2024年 理工学部 シラバス - 教養教育・外国語・保健体育・共通基礎
設置情報
科目名 | 心理学 | ||
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設置学科 | 一般教育 | 学年 | 1年 |
担当者 | 加藤 博己 | 履修期 | 前期 |
単位 | 2 | 曜日時限 | 月曜3 |
校舎 | 船橋 | 時間割CD | Q13H |
クラス | 1年生は「精機・航宇・電気」のみ、2年生以上は全学科 | ||
履修系統図 | 履修系統図の確認 |
概要
学修到達目標 | 本講義では,心理学の基礎分野の中から「記憶・認知」「感覚・知覚」「学習」という3つの分野、および心理学とはどのような学問であるのか(語源、定義、分野、研究法、歴史)を説明する力、ならびに科学的な態度(クリティカル・シンキング)を身に付ける。 科目「応用心理学」(「発達」「パーソナリティ」「社会」「動機づけ」「情動」)(開講未定)と合わせて履修することにより、心理学の基礎分野を網羅して説明する力、および科学的な態度(クリティカル・シンキング)を身に付ける。 |
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授業形態及び 授業方法 |
「対面授業」。挙手、指名による発言や、毎週の課題(ワーク&コメント)の記述・提出、簡単な実験の実施により学生が主体的に学ぶことを促す。 授業開始時10分間で、最初は参照物なしで前回授業内容を書き出し,その後に加筆・修正を加える「ワーク」の記述、授業終了時10分間では、本日の授業の「コメント」の記述・提出が毎週求められる。 忌引きや感染症等やむを得ない事情で対面授業に参加できない学生については、Classroomにて過年度分の動画・資料をオンデマンド型で配信予定。原則6日間以内に参加できないことを示す証明書の写メとともにワーク&コメントをClassroomにて送信してください。 初回授業で履修希望者数が上限を超えず抽選がなかった場合には、初回授業欠席者はClassroomのストリームで配信される注意事項を確認し、欠席時に行うべきことや、課題(ワーク&コメント)の提出方法&締め切り、次回授業までにすべきことを把握し授業に臨むこと。 |
履修条件 | 大多数の受講生にとって初めて学ぶ学問となるので、毎週必ず復習をしてから授業に臨んでほしい。履修希望者が多い場合には、初回授業にて履修者制限を行うことがある。「心理学」の基礎分野を概観し、科学的な視点を身につけるためには、科目「応用心理学」と合わせて履修することが望ましい。 社会コミュニケーションサブメジャーコース指定科目 |
ディプロマ・ポリシー(DP)及びカリキュラム・ポリシー(CP)との関連 | 本授業科目はDP1・6及びCP1・6に該当しています。 |
授業計画
第1回 | 授業内容 【ガイダンス】(履修希望者は、シラバスを読んだ上で初回授業のガイダンスに必ず出席し、講義のねらい、学習計画、ワーク&コメント、評価方法、注意事項等を理解した上で受講のこと。 授業外学習では、各回の学習内容につい教科書、web、各自取ったノート等を用いて、予習では次回何を学ぶのか、復習では何を学び、どう理解したかを学習することを勧める)。 【記憶】 ①記憶の過程 | 授業時間外学修(事前学修・事後学修)の内容 【事前学修】シラバスを確認の上,授業に臨むこと。教科書80-81頁。 【事後学修】シラバスと配布プリントの理解と習得。 | 事前学修・事後学修 の時間数 【事前学修】40分。 【事後学修】80分。 |
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第2回 | 【記憶】 ②記憶の長さによる分類(感覚記憶・短期記憶・長期記憶)。 | 【事前学修】教育改革を踏まえての授業のねらい、学習計画、評価方法を理解し、心理学が実証科学であることを説明できるようにする。教科書80~100頁。 【事後学修】記憶の長さによる分類を説明できるようにする。次週のワークのためのノートと教科書80~100頁。 | 【事前学修】40分。 【事後学修】80分。 |
