2024年 理工学部 シラバス - 物理学科
設置情報
科目名 | 統計物理学Ⅲ | ||
---|---|---|---|
設置学科 | 物理学科 | 学年 | 4年 |
担当者 | 糸井 千岳 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜3 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M43M |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 統計物理学の基礎知識に基づき,相転移などの物理法則を理解する。この分野は、他大学大学院や国家公務員の試験に必要な知識である。 |
---|---|
授業形態及び 授業方法 |
主に板書による講義を対面形式で行う。 |
履修条件 | 熱力学および統計物理学I,I,I統計物理学演習を履修していることが望ましい。 |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本科目はDP3,CP3に対応している。 |
授業計画
第1回 | 熱力学の復習 | 熱力学の講義におけるエントロピーを復習しておくと、良い予習となる。復習は理解するまで必要な時間をかけること | 予習1時間程度 |
---|---|---|---|
第2回 | 小正準分布と正準分布による自由粒子の復習 | 統計物理学I, 統計物理学演習で学んだ小正準分布(ミクロカノニカル分布)とBoltzumannのエントロピー、正準分布(カノニカル分布)とHelmholtz自由エネルギーを復習しておくと理解の助けとなる。復習は理解するまで必要な時間をかけること。 | 予習2時間程度 |
第3回 | 独立スピン模型 | 統計物理学Iで学習した2準位系を復習しておくと良い。復習には理解に必要な時間をかけること。 | 予習1時間程度 |
第4回 | 1次元Ising模型 | 予習の必要はない。復習に十分時間をかけること。 | 2時間程度 |
第5回 | 長距離相互作用するIsing模型 | 予習の必要はない。復習に十分時間をかけること。 | 2時間程度 |
第6回 | 自発的対称性の破れと常磁性、強磁性相転移の性質 | 予習の必要はない。復習に十分時間をかけること。 | 2時間程度 |
第7回 | 磁性体と平均場近似 | 予習の必要はない。復習に十分時間をかけること。 | 2時間程度 |
第8回 | 中間試験の予定 | 十分時間をかけて受験準備をすること。 | 10時間程度 |
第9回 | 試験解説、相互作用のある粒子 | 予習の必要はない。復習に十分時間をかけること。 | 2時間程度 |
第10回 | van der Waals気体、 | 予習の必要はない。復習に十分時間をかけること。 | 2時間程度 |
第11回 | Landau展開と気体液体の相転移、 | 予習の必要はない。復習に十分時間をかけること。 | 2時間程度 |
第12回 | 大正準分布と同種量子気体 | 統計物理学IIで学習した大正準分布を復習しておくと良い。復習には理解するまで必要な時間をかけること。 | 2時間程度 |
第13回 | Bose凝縮と量子相転移 | 予習の必要はない。復習に十分時間をかけること。 | 2時間程度 |
第14回 | 期末試験 | 十分に受験勉強をして受験すること | 12時間程度 |
第15回 | 試験解説と、解き直し | 試験の解直しに十分時間をかけること。 | 2時間程度 |
その他
教科書 |
なし
|
---|---|
参考書 |
糸井千岳、他 『明解統計力学』 共立出版[ISBN 9784320036277] https://www.kyoritsu-pub.co.jp/book/b10039312.html 2023年 第1版
糸井千岳、他 『明解熱力学』 共立出版 [ISBN 9784320036239], https://www.kyoritsu-pub.co.jp/book/b10026616.html 2023年 第1版
田崎晴明 『統計力学I,II』 新物理学シリーズ 培風間 2008年
Salinas, Silvio, Introduction to statistical physics, Graduate Texts in Contemporary Physics, Springer, 2010
1つ目にあげた参考書には、Mayer展開、自発的対称性の破れ、Bose凝縮などが解説されている。
2つ目の参考書には、ビリアル展開、van der Waals気体、Landau展開などの古典的な実在気体についての現象論が解説されている。
|
成績評価の方法 及び基準 |
中間試験、期末試験および、その解き直しのレポートなどで評価する。解き直しのレポートを含め、中間試験と期末試験の割合は2:8とする。試験日程は、講義の進展具合で変更される場合があるので、講義やGoogle classroom などからの連絡に注意すること。 |
質問への対応 | 講義後、そうでない場合、とりあえずメールで連絡をください。 |
研究室又は 連絡先 |
833G itoi.chigakuアットマークnihon-u.ac.jp |
オフィスアワー |
火曜 駿河台 15:00 ~ 17:00
|
学生への メッセージ |
相転移は物質の置かれた環境の微小変化によって性質が大きく変わってしまう不思議な現象です。現象の奥深さを楽しんでください。 |