2024年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 |
歴史学
歴史資料から読み解く日本近現代史(火曜 3限)
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 青木 学 | 履修期 | 後期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 火曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | P23L |
クラス | 1年⽣は土木・海建・機械・電子のみ。2年⽣以上は全学科。 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 本講義では、戦前・戦後(占領期)にかけての政治、経済、文化を通して、近代の日本社会の特色と展開、国際社会と日本の関係性、戦後社会の成り立ちを考察する。歴史的な基本的知識の理解や歴史的出来事の意義を考えていくと同時に、それを享受する人々の反応にも触れ、より多面的な観点から、教科書に描かれていない近代日本像を明らかにしていく。 講義では、これまでの中学校や高等学校で習った歴史と歴史学とでは何が異なるのかを理解することを目的とする。 そのうえで、'なぜ'そうなったかという要因や過程を大切にしながら、授業で提示する当時の史料をもとに、歴史学の手法や視点を見につけていくことを目標としたい。 なお、当時の日本社会への理解をより深めるため、写真、音源、映像等も積極的に活用していくことにする。 |
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授業形態及び 授業方法 |
対面授業。授業用レジュメを使用しての講義形式を基本とする。 |
履修条件 | 日本近現代史(明治期から戦後占領期)の基本的な知識を理解していることが望ましい。高校等で使用した教科書で構わないので、一度見返しておくとより本授業(「歴史学」)の理解が深まる。 |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目は、DP1・2及びCP1・2に該当しています。 |
授業計画
第1回 | 【ガイダンス及び導入(歴史学を学ぶ意義】 授業の方法、到達目標、授業の展開、評価などを解説。また、歴史学の手法を学ぶことで何がわかるかについて説明する。 | (事前学習)シラバスで授業内容を熟読し基本的な流れを確認しておく。 (事後学習)書籍などを通じてその明治以降から現代までに関する関心をもっておく | 【事前学修】2時間【事後学修】2時間 |
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第2回 | 【明治新政府の政治と社会】 江戸から明治への移り変わり、明治期における改革を考察する。また、自由民権運動から当時の政治社会を理解する。 | (事前学習)自由民権運動に関する知識を書籍等で蓄えておく。 (事後学習)配布されたレジュメを整理し、用語等を確認する。 | 【事前学修】2時間【事後学修】2時間 |
第3回 | 【日清・日露戦争と近代産業】 日清・日露戦争という各戦争における比較も行いつつ、2つの戦争のなかで、日本の産業がどのように発展したのか考察する。 | (事前学習)日清・日露戦争に関する知識を書籍等で蓄えておく。 (事後学習)配布されたレジュメを整理し、用語等を確認する。 | 【事前学修】2時間【事後学修】2時間 |
第4回 | 【明治期におけるメディア革命】 明治期のメディア革命とも呼べる新聞や雑誌、レコードや映画について考察を行う。また、人々がそれらをどのように受容したかを確認する。 | (事前学習)新聞・雑誌、レコード、映画の歴史について書籍等で関心を高めておく。 (事後学習)配布されたレジュメを整理し、用語等を確認する。 | 【事前学修】2時間【事後学修】2時間 |
第5回 | 【米騒動と民衆の力】 米騒動が起こる背景となったシベリア出兵を確認しつつ、米騒動が発生するまでの過程や騒動に対し、時の政府はどのような対応をしたかを見ていく。また、米騒動にはどのような意義があったか考える。 | (事前学習)米騒動に関する知識を書籍等で蓄えておく。 (事後学習)配布されたレジュメを整理し、用語等を確認する。 | 【事前学修】2時間【事後学修】2時間 |
第6回 | 【第一次世界大戦と社会の変容】 第一次世界大戦により日本の経済や社会がどのように変化したか。大正期における都市の生活や文化について考察する。 | (事前学習)第一次世界大戦に関する知識を書籍等で蓄えておく。 (事後学習)配布されたレジュメを整理し、用語等を確認する。 | 【事前学修】2時間【事後学修】2時間 |
第7回 | 【関東大震災と流言飛語】 1923年に起きた関東大震災とデマの関係性について考える。また、都市の復興計画についてもふれる。 | (事前学習)関東大震災に関する知識を書籍等で蓄えておく。 (事後学習)配布されたレジュメを整理し、用語等を確認する。 | 【事前学修】2時間【事後学修】2時間 |
第8回 | 【1930年代の社会① 都市問題について】 1930年代における都市問題(騒音などの公害)を取り上げ、1930年代の社会を見直す。 | (事前学習)1930年代の日本の社会について書籍等で確認しておく。 (事後学習)配布されたレジュメを整理し、用語等を確認する。 | 【事前学修】2時間【事後学修】2時間 |