第3回 | 【記憶】 ③記憶の内容による分類(意味記憶・エピソード記憶、手続き記憶)。 ④記憶の方略、忘却の仕方(集中学習・分散学習、精緻化リハーサル)。 | 【事前学修】教科書80~100頁。 【事後学修】記憶の内容による分類や方略を説明できるようにする。次週のワークのためのノートと教科書80~100頁。 | 【事前学修】40分。 【事後学修】80分。 |
第4回 | 【記憶】 ⑤忘却の仕方(忘却曲線、系列位置効果)。 ⑥忘却の理由(不使用説、干渉説、検索失敗説、抑圧説)。 | 【事前学修】教科書80~100頁。 【事後学修】忘却曲線や系列位置効果,忘却の理由を説明できるようにする。次週のワークのためのノートと教科書80~100頁。 | 【事前学修】40分。 【事後学修】80分。 |
第5回 | 【感覚・知覚】 ➀感覚(感覚のモダリティ)。 ②感覚(閾値、順応) ③知覚(図と地)。 | 【事前学修】教科書101~164頁。 【事後学修】感覚や知覚について説明できるようにする。次週の小テストやワークのためのノートと教科書101~164頁。 | 【事前学修】40分。 【事後学修】80分。 |
第6回 | 【小テスト、およびその解説」。 【感覚・知覚】 ④知覚(群化、恒常性) ⑤認知(アフォーダンス)。 | 【事前学修】教科書101~164頁。 【事後学修】記憶、感覚・知覚について説明できるようにする。次週のワークのためのノートと教科書101~164頁。 | 【事前学修】40分。 【事後学修】80分。 |
第7回 | 【感覚・知覚】 ⑥認知(アフォーダンス、ストループ効果)。 【学習】 ➀レスポンデント条件づけ(強化・消去・般化・分化)。 | 【事前学修】教科書101~164頁。 【事後学修】認知、パヴロフの条件づけの原理を説明できるようにする。次週のワークのためのノートと教科書101~164頁。 | 【事前学修】40分。 【事後学修】80分。 |
第8回 | 【学習】 ②レスポンデント条件づけ(恐怖条件づけ、実験神経症、二次条件づけ、学習性無力感)。 | 【事前学修】教科書65-80頁。 【事後学修】レスポンデント条件づけの応用(恐怖条件づけ、実験神経症、二次条件づけ、学習性無力感)について説明できるようにする。次週のワークのためのノートと教科書65-80頁。 | 【事前学修】40分。 【事後学修】80分。 |
第9回 | 【学習】 ③オペラント条件づけの元になった試行錯誤学習。 ④オペラント条件づけ(シェイピング、迷信行動)。 | 【事前学修】教科書65-80頁。 【事後学修】試行錯誤学習やオペラント条件づけの原理を説明できるようにする。次週のワークのためのノートと教科書65-80頁。 | 【事前学修】40分。 【事後学修】80分。 |
第10回 | 【学習】 ⑤その他の学習理論(洞察学習、観察学習)。 | 【事前学修】教科書65-80頁。 【事後学修】洞察学習、観察学習を説明できるようにする。次週のワークのためのノートと教科書65-80頁。 | 【事前学修】40分。 【事後学修】80分。 |
第11回 | 【学習】 ⑥その他の学習理論(初期学習〈刷り込み〉)。 | 【事前学修】教科書65-80頁。 【事後学修】初期学習を説明できるようにする。次週のワークのためのノートと教科書65-80頁。 | 【事前学修】40分。 【事後学修】80分。 |
第12回 | 【心理学とは】 ➀心理学の語源(psychologia、psychology) ②心理学の定義(行動や認知の実証) ③心理学の分野(基礎、応用、原理・方法・歴史) | 【事前学修】教科書209-234頁。 【事後学修】心理学の語源、定義、分野を説明できるようにする。次週のワークと到達度の確認試験のためのノートと教科書209-234頁。 | 【事前学修】40分。 【事後学修】80分。 |
第13回 | 【心理学とは】 ④心理学の研究法(調査〈相関関係〉と実験〈因果関係〉:統制群法)。 | 【事前学修】ノートと教科書のこれまでの学習範囲。 【事後学修】調査と実験の違い、相関関係と因果関係の違いについて説明できるようにする。次週のワークのためのノートと教科書のこれまでの学習範囲。 | 【事前学修】40分。 【事後学修】80分。 |
