2024年 理工学部 シラバス - 物理学科
設置情報
科目名 | 電磁気学Ⅲ | ||
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設置学科 | 物理学科 | 学年 | 3年 |
担当者 | 高野 良紀 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 木曜4 |
校舎 | 駿河台 | 時間割CD | M44M |
クラス | |||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 2年次の電磁気学I,IIならびに電磁気学演習で学修した内容が再確認できる。また、これらの内容を基礎として、マクスウェルの方程式を出発点とした電場と磁場が密接にかかわる現象が理解できるようになる。さらに、電磁気学が単に机上の学修だけでなく、身の回りの現象と密接にかかわっていることが理解できる。 |
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授業形態及び 授業方法 |
【対面授業】 板書を中心とした対面授業。必要に応じて資料を配布し、パワーポイントなどを用いて、資料に基づいた解説を行う。 複数回のレポート提出を予定しているが、レポートについては採点後、返却する。 |
履修条件 | 電磁気学I,II、電磁気学演習、回路理論、解析力学、相対論を履修していることが望ましい。 |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP3及びCP3に該当しています。 |
授業計画
第1回 | 電磁場の一般論(対称性の悪い場所での電場や磁場と完全楕円積分) 電磁気学I,IIで学修した基本問題を復習できるのと同時に、電磁気学I,IIでは触れなかった電場と磁場について理解を深めることができる。 | 【事前学習】電位やベクトル・ポテンシャルから電場や磁場が得られる過程を電磁気学I,IIのノートおよび電磁気学演習のテキストを通して確認しておく。 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
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第2回 | 磁場の起源(特殊相対論による磁場の導出) 電磁気学I,IIで学修した基本問題を復習できるのと同時に、クーロンの法則と特殊相対論によりビオ・サバールの法則が法則を導くことができる。 | 【事前学習】ローレンツ力、ビオ・サバールの法則および相対論の基本的な事柄について理解しておく。 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第3回 | 電磁気学のやさしい応用(磁石おもちゃの物理) 電磁気学は力学と比べ、実体がなく、理解しづらいと考えられているが、磁石を用いた玩具は多く存在する。そのような玩具の中で電磁気学がどのように使われているかが定量的に理解できる。 | 【事前学習】磁石を用いた玩具にはどのようなものがあり、磁石をどのように用いているかを調べる。 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。 | 【事前学習】1時間 【事後学習】3時間 |
第4回 | 電磁波(平面電磁波とポインティング・ベクトル) 電場と磁場が密接にかかわる現象として最も基本的な平面電磁波について理解できる。また、エネルギー流密度としてのポインティング・ベクトルについて理解できる。 | 【事前学習】マクスウェルの方程式およびデカルト座標系におけるベクトル・ラプラシアンについて確認しておく。 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第5回 | 電磁ポテンシャルとゲージ不変性 電場と磁場で表現されるマクスウェルの方程式がスカラー・ポテンシャルとベクトル・ポテンシャルで表現できることが理解できる。ゲージ変換ならびにマクスウェルの方程式がゲージ変換について不変であることが理解できる。 | 【事前学習】電磁場とスカラー・ポテンシャルおよびベクトル・ポテンシャルの関係を確認しておく。 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第6回 | 遅延ポテンシャルと双極子放射(1)(因果律およびアンテナ) 極座標系における電磁波の取り扱いの基本的な例として、双極子放射における電磁場およびベクトル・ポテンシャルについて理解できる。 | 【事前学習】ポアソンの方程式ならびに電気双極子について確認しておく。 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第7回 | 遅延ポテンシャルと双極子放射(2)(因果律およびアンテナ) 極座標系における電磁波の取り扱いの基本的な例として、双極子放射における電磁場およびベクトル・ポテンシャルについて理解できる。 | 【事前学習】ポアソンの方程式ならびに電気双極子について確認しておく。 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第8回 | 交流回路理論(実効値、微分方程式による解法、ベクトル記号法表示、電力の複素数表示、共振回路、ブリッジ回路、テブナンの定理などなど) ベクトル記号法表示の意味と使い方が理解できる。ベクトル記号法表示を共振回路、ブリッジ回路などに応用することができるようになる。 | 【事前学習】回路理論で学習した内容について確認しておく。 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第9回 | 電磁波の複素数解析(導体中に侵入した電磁波など) 交流回路理論の延長として、微分方程式を代数方程式に変換して解くことが可能であることが理解できる。導体や絶縁体中に侵入した電磁波の振る舞いについて理解できる。 | 【事前学習】マクスウェルの方程式ならびに交流回路の複素数解析について見直しておく。 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第10回 | 電磁力学(1)(マクスウェルの応力(1)) 一般的な応力テンソルの概念について理解できる。また、電場および磁場に対するマクスウェルの応力テンソルとその簡単な応用について理解できる。 | 【事前学習】電磁気学IおよびIIで学習した導体系にはたらく力について復習しておく。 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第11回 | 電磁力学(2)(マクスウェルの応力(2)) 一般的な応力テンソルの概念について理解できる。また、電場および磁場に対するマクスウェルの応力テンソルとその簡単な応用について理解できる。 | 【事前学習】前回の「電磁力学(1)」で学修した内容を復習しておく。 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第12回 | 電磁力学(3)(荷電粒子および電磁場のラグランジアン、荷電粒子と電磁場の相互作用) 荷電粒子および電磁場のラグランジアンからローレンツ力や電磁ポテンシャルについての方程式が導出できる。電磁場のエネルギー保存則や運動量保存則が理解できる。 | 【事前学習】力学で学習したラグランジアンやオイラーの式を復習しておく。 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第13回 | 電磁場の変換(1)(電磁場のローレンツ変換など) 電場と磁場は独立なものではなく、慣性系の違いにより両者の見え方が変わってくることについて理解できる。 | 【事前学習】「磁場の起源」で学修した内容を復習しておく。 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第14回 | 電磁場の変換(2)(電流密度、電荷密度のローレンツ変換など) 電流密度や電荷密度も慣性系の違いにより両者の見え方が変わってくることについて理解できる。 | 【事前学習】前回の「電磁場の変換(1)」で学修した内容を復習しておく。 【事後学習】講義で行った内容を、式の導出を含め確認する。 | 【事前学習】2時間 【事後学習】2時間 |
第15回 | 平常試験及びその解説。 | 【事前学習】これまでに学修した内容について理解を深めておく。 | 【事前学習】4時間 |
その他
教科書 |
教科書は特にありません。
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参考書 |
参考書は特にありません。講義ノートを参考にして、自分に合う参考書を見つけてください。
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成績評価の方法 及び基準 |
レポート課題(40%)と理解度確認期間中の試験(60%) |
質問への対応 | 対面または電子メールによる対応。 |
研究室又は 連絡先 |
駿河台校舎7号館1階711D室。 メールアドレスはメディア授業中に通知する。 |
オフィスアワー |
木曜 駿河台 12:10 ~ 13:20
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学生への メッセージ |
電磁気学I,IIを基礎として、マクスウェルの方程式を出発点とした電場と磁場が密接にかかわる現象について解説します。電磁気学演習で使用した問題集を毎回持参するといいでしょう。また、時間の許す範囲内において、学生の皆さんが疑問に思いがちな内容(講義担当者が学生時代に疑問に思ったことも含む)についてもに解説したいと思います。 |