第9回 | 物理実験のための電気回路1 (1)実験で扱う電気回路・電子回路素子 (2)直流と交流 (3)オームの法則とキルヒホッフの法則 キーワード:オームの法則、キルヒホッフの法則 | 【事前学習】キーワードについて調べる。専門課程物理学実験(改訂版)12. インピーダンスと伝搬特性、14. LCR回路の過渡特性と周波数特性を参考にする。 【事後学習】授業配布資料を基に復習する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第10回 | 物理実験のための電気回路2 (1)集中定数回路と分布定数回路 (2)過渡特性と周波数特性 (3)微分回路と積分回路 キーワード:集中乗数回路、分布乗数回路、過渡特性、周波数特性,微分・積分回路 | 【事前学習】キーワードについて調べる。専門課程物理学実験(改訂版)12.インピーダンスと伝搬特性、14.LCR回路の過渡特性と周波数特性を参考にする。 【事後学習】授業配布資料を基に復習する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第11回 | 真空技術1 (1)真空 (2)真空を作る キーワード:真空の単位、真空ポンプ、真空排気速度、コンダクタンス、気体分子の吸着 | 【事前学習】キーワードについて調べる。専門課程物理学実験(改訂版)10真空排気系のコンダクタンスを参考にする。 【事後学習】授業配布資料を基に復習する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第12回 | 真空技術2 (1)真空を計る (2)真空を扱う基本的な心構え キーワード:真空計、真空漏れ | 【事前学習】キーワードについて調べる。専門課程物理学実験(改訂版)10真空排気系のコンダクタンスを参考にする。 【事後学習】授業配布資料を基に復習する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第13回 | 論理回路の基礎1 (1)ブール代数、(2)真理値表、(3)論理演算、(4)論理回路 キーワード:論理関数、論理和、論理積、否定、ド・モルガンの定理 | 【事前学習】キーワードについて調べる。専門課程物理学実験(改訂版)16論理回路の基礎を参考にする。( 【事後学習】授業配布資料を基に復習する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第14回 | 論理回路の基礎2 (1)論理式と論理式の簡略化(2)カルノー図 キーワード:論理演算の順序、標準形、カルノー図 | 【事前学習】キーワードについて調べる。専門課程物理学実験(改訂版)16論理回路の基礎を参考にする。 【事後学習】授業配布資料を基に復習する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第15回 | 理解度確認のための平常試験および解説 | 【事前学習】第1〜14回までの範囲を復習して授業に臨むことを推奨する。 【事後学習】解説内容の復習をすること。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
その他
教科書 |
内容が多岐にわたるため教科書は特に指定しません。
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参考書 |
John R. Taylor 『計測における誤差解析入門』 東京化学同人 2000年
高野良紀、浅井朋彦、B.Zulkoskey 編 『専門課程 物理学実験(改訂版)』 裳華房 2018年 第改訂版版
兵藤申一 『物理実験者のための13章』 物理工学実験1 東京大学出版会 1976年
真空技術基礎講習会運営委員会編 『わかりやすい真空技術』 日刊工業新聞社 2010年 第第3版版
小坂学、岡田志摩 共著 『高校数学でマスターする計測工学 基礎から応用まで』 株式会社コロナ社 2016年 第初版版
馬杉正男 『信号解析 信号処理とデータ解析の基礎』 森北出版株式会社 2013年 第初版版
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成績評価の方法 及び基準 |
講義に出席した上で提出された課題による平常点(50点)および2回の平常試験(計50点)により評価する。 |
質問への対応 | メールまたは物理学実験Ⅰ,Ⅱの実験実施日(水曜日、金曜日)に対面で対応する。(13:20-16:30) |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎7号館721C室 asai.tomohiko@nihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
水曜 駿河台 12:15 ~ 13:10 浅井
金曜 駿河台 12:15 ~ 13:10 浅井
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学生への メッセージ |
物理学実験のレポート作成で講義内容を実践し理解度を確かめて実践してください。 |