第14回 | 【心理学とは】 ⑤心理学の歴史(世界の心理学史)。 | 【事前学修】教科書215-220頁。 【事後学修】心理学の歴史を説明できるようにする。次週のワークのためのノートと教科書215-220頁。 | 【事前学修】40分。 【事後学修】80分。 |
第15回 | 【心理学とは】 ⑤心理学の歴史(日本の心理学史)。 【まとめと展望」(学べなかった心理学の基礎分野:動機づけ、情動、発達、パーソナリティ、社会)。 | 【事前学修】教科書215-220頁。 【事後学修】心理学とは何かを説明できるようにする。次週のワークのためのノートと教科書215-220頁。 | 【事前学修】40分。 【事後学修】80分。 |
その他
教科書 |
鹿取廣人, 杉本敏夫, 鳥居修晃, 河内十郎(編) 『心理学』 東京大学出版会 2020年 第5補訂版
「第5版」ではなく,「第5版補訂版」です。ご注意ください。ISBN[978-4-13-012117-0]
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参考書 |
その他、必要に応じて授業内で紹介する。
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成績評価の方法 及び基準 |
平常点(小テスト10%,毎週提出するワーク&コメント90%)による。 「記憶・認知」「感覚・知覚」「学習」という3つの基礎分野、および心理学とはどのような学問であるかということを理解し記述していることが問われる。 ChatGPTをはじめとしたAI技術を用いずに自分で考えワーク&コメントを記述のこと。定期試験を行わないので、各自で夏と冬に年2回行われる「心理学検定」にトライし、学びの成果を形にしてみてください。 |
質問への対応 | ノートを取ることが目標となってしまわないように、学んだ事柄について考え、疑問を持ったり、意見を持って欲しい。疑問を持ったら授業中や授業後に質問したり、授業外でWebや図書などで調べたりして、わからないままにせず、次週のワークまでに解決してほしい。 |
研究室又は 連絡先 |
右記のE-MAILを用いて問い合わせてください。kato.hiroki20@nihon-u.ac.jp 講義日以外の日には、他に仕事を持っているので、メールでのやりとりは、早朝・深夜となりがちですがご了承ください。 |
オフィスアワー | |
学生への メッセージ |
【受講生に臨むことや受講上の注意点等】 ➀過去の受講生からのアドバイス等から、ルーズリーフではなく、ペン・ボールペン書きでの「ワーク」&「コメント」の記述や「ノート」の利用を促す。 ②〈履修上のルール〉 スマホの利用は原則授業開始時10分間の「ワーク」記述時、および授業終了10分前の「コメント」記述時のみとする。ただし、ノートとしてのパソコン・タブレットは授業中利用可能とする。 大多数の受講生にとって初めて学ぶ学問なので、無遅刻・無欠席を心掛け、毎週各自で復習をしてから授業に臨むこと。 (心理学について) TVで見られるような表情や仕草から心を読み取るメンタリズムや、占い、書店で売られている心理ゲームの本は、エンターテインメントの一つであり、実際の学問としての心理学とは無関係である。また、心理学を応用したプロファイリングも日本ではほとんど行われていない。 実際の「心理学」は、人間やその他の動物等の日常生活に密着した(目に見える)「行動」や(目に見えない)「認知」的側面を実験や調査などを通してデータ化して実証する科学のひとつである。以下の学生からのコメントを参考にしてほしい。 「私が心理学を受講したきっかけは、単純に「面白そうだな、人付き合いなどに役立ちそうだな」と思っていたからだ。正直メディア等でもてはやされる、いわゆるマインドコントロール的な側面に魅力を感じていた部分がある。しかし実際の授業を受講してみて、心理学者の行った実験が非常に面白く、日常で実感出来るような心理効果は、このようにして具体的に突き止められていたのだなという事を学ぶ事が出来た。授業を通して、目標にあったように、クリティカル・シンキングを養う事が出来たように思う(応化2年)」。 |