第9回 | 【1930年代の社会② 二・二六事件と大衆】 日本の政治・軍事に大きな影響を与えたとされる二・二六事件について考察しつつ、大衆が事件をどのように捉えていたか見ていく。その一方で、社会風俗面も見ていくことで同時代を理解する。 | (事前学習) 二・二六事件に関する知識を書籍等で蓄えておく。 (事後学習)配布されたレジュメを整理し、用語等を確認する。 | 【事前学修】2時間【事後学修】2時間 |
第10回 | 【日中戦争における政策とその実態】 日中戦争時に政府が実施した政策をとりあげつつ、それに対する社会の反応をみていくことにする。 | (事前学習)日中戦争に関する知識を書籍等で蓄えておく。 (事後学習)配布されたレジュメを整理し、用語等を確認する。 | 【事前学修】2時間【事後学修】2時間 |
第11回 | 【アジア・太平洋戦争期における文化統制】 アジア・太平洋戦争において政府が講じた娯楽文化への対策、戦時における娯楽文化の役割について考察しつつ、統制からアジア・太平洋戦争期について考える。 | (事前学習)アジア・太平洋戦争に関する知識を書籍等で蓄えておく。 (事後学習)配布されたレジュメを整理し、用語等を確認する。 | 【事前学修】2時間【事後学修】2時間 |
第12回 | 【戦争体験談から考える戦争】 戦争体験者の話や当時の日記などから戦争末期における日本の社会を考察する。 | (事前学習)アジア・太平洋戦争に関する知識を書籍等で蓄えておく。 (事後学習)配布されたレジュメを整理し、用語等を確認する。 | 【事前学修】2時間【事後学修】2時間 |
第13回 | 【終戦による日本社会の「転換」】 終戦により日本は、民主主義体制と大きく変化することになるが、GHQが行った戦後処理や教育改革について様々な側面から考察を行う。 | (事前学習)終戦後の社会について知識を書籍等で蓄えておく。 (事後学習)配布されたレジュメを整理し、用語等を確認する。 | 【事前学修】2時間【事後学修】2時間 |
第14回 | 【1950年代における日本の課題】 終戦後、1950年に入り日本の社会はどのようになっていたか。様々な側面から戦後民主主義社会の諸相について考える。 | (事前学習)占領期の日本について次回の内容を確認し不明な点などを調べておく。 (事後学習)配布されたレジュメを整理し、用語等を確認する。 | 【事前学修】2時間【事後学修】2時間 |
第15回 | 【授業のまとめと課題説明】 これまでの総括と史料の探し方などを解説する。また、期末課題に関する言及も行う。 | (事前学習)次回の内容を確認し不明な点などを調べておく。 (事後学習)配布されたレジュメを整理し、用語等を確認する。期日までに課題に取り組む。 | 【事前学修】2時間【事後学修】2時間 |
その他
教科書 |
指定なし。
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参考書 |
成田 龍一『近現代日本史と歴史学』 中央公論新社 2012年[ISBN9784121021502]、
鳥海 靖『もういちど読む山川日本近代史』 山川出版社 2013年[ISBN9784634591127]、
小風 秀雅編『大学の日本史 4 近代: 教養から考える歴史へ』 山川出版社 2016年[ISBN9784634600348]、
三谷太一郎 『日本の近代とは何であったのか―問題史的考察』 岩波書店 2017年[ISBN9784004316503]、
井上勝生『幕末・維新(シリーズ日本近現代史1)』岩波書店 2006年[ISBN9784004310426]、
牧原憲夫『民権と憲法(シリーズ日本近現代史2)』岩波書店 2006年[ISBN9784004310433]、
原田敬一『日清・日露戦争(シリーズ日本近現代史3)』岩波書店 2007年[ISBN9784004310440]、
成田龍一『大正デモクラシー(シリーズ日本近現代史4)』岩波書店 2007年[ISBN9784004310457]、
加藤陽子『満州事変から日中戦争へ(シリーズ日本近現代史5)』岩波書店 2007年[ISBN9784004310464]、
吉田裕『アジア・太平洋戦争(シリーズ日本近現代史6)』岩波書店 2007年[ISBN9784004310471]、
雨宮昭一『占領と改革(シリーズ日本近現代史7)』岩波書店 2008年[ISBN9784004310488]、
武田晴人『高度成長(シリーズ日本近現代史8)』岩波書店 2008年[ISBN9784004310495]、
吉見俊哉『ポスト戦後社会(シリーズ日本近現代史9)』岩波書店 2009年[ISBN9784004310501]、
岩波新書編集部編『日本の近現代史をどう見るか(シリーズ日本近現代史10)』岩波書店 2010年[ISBN9784004310518]
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成績評価の方法 及び基準 |
期末課題レポート(70%)と毎授業におけるリアクション・ペーパーなどの課題提出、授業への姿勢(30%)とします。なお、授業回数の1/3以上の欠席は原則として評価対象外。期末課題レポートが未提出の場合は単位取得は不可です。 |
質問への対応 | 授業に対する質問は、授業終了後もしくはメールにて受け付けます。 メールの場合は件名(授業名)および、受講曜日時限・学科・学年・番号・氏名を必ず明記する。 |
研究室又は 連絡先 |
連絡先:aoki.manabu☆nihon-u.ac.jp ☆は@に置き換えてください。 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
いわゆる中学校や高等学校の歴史と歴史学は何が違うのか。授業を通してその違いを確認し、学んだことを自身の研究に取り入れてもらえれば嬉しいです。 |